韓国、米国大使を侮辱で“反米国家”に...在韓米軍撤退の動き、ウォン安が通貨危機に発展も

韓国、米国大使を侮辱で“反米国家”に...在韓米軍撤退の動き、ウォン安が通貨危機に発展も

  • Business Journal
  • 更新日:2019/09/21
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アメリカのドナルド・トランプ大統領(左)と韓国の文在寅大統領(右)(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

9月18日、韓国は安全保障上の輸出管理における優遇国のグループから日本を除外した。8月に日本が韓国を輸出管理の「ホワイト国(優遇対象国)」から外したことに対する、事実上の報復措置と見られている。

昨年、元徴用工判決やレーダー照射問題で日韓関係は一気に悪化した。今夏、日本が韓国に対して半導体材料3品目の輸出管理強化とホワイト国除外を発表すると、反発した韓国は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄したほか、世界貿易機関(WTO)に提訴するという動きを見せた。

戦後最悪ともいわれる日韓関係の背景には何があるのか。また、今後はどう動くのか。9月20日に『「韓国大破滅」入門』(徳間書店)を上梓した経済評論家の渡邉哲也氏に聞いた。

“反米国家”韓国から米軍撤退か

――お互いに輸出管理の優遇対象国から外すなど、日韓関係は対抗措置の応酬で泥沼化しています。

渡邉哲也氏(以下、渡邉) まず、日本の輸出規制は「ワッセナー・アレンジメント(WA)」に基づくものであり、国際的な安全保障協力の一環です。WAとは、主に旧西側諸国が参加する武器転用技術の流出を防ぐ安全保障協定であり、日本やアメリカ、韓国など42カ国が参加しています。日本はWAに基づき、2017年に改正外為法を施行しており、韓国に対する措置も同法に沿ったものです。

輸出管理の対象として、主に「リスト規制」と「キャッチオール規制」があり、後者は「大量破壊兵器キャッチオール」と「通常兵器キャッチオール」に分けられます。日本は改正外為法で通常兵器キャッチオールまで厳格化しており、韓国側にも同様の措置を取るよう協議を求めていたものの、無視され続けてきました。そして、最近になり、韓国には日本の通常兵器キャッチオールに対応する法律がなく、輸出管理の法的根拠がないことが明らかになっています。

7月に、韓国産業通商資源省が15年から19年3月までに戦略物資の違法輸出が156件に上ったことを発表しましたが、その背景にはそうした問題もあったのです。そのため、国際的な常識に照らし合わせても日本の対応は妥当だと思われます。

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『「韓国大破滅」入門』(徳間書店/渡邉哲也)

――韓国は、ホワイト国からの除外を受けてGSOMIAの破棄を発表しました。

渡邉 これにはアメリカも反発しましたが、韓国はハリー・ハリス駐韓特命全権大使を呼び出してメディアの前で抗議した上、米軍基地26カ所の早期返還を求めるという行動に出ました。さらに、「(重要な)同盟関係であっても、韓国の国益のためには何も優先することはできない」と米韓同盟を軽視するような見解を示していますが、これは朝鮮戦争以降のアメリカの韓国への貢献を否定するものです。いわば他国の戦争であるにもかかわらず、米軍は朝鮮戦争で4万人以上の犠牲者を出しており、現在も2万8000人以上の在韓米軍が駐留していますが、そうした歴史を侮辱する発言といえるでしょう。

また、ハリス大使は前太平洋軍司令官であり、GSOMIA締結にも間接的にかかわった人物です。さらに、「全権大使」というのはそれぞれの国で大統領に代わる権限を持った存在であり、ハリス大使に対する侮辱行為はアメリカ大統領およびアメリカに対する侮辱に相当するといっても過言ではありません。つまり、韓国は反米路線を明確にしたわけで、反日から反米国家に舵を切ったことになります。

――かねて在韓米軍の撤退も取り沙汰されています。

渡邉 6月には米韓間で米韓連合司令部をソウルから南部に移転することで合意したほか、すでに60年の歴史を持つソウルの米軍基地内のアメリカンスクールも閉鎖するなど、撤退の動きが強まっています。また、戦時作戦統制権の返還に伴い、米韓連合司令部のトップを韓国側に任せることでも合意したとされており、これは事実上アメリカが韓国を見限る動きといっていいでしょう。

本書で詳述していますが、韓国の戦時作戦統制権は米韓連合司令部が保有しており、韓国軍の司令権限は実質的にアメリカが握っています。しかし、アメリカは米韓連合司令部の指揮権を韓国に譲ろうというわけですが、米軍が他国の軍隊の指揮下で活動するとなればアメリカ合衆国憲法違反となる可能性もあり、戦時作戦統制権の返還には米韓の軍事同盟に関する米韓相互防衛条約を破棄または大幅に変更することが必要になります。つまり、アメリカは守る気のない約束をしたことになり、実質的に韓国を見放したといってもいいのではないでしょうか。

かねて文在寅政権は戦時作戦統制権の早期返還を求めており、それは在韓米軍の撤退と表裏一体です。韓国政府は「韓米同盟を生かそうとして南北関係が駄目になっている状況」「南北関係において最大の障害物は国連軍司令部」などとアメリカとの連携を否定する発言もしています。一方で、アメリカ政府高官の「在韓米軍が撤退するときは韓国が焦土化するときだ」という発言も伝えられており、これは「経済的に破綻させる」という意味でしょう。「アメリカが韓国から手を引くときは徹底的に叩き潰してから出ていく」という意思表示だと思われます。

韓国経済を再び通貨危機が襲う可能性も

――その韓国経済ですが、米中貿易摩擦の負の影響も出ていますか。

渡邉 韓国はGDP(国内総生産)の約37%を輸出が占めるなど輸出依存度が高い国ですが、その輸出が落ち込んでいる点が深刻です。韓国産業通商資源省の発表によると、8月の輸出は前年同月比で13.6%の減少となり、輸出減は9カ月連続を記録しました。

韓国経済には構造的な弱点があり、そもそも米中貿易戦争の影響をもっとも強く受けるのが韓国です。韓国の輸出先は、中国が1421億ドルで1位。以下、アメリカ686億ドル、ベトナム478億ドル、香港391億ドル、日本268億ドル(17年)となっており、中国からアメリカへの輸出に高い関税が課せられると、必然的に中国への輸出が多い韓国も大きなダメージを受けることになるわけです。

――韓国政府は19年のGDPの実質成長率見通しを、昨年12月時点の2.6~2.7%から2.4~2.5%に引き下げました。

渡邉 本書で詳しく述べていますが、韓国の主要産業である半導体、自動車、造船が軒並み業績悪化に苦しんでおり、航空会社も青息吐息の状態です。そうした経済状態を背景にウォン安が続いており、このままウォン売りが続けば通貨危機に発展する可能性も取り沙汰されています。

1997年のアジア通貨危機や2008年のリーマン・ショックでは日本が救済役を担いましたが、今回ばかりは日本の支援を受けられる状況ではありません。そのため、韓国は八方塞がりの状態といえます。場合によっては、そんな韓国が“ハゲタカ”の餌食になるという事態も考えられるでしょう。

また、韓国経済の低迷を招いているのは文政権の無謀な政策である点も否めません。文政権は最低賃金を18年に16.4%、19年には10.9%と2年連続で大幅に引き上げました。これにより中小零細企業の倒産や廃業が激増し、大企業では雇用止めが行われた結果、18年の失業者は107万3000人と00年以降で最多となっています。

韓国統計庁の発表によると、7月の失業率は3.9%で、前年同月比0.2ポイント悪化、若年層(15~29歳)の失業率も0.5ポイント悪化し、9.8%となっています。7月の失業者数は109万7000人で、前年同月比5万8000人増を記録しました。

中国の崩壊と韓国の破滅が連動する理由

――7月には『「中国大崩壊」入門』(同)を上梓しており、本書とは姉妹本のような扱いになっています。

渡邉 中国の崩壊と韓国の破滅は連動しています。本書でも触れていますが、アメリカは米国防権限法および米国輸出管理改革法(ECRA)で中国潰しを鮮明に打ち出しています。ECRAは国防上の危険国に対してアメリカの兵器転用技術や先端技術を輸出できなくする法律であり、新たに14分野が対象になります。最大のターゲットは習近平政権の産業政策「中国製造2025」ですが、現状では韓国もECRAの規制に対応することはできず、窮地に立たされるでしょう。

また、韓国経済は中国への依存度を高めており、半導体産業を中心に中国への技術移転や生産移転を行っています。中国と激しい覇権争いを繰り広げているアメリカとしては、中国にすり寄る国を看過することはできません。その意味では、日本の強硬姿勢はアメリカの動きと連動したものであり、韓国の破滅はアメリカによる中国潰しと表裏一体といえるのです。

いずれにしろ、韓国は一連の動きで日本だけでなくアメリカも敵に回したことになり、今後は韓国の旧西側諸国(自由主義陣営)からの離脱、つまり「コレグジット」が加速することになるでしょう。

(構成=編集部)

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