エディ・クラーク逝去、モーターヘッド立役者の一人が歩んだ音楽人生

エディ・クラーク逝去、モーターヘッド立役者の一人が歩んだ音楽人生

  • RollingStone
  • 更新日:2018/01/12
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エディ・クラーク逝去、モーターヘッド立役者の一人が歩んだ音楽人生

"ファスト"エディ・クラークはモーターヘッドの過去の作品に数多く参加していたギタリストであり、ファストウェイの創立メンバー。米国時間1月10日(水)肺炎で入院中に67歳で他界した。

モーターヘッドはFacebookで、クラークが肺炎で入院中に亡くなったと彼の死去を発表した。

「俺たちも今夜、ついさっき聞いたばかりのニュースに衝撃を受けて悲しみながら、このニュースをみんなに伝えている。俺たちみんなが慣れ親しんで愛したファスト・エディ・クラーク、本名エドワード・アラン・クラークが昨日穏やかに永眠した。ファスト・エディ、そこでも大声で叫び、ロックし、ロールし続けてくれ、全力でな。お前のモーターファミリーがお前に望むのはそれだけだ!!!」と声明を出した。

モーターヘッドでのクラークのギターは、フロントマンだったレミー・キルミスターのリード・ベースに絡むように、ゆるくロックンロールする自由奔放なプレイだった。彼のギター・ソロは78回転にしたチャック・ベリーのようだった。このスタイルをさらにメタル寄りにしたのがファストウェイでのプレイだ。このバンドは、元UFOのベーシスト、ピート・ウェイと結成したモータ―ヘッドよりも商業的なハードロック・バンドである。モーターヘッドのロックな気概がイギリス国内で受けた一方、ファストウェイの都会ずれしたイメージ、クラークのロックンロール・リフを中心に据えた楽曲は、80年代半ばにアメリカのヘッドバンガーたちの心に強く響いたのだった。

クラークの後釜としてモーターヘッドに加入したギタリストのフィル・キャンベルはこんなふうに書いている。「なんという衝撃だ。彼のアイコニックなリフは彼自身とともに永遠に語り継がれるだろう。彼は本物のロックンローラーだった。エディ、安らかに眠ってくれ」

元モーターヘッドのドラマー、ミッキー・ディーの投稿は次の通り。「なんてことだよ。本当につらい知らせだ。スリー・アミーゴスの三人目までが逝っちまった。最後にエディに会ったのはそれほど前じゃなくて、その時はとても元気そうだったから、このニュースの衝撃度はハンパない。俺とエディはいつだってウマが合っていた。今年の夏に(スコーピオンズで)彼と再会することを楽しみにしていたのに。レムとフィルシーはあっちでまたエディとジャムれるじゃないか。耳を澄ましてみれば、連中のジャムが聞こえるはずだ。みんな、気を抜くなよ!!! エディの家族と親しい人たちのことを思っている」

メタリカのカーク・ハメットは次にようにツイートした。「最後のエースが去ってしまった。ファスト・エディは彼の音楽と共に生き続ける。安らかに眠って欲しい」 これにラーズ・ウルリッヒが付け加えた。「君のソロに感謝する。君の姿勢に感謝する。世界で一番クールなバンドだったことに感謝する。同じ道を歩こうと俺に決意させてくれたことに感謝する」

1950年ロンドンで生を受けたクラークが真剣にギターを弾き始めたのが15歳。彼はモーターヘッドのオリジナルの黄金トリオの最後の生き残りだった。トリオのメンバー、(レミー・)キルミスターとドラマーのフィル”フィルシー・アニマル”テイラーは共に2015年に他界している。モーターヘッド加入前に彼が参加していたバンドには、ビター・エンド、カーティス・ナイト・ゼウスなどがある。1976年にモーターヘッドに加入。これはモーターヘッドが結成されて1年後のことで、テイラーとの出会いによってオリジナル・ギタリストのラリー・ウォリスのサウンドを補強することになったためだ。テイラーはクラークが修理していたボートハウスの仕事に応募したのがきっかけで、彼らの知り合うこととなった。ウォリス脱退後、1977年にモーターヘッドはセルフタイトルのデビューアルバムをリリース。クラークはバンド初期の頃に行ったマンチェスターでのギグで「ファスト・エディ」というニックネームを貰った(「あれは理に適っていた。エディは速弾きギタリストだったから」とキルミスターが自叙伝で記している) モーターヘッドでの役割は主にギタリストだったが、時にはボーカルも担当し、デビュー後の5年間、モーターヘッドの人気はうなぎ登りとなった。

「エディとフィルが加入して、俺たちが特別なバンドになったと感じたよ」とキルミスターは以前語っていた。書籍『Lemmy: The Definitive Biography』(ミック・ウォール著)によると、「あのバンドは初日から最高のバンドだった。(前のバンド)ホークウィンドでは3曲しか作ったことがなくて、まだ上手く曲作りができなかった。しかし、このバンドは常に永遠の負け犬で、俺たちはそれが得意だったのさ」

楽曲『Ace of Spades』での、エディの牙を剥くようなロックンロール・リフを、キルミスターのつっかえながら進むベース・ラインが補い、フロントマンが「死者の手」を握るという歌詞を激しい苦痛を伴う嘆きのように歌う。この曲は彼らのシグネチャー・ソングとなった。また、殴打の如く響く『Overkill』に彼はブルージーな感触を加え、ファン一番人気の『No Class』にはファンキーなジョン・リー・フッカー的リフを加えている。『Overkill』は後にメタリカがカバーした。そして、ライブ・アルバム『No Sleep Til Hammersmith』収録のバンド名を冠した曲『Motorhead』は、キルミスター渾身のアンフェタミン賛歌で、イギリスのヒットチャートでバンド最高位まで上がったシングルだ。

モーターヘッドが世界で一番ラウドなロック・バンドという評判が立ったのはクラークが在籍中の時だった。バンドの伝記本『Beer Drinkers and Hell Raisers』(マーティン・ポポフ著)で、クラークは次にように語っている。「あれはな、俺のせいじゃないぜ。俺はとにかく自分の音が聞こえるように努力していただけで、その結果として俺の横にアンプが積み上がっちまっただけだよ。それにレミーのアンプだってどんどん増えていたし、フィルはモニターをデカいのに変えたんだから。あれは……3人全員のせいさ。だって俺たちは絶対に互いの領域に侵入しなかったから」

クラークがモーターヘッドとして最後に参加したのが1982年のアルバム『Iron Fist』だ。クラーク脱退後、シン・リジィのギタリスト、ブライアン・ロバートソンが加入した。バンド内の確執がクラークに脱退を意識させ、決意を促した最後の一撃は、タミー・ワイネットの『スタンド・バイ・ユア・マン』のカバー曲をフィーチャーしたEPで、プラズマティックスと提携するとしたバンドの決断だった。同書で「モーターヘッドが物笑いの種になる危険をはらんでいると俺は思ったよ」とクラークは語っている。「でも連中もすでに俺の存在はないものとしていた。あのバカどもが!」

モーターヘッド脱退後、クラークはファストウェイをピート・ウェイと結成し、1983年にセルフタイトルのアルバムでデビューした。ファストウェイは、ヘヴィメタルとヘアメタルの人気上昇という時代の流れに上手く乗り、80年代に立て続けにレコードをリリースしたが、90年代初頭に解散する。デビュー・アルバムからシングル・カットした2曲『Easy Livin』と『Say What You Will』は、ビルボードのメインストリーム・ロック・チャートで上位に入った。そして、バンドの最後のヒット曲となったのが1984年のアルバム『All Fired Up』収録の『Tell Me』だった。この2枚のアルバムはトップ100以内に入ったが、1988年のアルバム『On Target』は135位止まりだった。

ギターを弾く傍ら、クラークはレコード・プロデューサーとしても活動し、ヘヴィメタル・バンドのタンクのシングル曲『Dont Way Away』(これは後にソドムがカバーした)他、彼らのリリースのプロデュースを行った。これ以外に、Assassin(アサシン)、Miss Daisy(ミス・デイジー)のプロデュース、モーターヘッドのアルバム『On Parole』の共同プロデュース、ファストウェイ作品のプロデュースなども行った。

1994年、クラークはソロ・アルバム『It Aint Over Till Its Over』をリリースした。このアルバムでは『Laugh at the Devil』でキルミスターとの再共演を果たしている。その後、クラークは数十年に渡ってレコーディングとパフォーマンスを続け、ソロ・レコードをリリースし、ファストウェイとの再結成も実現した。彼の最後のLP『Make My Day – Back to Blues』は2014年にリリースされた。

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