地球で生命が生まれたのと同じ環境が土星の衛星「エンケラドゥス」に存在すると最新研究で発表

地球で生命が生まれたのと同じ環境が土星の衛星「エンケラドゥス」に存在すると最新研究で発表

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  • 更新日:2017/11/15
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byNASA

二酸化炭素・メタン・水素が存在し、生命体生存の条件がそろっていると報告されていた土星の衛星・エンケラドゥスの深海に熱水噴出孔が存在すると研究者らが発表しました。地球上の生命は熱水噴出孔で化学反応が起こったことから始まったと言われているため、この研究結果によってエンケラドゥスでも微生物が進化した可能性が大きくなっています。

Powering prolonged hydrothermal activity inside Enceladus | Nature Astronomy

https://www.nature.com/articles/s41550-017-0289-8

Aliens on Enceladus: Chances of E.T. Living in Subsurface Ocean of Saturn’s Icy Moon Given Major Boost

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http://www.newsweek.com/aliens-enceladus-saturn-icy-moon-porous-core-heat-702774

エンケラドゥスの表面は氷で覆われていますが、氷下には海が存在し、熱活動があることがわかっています。また、これまでの調査によって二酸化炭素・メタン・水素が存在することがわかっており、「エンケラドゥスには数十億年にわたって微生物としてのエイリアンが繁殖し進化していく十分な時間があった」と考えられています。

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NASAが土星の衛星「エンケラドス」の氷下に眠る海から水素を検出、生命体生存の条件がそろう - GIGAZINE

Nature Astronomyで新たに発表された論文によると、NASAの土星探査機「カッシーニ」が集めたデータを調査したところ、エンケラドゥスがどのようにして海洋を維持できているのかが明らかになってきたとのこと。エンケラドゥスの海洋が氷下で起こる潮汐力でのみ熱されていたとしたら3000万年もしないうちに凍っていたはずなのですが、2017年現在も海洋として存在する以上、潮汐力以外の何らかの力が働いていたはずだと見られていました。

この理由を探るべく、研究者らがカッシーニの観測と一致するモデルを作成したところ、エンケラドゥスの海洋を液体として保っているのは衛星のコアが多孔性であるからだと判明。多孔性の岩石を通過する水は過熱され、摂氏90度以上で湧昇(ゆうしょう)します。このようなホットスポットはエンケラドゥスの南極付近で多く観測されており、温度が高いことから南極付近の氷は他と比べて薄いことをも報告されています。研究者は、この過熱メカニズムによって海洋が1000万年は保つことができているという分析を示しました。

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byNASA

一般的に、地球で生命が進化できたのは深海に存在する熱水噴出孔で化学反応が起こったからだと言われています。エンケラドゥスでも地球と同様の熱水噴出孔の存在が確認されたことで、生命が進化を遂げてきた大きな可能性が示されたことになります。

研究を行ったフランス国立科学研究センターのGael Choblet氏はNewsweekの取材に対し「エイリアンの存在は推測できないものの、熱水の活動が存在するという事実は微生物が出現した可能性を強化します」「もし昨年発表された仮説が正しければ、活発な熱水活動は衛星が作られた頃から、ともすれば太陽系の時代から行われていた可能性があります」とコメントしました。

またインペリアル・カレッジ・ロンドンのRavi Desai教授は今回の研究には参加していませんでしたが、「エンケラドゥスでのこれらの発見は、氷に覆われた木星とも関係することです。木星の衛星であるエウロパガニメデについて考えると、この発見は非常に刺激的です」とコメントしました。

なお、研究チームは今後、エンケラドゥスで起こった化学物質の相互反応についてシミュレートし、化学物質や熱が海洋をどのようにして広がっていくのかを調査する予定となっています。

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