韓国・文在寅、ここへきて「支持率低下」に追い詰められた本当のワケ

韓国・文在寅、ここへきて「支持率低下」に追い詰められた本当のワケ

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/09/21
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文在寅、落ちた支持率

曺国法務部長官の強行任命の「ツケ」が回ってきた――。

9月14~15日に韓国放送局MBCが行った世論調査では、文在寅大統領の国政運営に対する肯定的評価は44.5%、否定的評価は51.7%と支持率の低下傾向が鮮明になっている。

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〔photo〕gettyimages

特に、9月9日に曺国氏を法相に任命したことを「良くないこと」とした回答は57.1%となり、「良いこと」との回答の36.3%を20.8%上回っている。これは、曺国氏に対する疑惑が日々深刻化していることの反映である。

文政権としては、秋夕の連休後の評価が気になっていたであろうが、非常に厳しい評価である。特にMBCは政府寄りの報道機関であり、その評価が厳しいことは深刻に受け止めざるを得ないであろう。

同様に9月19日、韓国の調査機関リアルメーターが発表した最新の世論調査結果も、文在寅大統領の支持率は43.8%となり、就任後の最低記録を更新した。一方の不支持率も53.0%と2週連続で拡大している。

これまで、国内の反対を押し切ってでも、自分の主張を押し通してきた文在寅大統領。しかし、文氏に対する支持が一層落ち込むことになれば国政への影響も避けられないであろう。それでは支持率回復の鍵は何か。それは可能か。検証してみたい。

文在寅は曺国を切れない…?

文在寅大統領が国民の支持を回復するためになすべきことを列挙すれば、以下のものであろう。

1. 事態が一層悪化する前に、曺国氏を解任すること
2. 韓国経済が深刻な状況にあることを率直に認め、これに対応する施策を講じること
3. 外交の基軸を見つめ直し、日米との連携に立ち戻ること
4. 韓国の安全保障環境の現実を見つめ直し、北朝鮮に対する現実的な対応を取ること

しかし、文在寅政権が今行っていることはこれとは真逆なことである。これでは韓国は国内的にも、国際的にも一層窮地に陥るだけである。

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曺国氏に対する疑惑の追及が進んでおり、検察当局は曺国氏一家が投資するファンドの実質的なオーナーを逮捕し、取り調べを行っている。その過程で、妻の経営への関与疑惑が表面化しており、隠ぺい疑惑も取りざたされている。

曺国氏の娘も取り調べを受けており、いずれ曺国氏本人の取り調べが行われる可能性も浮上している。

これに対し、曺国氏は検察改革を進めることで検察側捜査に対抗しており、文大統領も、検察による取り調べ情報のリークを制約することで、世論への悪影響を抑制、検察の捜査への国民の支持を潰そうとしている。

これに対する保守系の自由韓国党の場外闘争は激化しており、政治的混乱は一層増していく勢いである。

中央日報が批判したワケ

こうした中、文在寅政権にとっての最悪のシナリオは曺国法相が逮捕されることである。

文在寅大統領は、曺国氏の任命が賭けであるとは認識していたと思うが、今の流れからすると検察は曺国氏の逮捕に至るまで徹底して捜査する動きであり、金融犯罪を捜査してきた特別チームも捜査に加え本腰で取り組んでいる。

いずれ曺氏が取り調べを受け、逮捕される事態を想定して置かざる状況となっているが、文政権は何とか曺国氏を救うことに注力しているだけである。

曺国氏に対する捜査が進むにつれ、文在寅氏への批判は強まっていくのではないか。それは支持率の一層の低下につながるのではないか。

文在寅大統領は、秋夕連休後の9月17日に青瓦台で主宰した首席・補佐官会議で8月の雇用動向に関し、「過去最高の雇用率を記録しており、失業率も過去最低水準に下落した」「世界経済の不確実性の拡大と製造業の構造調整など厳しい環境の中で政府の積極的な雇用政策と財政政策が作り出した大切な成果」であり、「韓国経済は正しい方向に向かっている」との楽観論を展開した。

しかし、こうした見解に対し中央日報は、大統領の認識は見たいことだけを見ることで生じた「確証偏向」だと批判している。

就業者は増えたが、増えた45万人の中で60歳以上の高齢者が39万人、税金で高齢者のバイトを増やしただけである。30代、40代の就業者はむしろ23か月連続で減少している。良質の雇用とされる製造業就業者も17か月連続で減った。年初政府が掲げた2.6-2.7%の成長も難しくなっている。

米中貿易紛争に日韓葛藤まで重なり、「デフレーションの恐怖」までちらついている。

冷え込む韓国経済

韓国のシンクタンク韓国経済開発院(KDI)は、6か月連続で「対内外の需要が委縮して全般的に経済状況が不振と診断した。

輸出は半導体と石油類を中心に9か月連続で前年比マイナスになっている。設備投資も今年に入り4.7%減少した。消費者心理指数まで92.5(8月)に下がり、家計の消費まで冷え込む兆候が見えている。

先月の消費者物価は対前年比0.04%下落し、1965年以降初めてマイナスになった。

こうした経済不振の最大の要因が、2年以上にわたり政府が推進してきた所得主導成長と勤労時間短縮、脱原発などの反市場・反企業政策だと言われる。

所得主導成長は二極化の深刻化と雇用の減少という予期しない結果をもたらしている。

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しかし、文在寅氏は現在の経済状況が「経済体質転換過程の陣痛」「われわれの経済は全体的に成功に向かっている」「フェイクニュースで市場の不安をあおるべきではない」などと主張し、政策を変える動きは見せていない。今からでも現実をありのままに見つめることが不可欠だろう。

KDIと韓銀は「成長潜在力を拡充するには経済全般の構造改革を通じて生産性を向上させる必要がある」と提言しているが、経済政策が分配政策中心の文政権はこれと逆行する政策を行ってきた。

これを変えるには文大統領は思考を根本から改める必要があろう。

旭日旗、汚染水、ホワイト国除外…

韓国は、日本から見た日韓関係を戦後最悪の状況にまで悪化させた。また、米国とはGSOMIAの破棄をめぐって対立は解けないままとなっている。現在の文在寅大統領の対日認識が続く限り、日韓関係の抜本的な改善は難しいであろう。米国も文在寅政権に対しては愛想をつかしている。

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そうした状況にもかかわらず韓国は、軌道の修正を図るどころかむしろ中国や北朝鮮に歩み寄る姿勢を示している。

米国もこれまでは日米韓の連携の重要性を韓国に説いてきたが、韓国は逆に、日米韓の連携を乱すのは日本であるとの言いがかりを付け、米国に日本との仲介を求める手段に利用しようとしている。

北朝鮮の非核化問題への対応には韓国の協力が必要であると日米は認識しているが、現実には韓国は北朝鮮に寄り添い、日米が進める北朝鮮非核化努力に非協力的である。韓国に対する対応を考え直さなければいけない時が来ているのかも知れない。

さらに文政権は日韓関係改善の糸口を求めるどころか、あらゆる機会を使って嫌がらせまがいの言動を繰り返している。以下、ここのところ起きている事象を列挙してみよう。

大韓障害者体育会のシン・ウォンサン国際体育部長は、9月12日に東京で開かれたパラリンピック団長会議で旭日旗使用許容に対し公式に異議を提起した。パラリンピックのメダルのデザインも旭日旗を連想させるとして変更を求めている。

9月16日、IAEA総会で韓国代表は、「汚染水問題は未解決で、世界中で恐怖と不安が増大している」と日本を追求した。

9月17日、韓国の2大労組はILOに対し、韓国大法院の徴用工判決に対する日本政府の対応を批判する意見書を提出した。

9月18日、産業資源部は、日本をホワイト国から除外する措置を盛り込んだ「戦略物資輸出入告示」を施行した……といった具合である。

解決の糸口

韓国は、日本の輸出管理措置の導入以降、日本製品不買運動、日本への旅行の自粛キャンペーンを繰り返している。それによって九州や山陰などのサービス業には甚大な影響が及んでいるところもある。

しかし、韓国の消費者が進んでこれに協力しているのであろうか。むしろこうした雰囲気には逆らえないとの流れにのみ込まれているのであろう。こうした運動を悪乗りして盛り上げている韓国の一部反日活動家の罪は大きい。

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翻って、こうした運動が成果を上げるか。日本の今の雰囲気では韓国のところ構わぬ圧力に屈し日本が譲歩すべきだとする日本人はごく少数であろうし、これが奏功することはないであろう。

両国の市民レベルの交流、経済関係を破壊するだけの行為である。

こうした不買運動は韓国の雇用にも悪影響を及ぼしている。また、個人の旅行客はまだ、日本に行くが旅行会社を通す団体客は80-90%減ったそうであり、旅行会社の体感は数字で示すよりはるかに悪い由である。韓国経済が悪化の一途を辿る中、韓国の消費を一層委縮させかねない。

これまでは、日韓関係が困難に直面した際、貿易問題など国民感情とは離れた問題をまず解決し、その後歴史問題などより困難な問題に取り組んできた。しかし、今の韓国は日韓関係が最も進んだ国民交流のレベルで関係を破棄する動きを繰り返している。

しかも、不買運動の先導役を果たしているのが青瓦台の秘書官だという噂もある。これでは日韓関係を立て直す糸口も見つからない。

GSOMIA破棄の「真意」

韓国は安倍政権に問題があるという。

しかし、安倍総理は日韓で慰安婦合意を成し遂げるなど日韓関係改善に決して消極的な訳ではない。日韓の歴史問題にこだわり一切動こうとしない文在寅大統領がその姿勢を維持する限り、関係改善は困難なのではないか。

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韓国の文正仁統一外交安保特別補佐官は、北京で開かれた第3回太和文明フォーラム期間に受けたインタビューで「中国は韓国と日本との間の重要な仲裁者になることができる」「今までは米国がその役割をしたが、これからは中国がする時だ」と述べた。

文補佐官の発言は6か月後には文大統領の政策になるといわれる外交の師であり、同補佐官のこうした発言は韓国の米国離れの懸念を高めるものである。

また、同補佐官は近く開かれる可能性のある米朝実務者交渉において「北朝鮮が望んでいる安全保障と制裁の緩和に対して、米国がより柔軟な姿勢で出る必要がある」と述べた。

韓国は北朝鮮に非核化の進展を促すのではなく米国に譲歩を求めている。北朝鮮の非核化を促すためには韓国がより確固たる立場を取り必要がある。

韓国がGSOMIA破棄を決めてから、ほぼ1か月が経ったが、日本は少しも動かず、米国の否定的な反応が予想以上に厳しいのに行政府関係者は戸惑っている模様である。

GSOMIA破棄決定後強硬だった政府の立場にも、「条件付き再開」に言及する人も現れている。ただ、青瓦台の立場は、「GSOMIA破棄の再検討はない」と明確である。最早文政権では国益を考えた合理的な判断ができなくなっているのか。

困難な状況

GSOMIA破棄を決めた会合では、外交部、国防部などは廃棄に反対、青瓦台の内政派が破棄を唱えたが、会議の結果は破棄反対が若干優勢であった。

ところが、文在寅大統領自身が北朝鮮が破棄を唱えているからとして、廃棄を決定したとの一部報道がある。

青瓦台が強硬に否定していることから見て案外その推測は当たっているのかも知れない。

文政権は、昨年の軍事合意で38度線付近偵察飛行を南北が中止することで合意した。しかし、現実には北朝鮮は行っておらず、韓国の一方的な中止である。それも、北朝鮮が38度線沿いに配置するロケット砲などの削減を求めず、韓国の国防力のみ一方的に削減する措置である。

文在寅氏は、韓国の国防を何と考えているのだろうか。北朝鮮に対し、確固たる防衛力を維持していないと北朝鮮とは対等な関係さえ構築できないことも理解できないのであろうか。

曺国氏の任命で文在寅大統領はますます独善的になっている。困難に陥った時であればなおさら現実を直視し、適切な政策を進めないと韓国を一層困難な状況に貶める。それは支持率の低下以上に文政権を貶めていくのではないか。

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