「もう限界」焦り困惑する飲食店 緊急事態で時短要請 取引業者も悲鳴

「もう限界」焦り困惑する飲食店 緊急事態で時短要請 取引業者も悲鳴

  • 西日本新聞
  • 更新日:2021/01/13
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再び、夜の街から人が消えるのか。新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言が福岡県に出され、飲食店には16日からの営業時間短縮が要請された。昨春の宣言下での休業要請に加え、昨夏には利用者側に会食の時間制限が求められた。「もう、限界に近い」。体力が奪われ続ける中、飲食店関係者には焦りや困惑が広がる。

「覚悟はしていたが、本当に厳しい」。県内で複数の居酒屋、焼き鳥店を展開するタケノ(福岡市)の竹野孔社長は13日朝、緊急事態宣言に福岡が加わるとの報道に触れ、率直に思った。

昨年4、5月、休業の要請に応じた。それからの9カ月。感染状況のピークは次第に高くなり、売り上げは低くなる。多角経営してきた太陽光発電所を売却して資金をひねり出し、テークアウトにも広げた。

今回の要請では、16日以降の酒類提供は午後7時までとし、午後8時には閉店するよう求められた。短時間での酒類提供では採算が合わないと判断、夕方オープンの十数店舗は営業を諦めた。県の時短要請が決まった13日、休業告知のポスター作りに追われた。

感染拡大の「急所」とされた業界に身を置く一人として、担当大臣の「ランチのリスクが低いわけではない」との言葉が胸をえぐる。「感染源は飲食店ばかりじゃない。納得して要請を受け入れられるようにしてほしい」。そう訴える。

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地場の飲食チェーンやホテルも次々と対応を決めた。リンガーハット(長崎市)は福岡県内にある長崎ちゃんぽん、とんかつ店の時短営業を始める。ホテルオークラ福岡(福岡市)はレストランの営業を短縮する方向で調整中だ。

一方、屋台骨が太くはない個人経営の店は決めかねる。福岡市中央区の焼き鳥店の男性店長は「寝耳に水の話だった」と戸惑う。このところ、1日の売り上げはかつての5分の1。家賃や従業員の給料を考えれば、1日最大6万円の協力金が出ても経営は火の車だ。「生きるために動きたいが、どうしたらいいのか…」

取引先も悲鳴を上げる。同区の酒販店「小谷酒舗」の小谷昌弘さん(39)はコロナの感染状況や寒波の影響で注文は減っているといい、「売り上げは当然、下がっていく」と声を落とす。

県内の貸しおしぼり業者には、納入先のスナックや居酒屋から休業を伝える連絡が次々に入った。経済産業省は、酒販やおしぼり業者など飲食店の取引先に最大40万円の一時金支給を表明。だが昨春以降、減収が続く状況下で十分なはずがない。貸しおしぼり業の男性は「いつ廃業してもおかしくないくらいに追い込まれている」と危機感を募らせた。(井崎圭、一瀬圭司、梅沢平、古川剛光、山本諒)

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