「希望の党」は選挙前とはまったく違った党になるかもしれない

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2017/11/12

内実は「第二民進党」

衆院選での「敗北」の責任問題が「希望の党」小池百合子代表に重くのしかかっている。

選挙前は台風の目として大きな注目を集めて与党を脅かす存在とされた希望の党。だが、フタを開けてみれば公認235人に対して獲得議席数は50にとどまり、55議席を獲得した立憲民主党の後塵を拝して野党第二党に甘んじる結果となった。

敗因は様々挙げられているが、そのひとつは「改憲」や「安保法制」について、小池代表の思想に合わない候補者を「排除」するとの発言が物議を醸したことだ。

政党内で政策の一致を求めるのは当然だとする向きもたしかにある。だが、政治の世界に長く身を置いてきた小池代表なら、選挙ではとにかく議席数を確保しなければいけないことを十分に承知していたはずだ。少なくともプロの政治家なら、あのタイミングで言うはずのない「失言」だった。

当然、小池代表に辞任を求める党内の声も多く、今後党を離れる議員も増えていきそうだ。求心力の強かった小池代表が辞めることになると、希望の党のパワーバランスはどうなっていくのか。

衆院選に当選した希望の党50人中、45人が旧民進党出身者である。また官僚出身が多く、財務省からは5人、そのほかにも経産省、旧郵政省、旧自治省(現総務省)、日銀出身者がいる。ちなみに50人中17人が東大出身者で、党の約3割を占める。衆議院平均の約2割を上回っている。

つまり希望の党の内実は「第二民進党」というべきものだが、リベラル色はそれほど強くない。

まったく違う政党になるかも…

ここでポイントになってくるのは、当選者に財務省をはじめ官僚出身者が多いことだ。希望の党は公約に消費増税凍結を掲げてきたが、もし小池代表が辞任すれば、それを覆して「増税党」に変貌を遂げる可能性も否定できない。

すでに、「踏み絵」にしていた現行の安保法制の容認について、希望の党内からさっそく異論が出はじめたことも懸念材料だ。

希望の党の選挙公約では、「北朝鮮への対応やミサイル防衛などを含め、現行の安全保障法制は憲法に則り適切に運用」するとしていた。つまり、現行の安保法制は違憲ではないと、実質的に容認の姿勢を示している。

ところが、選挙中に何人かの希望の党の候補者は、現行安保法制は違憲である、と民進党時代からのスタンスを貫いて当選した。「党の方針と軌を一にしない者は排除する」としていた小池代表だったが、よくよく考えてみれば党内の足並みは最初から揃っていなかったのだ。

そのような経緯で当選した議員からすれば、小池代表はもはや厄介な存在だ。ちなみに、立候補の際の政策協定書には選挙公約と近い文言で、「現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する」とあった。

額面通りに取れば現行の安保法制は「合憲」ということになるが、旧民進党の改憲派はこれを「合憲の範囲で運用し、後は見直しをしていく」と読み替え、やはり「違憲」の姿勢を貫いていくだろう。

仮に小池代表が辞任すれば、希望の党は選挙前とはまったく違った政党になっていきそうだ。

『週刊現代』2017年11月18日号より

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