イーロン・マスクが火星に人間を移送するのはいつか?

イーロン・マスクが火星に人間を移送するのはいつか?

  • @DIME
  • 更新日:2016/11/30

PayPal、テスラなどの起業に関わり、民間の宇宙会社スペースXを立ち上げた、イーロン・マスク氏。個人資産は1兆5000億円を超えるともいわれ、スティーブ・ジョブズ氏に次ぐイノベーターと目される彼が手掛けたスペースXは、「ファルコン9」ロケットでの発射に成功、無人の物資補給船「ドラゴン」をISS(国際宇宙ステーション)とドッキングさせ、地球に無事帰還した。また相次いで、トルクメニスタンの通信衛星打ち上げにも成功している。宇宙での商業輸送の担い手として期待されるスペースXとは何か? そして将来は火星へ8万人を移送するという計画とはいかなるものか?

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■故スティーブ・ジョブズに次ぐイノベーター

イーロン・マスク氏はペンシルバニア大学で物理学、ウォートンスクールでビジネスの学位を取得した後、インターネット支払いシステム、PayPal(ペイパル)を共同創業した。現在はテスラモーターズ社の製品設計の責任者、最高経営責任者であり、スペース エクスプロレーション テクノロジーズ(スペースX)のチーフデザイナーでもある。

2008年、スペースXはファルコン 9ロケットとドラゴン宇宙船により、スペースシャトルの物資輸送機能の代替機としてNASAとの契約を獲得、2年後の2010年に地球の軌道からの回収を実現した最初の営利企業となった。そして2012年にはドラゴンとISSとのドッキングと地球への物資の回収に成功した最初の営利企業となるなど、宇宙での華々しい成功を収めてきた。

さらにイーロン・マスク氏は米国の太陽光発電システムの主要な供給業者であるソーラーシティー社の創業にも関与している。アップルの創業者である故スティーブ・ジョブズに次ぐイノベーターはイーロン・マスク氏に他ならないといわれている。

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■なぜNASAは民間企業に業務を委託したのか?

1981年から2011年までの30年間、スペースシャトルによる打ち上げを135回行ったNASAは、以降の打ち上げを終了した。そして新型宇宙船「オリオン」の開発、打ち上げへと宇宙開発はシフトすることとなった。オリオンの目的は、地球周回低軌道にとどまらず、月へ、さらには火星などへ人を運ぶことである。アポロ計画以来止まっていた地球外惑星へのミッションが、いよいよ再開したのだ。それは2030年代半ばまでに火星へ宇宙飛行士を送り出すという、オバマ大統領が掲げた目標に則したもので、国家の威信と野望をかけた挑戦なのである。

一方で、ISSへの物資輸送と人員輸送は民間企業に委託される。スペースXとボーイングが選ばれたのは、予算削減と共にオリオン計画への注力をはたすためのものである。スペースシャトル退役後、NASAはロシアのソユーズ宇宙船に宇宙飛行士の輸送を依頼してきたが、自国での有人ロケットの打ち上げが再開されれば、国外に頼む必要もなくなるのだ。スペースXは契約金として26億ドルを獲得。2017年には両社が有人打ち上げを行なう予定になっている。

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■地球への垂直着陸を繰り返す理由とは?

スペースXは打ち上げロケットのファルコン 9の第1段機体を使った垂直着陸実験を繰り返してきた。昨年の4月28日の打ち上げでは、通信衛星を打ち上げるため推力を確保する必要があり、同実験は行われなかったものの、第1段機体に着陸脚を付け、海上に浮かべた船の上へ垂直着陸の実験をする発想は、数々の起業を成功させたイーロン・マスク氏ならではだ。OSのバグチェックのように製品をユーザーにテストさせる、コストを抑えた実験で彼は何を行なうつもりなのだろうか?

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それは、スペースXが将来的に火星への移住計画を立てているためだと目されている。再利用可能なロケットを使い、最終的に8万人を火星へ移住させる構想で、透明のドームを建設し、地球上に近い生活を行うのが目標。1人当たりのコストは50万ドル程度と想定している。オバマ大統領の国家目標を超えた壮大な計画を、今世紀前半には成し遂げたいとスペースXはコメントしている。途方もない話かもしれない。しかし、イーロン・マスクなら現実にしてくれるのだろう。

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■関連情報

http://www.spacex.com/

文/中馬幹弘

編集・ライター。アメリカンカルチャー誌編集、アパレルプレスを経た後、モノ雑誌に長く関わり携帯電話やデジタル製品、ファッションなどトレンド情報に明るい。証券会社勤務があり金融事情通でもある。

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