
IMPACTors
ジャニーズJr.内ユニットのIMPACTorsが、7人揃って5月25日にジャニーズ事務所を卒業した。下積みの長いメンバーが多く、確かなスキルと華やかなビジュアルでこれからの可能性を秘めたグループだった。そもそも、ジャニーズJr.のグループが“卒業”を発表したのは異例である。
(関連:IMPACTors、メンバー全員のジャニーズ事務所卒業を発表 「これからも僕たち7人の応援をよろしくお願い致します」)
IMPACTorsは、佐藤新、基俊介、鈴木大河、影山拓也、松井奏、横原悠毅、椿泰我からなる7人組グループ。結成は2020年10月。それまで個人で活動していたが、2019年からSnow Man出演の舞台『滝沢歌舞伎ZERO』や、KAT-TUNのコンサートツアー『KAT-TUN LIVE TOUR 2019 IGNITE』にバックとして出演するなど、7人揃っての活動が目立つようになる。
2020年4~5月には、東京 シアタークリエで開催の『ジャニーズ銀座2020 Tokyo Experience』のC公演に出演予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公演が中止に。その後、このC公演のキャスト7人のユニット化を期待するファンたちが自然と「クリエC」と呼ぶようになった。外出自粛期間には、ジャニーズJr.公式エンタメサイト「ISLAND TV」にてダンス動画やリモートゲーム動画などの毎日投稿を続けるなど、グループ活動への意欲とファンへ寄り添う姿勢を常に見せてきた。
同年8月の『緊急生配信!! Johnny's World Happy LIVE with YOU Jr.祭り ~Wash Your Hands~』で7人揃ってパフォーマンスを披露し、配信ライブ『Summer Paradise 2020 俺担ヨシヨシ 自担推し推し 緊急特別魂』にて、グループ単独公演が実現。いつ正式なユニットになるのか注目を集めていた。
そして、2カ月後の10月。9組のジャニーズJr.内のユニットが出演した『ミュージックステーション』2時間スペシャル(テレビ朝日系)にて、突然グループ名がテロップで表示されるという形でサプライズ発表されたのだ。IMPACTorsというグループ名には、彼らの才能を見出した滝沢秀明の“IMPACT(衝撃)を与えて、時代を切り開いていくグループになってほしい”との思いが込められていた。
グループ名が発表されて間もない同年11月の『Johnnys' Jr. Island FES』で初のオリジナル曲「Top Of The World」を披露し、ここからさらに活躍の場を広げていくこととなる。
Hey! Say! JUMPやSnow Man、Travis Japanなど、数多くのグループに華を添え続けてきた7人。ユニットに抜擢されるだけの確かな実力があり、パフォーマンスからも気迫を感じる。結成直後に、横原が「7人それぞれがいろんな経験を積んできた人たちだから、不安になったとき横にいてくれるだけで安心できるよね」と語り、鈴木が「メンバーの存在って本当にありがたい」と話していたように、結成から3年のあいだに着実に絆を作り上げてきた(※1)。
グループ結成からわずか3カ月後の2021年1月には、オリジナル曲「Top Of The World」のMVをYouTubeで公開。スキルの高さやチームワーク、そして演技力も垣間見えるクオリティで話題となった。
その後も、Travis Japan主演舞台『虎者 NINJAPAN 2021』に出演、『滝沢歌舞伎ZERO 2022』にて岩本照(Snow Man)が振り付けを手がけた新曲「Fighter」を披露。『Kis-My-Ftに逢える de Show 2022 in DOME』でバックを務めた際には千賀健永による振り付けの新曲「COOL DON'T LIE」を発表するなど、先輩との信頼関係を確実に築いていたことも感じさせた。2022年9月には『第35回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2022 AUTUMN/WINTER』にも登場し、華のあるパフォーマンスで大いに盛り上げた。
ドラマや舞台、ミュージカルなど個人の活動も増えつつあった。リーダーの影山は、2022年に『24時間テレビ45』(日本テレビ系)内ドラマ『無言館』に出演。センターの佐藤は、話題となったドラマ『silent』(フジテレビ系)で川口春奈演じる紬のバイト先の後輩 田畑を演じ、連続ドラマ『高良くんと天城くん』(MBS他)では織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.)と共にW主演を務めた。経験と実力豊富な彼らが、卒業後どのような活動をしていくのかも気になるところだ。
正式に事務所からの卒業が発表されてから、佐藤は有料会員制のブログを更新し、ファンや先輩グループへの感謝を綴っていた。その言葉からは、本人たちも強い意志を持って広い世界へ飛び出していくことを決めたのだということが伝わってきた。たとえ事務所や形が変わったとしても、活躍を続け、たくさんの人へ幸せを届けていってほしい。
※1:https://www.vivi.tv/post188352/
(文=片岡由衣)
片岡由衣