ノルウェー発のコーヒーショップ「フグレン」。ノルディック・ローストと呼ばれる日本では珍しいスタイルを提案しヴィンテージの北欧家具が置かれた上質な空間は、歴史ある浅草の街に溶け込んでいた。北欧のコーヒー文化が生んだノルディック・ローストが下町・浅草で味わえるのだ。
上質な豆しか使わないのがノルディック・ロースト。

浅草名所である浅草寺と花やしきの間に位置するフグレン・アサクサ。外国人観光客も多いだけに、店内はまるで海外のカフェのよう
フグレンの本拠地は、北欧ノルウェーの首都オスロ。現地でも高い人気を誇るコーヒーショップだが、なんと海外初進出の拠点となったのがここ日本だった。国内第一号店は、東京のコーヒー激戦区ともいえる奥渋谷に’12年に出店。そして’18年2号店としてオープンしたのは、日本文化が色濃く残る浅草だった。
海外の観光客が多い街だけに、店内も外国人利用客が目立つ。またソファやテーブルなどのインテリアは主にノルウェー製ヴィンテージで構成された空間となっているのも同店の特徴のひとつ。

‘18年9月に完成したビルに店舗を構えるフグレン。上の階はツーリストのための宿泊施設になっているため朝は外国人で賑わうという
そんなノルウェー発のロースタリーだけに焙煎スタイルも特徴的だ。伝統的なノルディック・ローストと呼ばれる焙煎で、個性を際立たせるため、すべての豆が浅煎りとなっている。しかも高品質なコーヒー豆でしか素材が持つ味が出せないため豆選びも慎重を期すのだ。
また高品質の豆の味を知ってもらいたいという理由で、現在はシングルオリジンに絞っている潔さも好印象だ。しかも浅煎りだからといって酸味が強調されているわけではなく、甘さやコクも引き出されているのがノルディック・ローストの特徴。浅煎りが苦手という人にこそ、ぜひ飲んでもらいたい。

店内には希少なノルウェー製のヴィンテージ家具が置かれた席もある。現行品もノルディック・デザインをチョイスしているこだわりっぷりだ

カクテルも同店のコンセプトのひとつ。夜まで営業しているので、コーヒーだけでなくお酒も楽しめる

コーヒーは豆の詳細が書かれたカードが添えられるのも嬉しいポイント
人気のコーヒー豆を紹介!

マネージャー・高橋圭也さん
[豆の種類]
シングルオリジン 3~5種類
上質な浅煎りの豆を使ったノルディック・ローストで、メニューはシングルオリジンのみ
[抽出方法]
ペーパードリップ/エアロプレス/エスプレッソ
[焙煎機]
LORING SMART ROASTER/熱風/35kg釜 Recommend

【シングルオリジン】サルデミナス・サンタルチア農園

フグレンでは主にエスプレッソで使用する専用豆。そのためブラウンシュガーのような甘さが際立ったものを使用している。ミルクとの相性もいいのでラテなどで飲みたい。
産地:ブラジル
焙煎:浅煎り
焙煎方法:ナチュラル
香り:ダークチョコ
酸味:トロピカル
コク:なめらか
後味:長く続く
【シングルオリジン】タルキ・アリスティデス=グアルニゾ

熟した柑橘系フルーツのようなフレーバーが特徴。明るく鮮やかな酸味を持ち、滑らかな舌触りのためサラリと飲める。後味はブラウンシュガーのような甘みが残る。
産地:コロンビア
焙煎:浅煎り
焙煎方法:ウォッシュト
香り:完熟フルーツ
酸味:ピーチ系
コク:ジューシー
後味:黒砂糖の甘さ
【シングルオリジン】グジ・アドーラ精製所

浅煎りで際立たせたエチオピアの豆は、華やかで紅茶を思わせる香りが特徴。みずみずしい甘みとストーンフルーツのような酸味があるため、温くなっても飲みやすい。
産地:エチオピア
焙煎:浅煎り
精製方法:ウォッシュト
香り:フローラル
酸味:プラム・もも
コク:さっぱり
後味:甘い余韻
【DATA】
FUGLEN ASAKUSA(フグレン アサクサ)
住所:東京都台東区浅草2-6-15
連絡先:TEL03-5811-1756
営業時間:8:00~21:00
定休日:なし
駐車場:なし
公式HP:http://fuglen-asakusa.business.site
SNS:Instagram@fuglenasakusa
席数:68席
ホールセール:あり
豆販売:あり
豆通販:あり
テイクアウト:あり
デカフェ:なし
ドリップバッグ:なし
器具販売ドリッパー、ケトル、グラインダー
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/別冊Lightning Vol.215「東京コーヒーロースターズ」)
サカサモト