テレワークこそメンタルを鍛える絶好のチャンスといえる理由

テレワークこそメンタルを鍛える絶好のチャンスといえる理由

  • @DIME
  • 更新日:2020/10/18
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在宅勤務のストレスも十人十色

テレワークとは、会社以外から、ICT(情報通信技術)を利用して勤務する業務形態の総称で、サテライトオフィス勤務、モバイル勤務、在宅勤務の3つがあります。その中でも新型コロナ感染症の影響で、特に在宅勤務を実施する企業が増えてきました。

私の産業医面談も、在宅勤務している社員との電話やzoom等による面談が増えてきました。社員たちに聞いてみると、新しい働き方であるテレワークに関しても、いろいろな捉え方があるようです。通勤がなくなり喜ぶ人もいれば、家での居場所(在宅勤務場所)がなく肩身が狭い気分になる人もいます。ある人は子供と過ごす時間が増えたことを喜びますが、ある人はそのためにストレスが増えたと嘆き、在宅勤務におけるストレスも十人十色と感じます。自分の希望でテレワークをしているのか、それとも会社の指示でせざるを得ないのか、それによってもストレス度は異なるようです。

コロナ渦の状況がいつまで続くのか、誰もはっきりとしたことはわかりません。だからこそ、テレワークを中心とした新しい生活をポジティブ・前向きに捉えられるように、今こそが自分のメンタルを鍛える絶好のタイミングなのかもしれません。そこで今回は、テレワークのストレスに上手に付き合うための3つの処方箋を書かせて頂きます。

オンオフのメリハリのために、趣味がもたらす安らぎに注目

まずおすすめなのが、しっかりと趣味の時間をもつことです。テレワークで通勤時間というオンとオフの境目がなくなり、毎日の生活になかなかメリハリがつけられずにいる人たちに特にお勧めです。趣味がないとどうしても毎日が単調になってしまいます。誰でも趣味=好きなことをしている時間は安らげる楽しいものです。夢中になって好きなことと向き合えば、お腹も空くし、眠くなります。好きなことをやった日は、たくさん食べられるし、よく眠れるのです。

そして、嬉しい、楽しい、気持ちいい、清々しい、誇らしいなどのポジティブな感情を感じることは、単なる気分転換だけではなく、自己肯定感を高めるためにも必要な要素です。

また、好きなことに熱中していると、日常の煩わしいことをその間はしっかり忘れることができます。ある物事に集中している状態は、「フロー」とも言われ、脳内は軽い瞑想状態になるとも言われています。熱中できること、集中できることは、気分転換という効果をもたらしてくれるのです。

五感を使い緊張という感情を上手に断ち切る

2つめのおすすめは、緊張という感情を上手に断ち切ることです。人はストレス状況が続いたり、終わりが見えない時、ストレスをより大きく感じます。そうした状況に対処するためには、自分の緊張した気持ちを弛緩(リラックス)させる習慣を身につけるとよいでしょう。

休み時間、休日、休暇をしっかりとるのはもちろんのこと、マラソン選手が喉が渇く前に給水する地点を決めているように、あらかじめ〝休み〟を確保し、それに合わせて仕事のスケジュールを組む。ちょっとの散歩などの外出で、仕事をしている部屋とは異なる空間に身を置くだけで、日頃の緊張を和らげることが可能です。好きな音楽や絵画や景色を堪能したり、アロマテラピーやグルメでリラックスするなど、気持ちを弛緩させるための「オフタイム」をとり、メリハリをつけることが重要なのです。

ぜひ意識して頂きたいのが、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚という五感に変化を与えることで、緊張した気分を区切る方法です。人間の感情は、五感に大きく影響を受けています。壁にかかった絵画や観葉植物を眺める(視覚)、音楽を聴く(聴覚)、アロマをたく(嗅覚)、甘いものやエスニック料理を食べる(味覚)、温泉につかる(触覚)などの五感を刺激する行為を通じて、緊張を和らげ気分を変えるというのは、多くの人がやっていることです。ぜひ、五感を通じて、緊張を上手に断ち切ってください。

「ネガティブを減らそう」と頑張らない

無駄なことをやらないだけでストレスはずいぶん軽減されます。たとえば職場での人間関係であれば、大半の方は「相手を変えられる」と思ってイライラして、ストレスを感じていますが、「他人は変えられない」と切り替えれば気持ちはスーッと楽になります。また、職場にいるとき、ある程度仕事のことで悩むのはしようがありませんが、帰宅後も悩み続けることは自分のためになりません。帰宅後は一時的に悩むことをやめてしまってもいいのです。

自分の力が及ばないものに対して無駄な努力をするよりも、ひとまずその問題を忘れてリラックスすることも大切です。常に物事のマイナス面ばかりに意識を向けてしまっていると、いつまでたってもストレスが続いてしまい、ひどいと心が押しつぶされてしまいます。

実は、マイナス感情はどんなに改善できたとしても、マイナスがゼロにしかならず、自分の幸せには繋がりません。不平や不満もなくなったからといって、あなたを幸せにするとは限らないのです。だからこそ、 不安な気持ちに四六時中支配される必要はありません。ぜひ、時には、うれしいことや充実していることなど、ポジティブな感情に目を向けてください。

いつまで続くかわからないコロナ渦やテレワークも、まずはそうした観点で考えてはいかがでしょうか。ネガティブを減らしたとしても、ポジティブな感情を増やさなければ、決して幸せにはなれないのですから。

いかがでしたでしょうか。あなたの心と体の健康のために、少しでも参考になっていれば幸いです。

文/武神健之

医師、医学博士、日本医師会認定産業医。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。ドイツ銀行グループ、BNPパリバ、ムーディーズ、ソシエテジェネラル、アウディジャパン、BMWジャパン、テンプル大学日本校、アプラス株式会社、日本風力開発株式会社といった一流外資系企業を中心に、年間1000件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を実施。働く人の「こころとからだ」の健康管理を手伝う。2014年6月には、一般社団法人日本ストレスチェック協会を設立。「不安とストレスに上手に対処するための技術」「落ち込まないための手法」などを説いている。http://companydoctor.jp/
著書として、「外資系エリート1万人をみてきた産業医が教える メンタルが強い人の習慣」「職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書 上司のための『みる・きく・はなす』技術」などがある。

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