ユニクロは「超ワンマン会社」? 潜入取材のために離婚も

ユニクロは「超ワンマン会社」? 潜入取材のために離婚も

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  • 更新日:2018/02/15
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横田増生(よこた・ますお)/1965年生まれ。物流業界紙編集長を経てフリー。『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』『評伝 ナンシー関「心に一人のナンシーを」』など著作多数(撮影/横関一浩)

物流業界紙編集長を経てフリーとなった横田増生さんの著書『ユニクロ潜入一年』が話題だ。前著『ユニクロ帝国の光と影』で名誉毀損だとして提訴された著者が、今度はアルバイトとして潜入ルポを敢行。人件費抑制やサービスの実態などが克明に描かれる。

「一昨日も決算会見で質問してきたところです」

横田増生さんのユニクロ・ウォッチングは継続中だ。前著『ユニクロ帝国の光と影』をめぐる裁判で勝利したにもかかわらず、3年前、横田さんはユニクロの中間決算会見への参加を断られていた。激怒した横田さんにはこの時、胸に宿るものがあったという。

さらには「ブラック企業では?」としばしば指摘されるその労働環境に対し、柳井正会長兼社長が雑誌のインタビューで「社員やアルバイトとしてうちの会社で働いてもらって、どういう企業なのかをぜひ体験してもらいたいですね」と答えているのを読んだことも、今回の本につながる「決意」の引き金になった。

「じゃあアルバイトさせてもらおうじゃないか、と挑発に乗ったわけです」

潜入するために横田さんはいったん離婚し、姓を変えて、ユニクロで働き始める。

「幸いなことにウチの妻は、年賀状を書くとか定型的な振る舞いは苦手だけど、イレギュラーな出来事は大歓迎という人なんです(笑)」

1年以上の歳月をかけて3店舗に勤務した横田さんは、職業人としてまっとうに業務をこなしながら、サービス残業の横行や強引な出勤調整による人件費抑制などの事実を突き止めていく。

「最初に半年働いた店では、取材メモだけでA4の紙300枚くらいになりました。それを全部、時系列にプリントアウトして編集するだけでも相当なものです」

その潜入記事が掲載された「週刊文春」発売の2日後、横田さんは解雇通知をされる。「懲戒解雇」より弱く、根拠のあいまいな「諭旨退職」(説得して辞めてもらう)だった。

「退職後に書いたルポはありますが、働きながらの潜入ルポは例がないと思います。私がそこにこだわったのは、書いたことが明らかになった時、『懲戒解雇できるんですか?』と問い質したかったからです。実際、彼らは懲戒解雇にはできませんでした」

横田さんはファーストリテイリングの株主にまでなり、株主総会で質問も試みている。しかしそこでも柳井氏から直接回答の言葉を聞けたことは、今日までほとんどない。

「ユニクロは誰一人社長に意見できない超ワンマン会社だと思います。柳井さんが変わらない限り、会社も変わらないでしょう。私はこれからも、私が書いたことへの柳井さんの反論を待ち、対話が始まることを願って情報収集を続けていきます」

(ライター・北條一浩)

※AERA 2018年2月19日号

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