“結婚できるイイ男”を探すのは、至難の業。女が利用すべき最良の男とは・・・?

“結婚できるイイ男”を探すのは、至難の業。女が利用すべき最良の男とは・・・?

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  • 更新日:2017/09/23

―私、年内に婚約するー

都心で煌びやかな生活を送る麻里・28歳は、ある日突然、こんな決意を固めた。

というのも、麻里は気づいてしまったのだ。

“女は30歳過ぎてからが魅力的?近年、女の賞味期限はどんどん伸びている?”

女の市場価値を冷静に受け止めれば、20代で結婚した方が絶対お得に決まっている。

掲げた目標は“今年中にプロポーズされる”こと。ヤバい元彼に3年間も費やした麻里は本気の婚活を決意したが、優良物件の外銀男広告マンとのデートはうまく行かず、元彼に心なびくものの「結婚」という言葉を出した途端、引かれてしまう。

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―俺はもう結婚はしないし、残念だけど身を引くよー

サトシの放ったこの一言が、麻里の頭の中で何度も反芻される。

麻里自身、サトシのような破天荒な男との将来なんて考えたことはなかった。

出会ったのは24歳の若かりし頃で、麻里は彼の少々ネジの外れた“ザ・港区感”が単純に面白く、夜な夜な遊ぶうちに深い関係になっていっただけなのだ。

別れを告げたのも麻里の方からで、復縁を迫られるも、それを断ったのも麻里である。

それなのに、この途方もない敗北感の正体は、一体何だというのか。

別に、サトシに未練があったわけでもない。他に女がいたことが、それほどショックだったわけでもない。(しつこいが、サトシはもともと浮気性だった)

―麻里ちゃん、麻里ちゃん...―

イイ歳したサトシの、舌足らずの猫なで声を思い出す。欠点を挙げればキリがないが、誰より麻里を可愛がり、とことん甘やかした男。

しかし、「結婚」という言葉を口にした途端、彼はガラリと態度を変え、気が抜けるほどアッサリと自分を解放した。

―その時計は、記念に持っててくれていいから...!

サトシは焦りを隠そうともせずにそう言い、1万円札とともに麻里をタクシーに押し込んだ。六本木の彼の家から麻里の住む麻布十番までは、千円ほどしかかからないのに。

理由は分からないが、そのとき麻里は、たしかに深く傷ついた。

元彼の反応に傷ついた麻里。なぜか見栄をはってしまう...?

見栄をはるほど、惨めになる女心

「サトシさんと、また会ったの?!」

サトシとの一件を報告すると、親友のみゆきは大きく顔をしかめた。今日は帝国ホテルの『パークサイドダイナー』に集合している。

「だって、どうしても会いたいって言われて...」

麻里の口調は、妙に言い訳がましくなってしまう。

“結婚”とは無縁のサトシとヨリを戻すことを少しでも考えたなどと伝えれば、みゆきに叱られるのは分かっていた。

年内婚約の目標を掲げた日から、無駄な行動はせず、結婚に一直線に進もうと二人で固く誓ったからだ。

「それで、その素敵な時計をプレゼントされたのね」

みゆきは呆れたように、麻里の左手首を飾るダイヤ付きのカルティエの時計に視線を落とす。

「高価なモノを貰って嬉しいのは分かるけどさ。でも、そんなの付けてたら、モテなくなるんじゃない?それとも、サトシさんと元サヤに戻るわけ?」

「ち...ちがうのよ」

親友は、いつになく辛辣だ。

彼女の言葉はグサグサと心に突き刺さり、ぐぅの音も出ない。

そのうえ、この高級時計はサトシからの手切れ金のような形になってしまい、その事実に麻里が傷ついているなんて、どうして告げることができるだろう。

咄嗟に返事もできず、麻里は帝国ホテル名物のブルーベリーパイを口いっぱいに頬張った。

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40年もレシピが変わっていないという伝統深い味わいのパイは、シンプルで優しい味がする。

「...この時計はね、たしかにサトシが私を引き留めるためにプレゼントしてきたんだけど...彼って昔からそういう人だったでしょ。でも、何でもモノで解決する男なんて、私だっていい加減ウンザリ。

もちろん、やり直す気なんてないから、最初は突き返したわよ。でも、せめて俺のことを忘れないように貰ってくれってしつこいから...」

ねじ曲がった事実が、麻里の口からスラスラとこぼれる。

「ふぅん」

みゆきは麻里の本心を見透かすような鋭い視線を向けたが、それ以上の追求はしなかった。

そして二人は、今後の新しい出会いの計画について、いつものようにあれこれと話し合いを続けた。

そう、自分たちのように若く美しい女たちには、やはり出会うべき男たちはいくらでもいるのだ。

しかし、みゆきとの会話を進めながらも、麻里の心は小さく痛む。

どうして、くだらない嘘などついてしまったのだろう。

見栄なのかプライドなのか、いずれにせよ、親友に無意味な虚栄心を持つことなんて、麻里にとって初めてのことだった。

さらに不思議なことは、嘘をついたあと、麻里の気持ちは、もっともっと惨めになっていた。

若く美しくても、婚活は苦難の道。麻里が頼った意外な男とは...?

男に利用されたら、利用し返してやる

―結婚相手探しって、思ったよりも全然難しいんだわ...。

結局、麻里が行きついた答えは、シンプルな事実だった。

「チヤホヤ=モテではない」と友人のハルくんに忠告されたが、その本当の意味が、やっと少しずつ分かってきた気がする。

近年、どうして誰もが結婚について様々な物議を交わすのか。それは単純に、“結婚するのが難しいから”である。

これまで難なく楽しい人生を歩み、容姿や出自に比較的恵まれた麻里にとっても、それは例外ではない。

サトシとの破局により、麻里は20代のうちに要領よく好条件の結婚を決めるという目標を立てたわけだが、そのハードルは意外に高いのだ。

チヤホヤしてくれる男、食事に誘ってくれる男、そして、恋人になってくれる男。この3パターンの男たちは、比較的簡単に出会える。

実際、麻里はこれまでの人生で、男に困ったことなど一度もない。

しかし、結婚してくれる可能性のあるイイ男となると、哀しいかな、そう簡単には見つからないのが現実のようだ。

このあたりはまだイマイチ腑に落ちないが、自分を溺愛していた元彼でさえ結婚となれば及び腰になるのだから、結婚に辿りつくまでに思ったよりも労力を要するのは間違いないだろう。

風呂上りの身体に引き締め効果のあるオイルをたっぷり伸ばしながら、麻里は婚活について一人真剣に思案する。すると、スマホが着信を知らせた。

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―この人も、しつこいわね...。一体何を考えてるのかしら。

電話をよこしたのは、既婚&子持ちを隠していた浩一である。

その後、「私はパパとデートする趣味はありません」と一言LINEをして無視していたが、彼は性懲りもなく、何度も連絡をしてくるのだ。

しかし、たまたま時間を持て余していた麻里は、わずかな好奇心もあり、電話に応答してみた。

「はい、何かご用ですか」

「ま、麻里ちゃん...!あの...僕のこと、誤解させてしまって本当に申し訳なかったです。そんなつもりはなかったのだけど...」

麻里は、二児の父親だという男の謝罪を、静かに聞き入る。

“誤解しないで”“そんなつもりじゃなかった”

男の言い訳というのは、どれもこれも本当に似ている。

女が納得のできる言葉など用意できるわけもなく、やらかした失態は変わらないのに、彼らは自分が不利になると、なぜだかこうして情けなく食い下がって来るのだ。

怒りや情けなさを通り越して、麻里はもはや面白くすら感じてしまう。

「別に、怒っても傷ついてもいませんよ。気にしないでください。でも...」

そこで麻里は、少々変わったことを思いついてしまった。

「それなら、浩一さんオススメの、独身の素敵な男性を紹介してもらえませんか」

既婚の子持ち男に、遠慮などいらない。

浩一とて、独身の麻里を自分のいいように利用したのだから、こちらも利用し返してやる。

この、自分に弱みを握られた、情けないがエリートには違いない外銀男。彼がどんな反応をするのか、麻里は楽しみで仕方がなかった。

▶NEXT:9月24日 日曜更新予定
既婚者男・浩一が、思わぬファインプレーを果たす...?!

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