社説:PTAの在り方 京の一石、議論の契機に

  • 京都新聞
  • 更新日:2022/05/14

PTAの在り方に一石を投じたのではないか。

京都市PTA連絡協議会(市P連)の会長が、日本PTA全国協議会(日P)からの退会を提案した。理事の投票では否決されたが問題提起の意義は小さくない。

PTAは保護者と教員が加入して学び合い、学校や家庭、地域で子どもを育むためにつくられたボランティア団体である。当然、学校単位(単P)の活動が基盤だ。

その上部団体が市P連で、その上に都道府県・政令指定都市が参加する日Pがある。退会提案について市P連会長は「一番大事な単Pのために(上部の)協議会がどうあるべきかを議論する場になっていない」と説明する。

危機意識はもっともだろう。

子どもの減少や共働き世帯の広がりでPTA活動の負担が重くなり、入会しない保護者が増え、役員選びが難航するなど運営に苦しむ単Pが増えている。かつては全保護者入会が当たり前だったが、2014年に熊本でPTAに強制加入させられたとして保護者が提訴し、入退会自由の任意団体であると確認された。

以降、新入生の保護者に加入届を提出してもらい、PTA入会の意思を確認する動きが全国で広がった。組織率が下がる中、役員任期が1年で議論が深まりにくい困難さを乗り越え、改革に挑む単Pが出てきた。年間行事の削減や活動ごとのボランティア募集、役員組織のスリム化のほか、滋賀県などではPTAを解散し、保護者有志の会に移行した例もある。

上部組織の存在が問われるのも必然だ。単P支援が役割なのに、大きな負担となり本末転倒というのが今回の脱会案の問題意識だ。

京都市の財政難で補助金が削られる中、市P連は日Pに年80万円余りの負担金を納めているが、日P役員だけで国への要望を決め、持ち回りの全国大会で大規模動員を求めるなど旧態依然とした体質が目立つという。川崎市も脱会を検討し、岡山市は政令市移行から日Pに加盟していない。奈良市は県Pから脱会した。

本紙が先月行ったLINEの読者アンケートではPTA活動の見直しを求める声が約8割に上った。ただ、地域の見守りや家庭での気づきを高めるPTAのような活動が子どもの教育に不可欠なのは間違いない。

急激に進む少子化の中でも持続可能な形で、保護者と学校が手を取り子どもと向き合う体制はどうあるべきか。学校や市町村単位で幅広く議論してほしい。

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