健康被害も出始めた「地球温暖化」に抗う世界、遅れをとる日本

健康被害も出始めた「地球温暖化」に抗う世界、遅れをとる日本

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  • 更新日:2018/01/12
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これまでの常識として「地球温暖化は、経済にダメージを与える」とされてきたことは周知の事実ですが、さらに最新の研究で「感染症を始めとした健康被害や豪雨による河川氾濫や山崩れなどをもたらす」という驚きの結果が出ました。今回のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、地球温暖化の脅威や防止に向けた世界の動きについて、現役医師(総合診療医)の徳田先生が詳しく解説しています。

今すでにある気候変動による健康被害

蚊媒介性感染症の増加

気候変動、中でも地球温暖化による健康被害は今すでに世界中で起きている問題です。地球温暖化による健康被害は将来のものであって、現在の我々には関係ない、と思われている人もいるかもしれません。しかしながら、最近の研究によると、温暖化によってもうすでに大きな影響が出てきており、この不都合な真実は予想を上回るスピードで私たちに襲いかかってきていることがわかったのです。

ます、蚊媒介性感染症です。1990年以降、ネッタイシマカとヒトスジシマカの病原体媒介力が急激に大きくなってきています。実際、1990年以降のデング熱ケースは10年毎に倍増しています。私は以前からこのメルマガでデング熱について何度も取り上げてきました。日本での国内デング熱ケース発生の予想が当たってしまいました。残念なことです。

今後心配なのは大規模な流行です。デング熱が持続的に流行すると再感染する人も出てきます。再感染するとデング出血熱の発症リスクがあり、このタイプでは治療しても死ぬことがあります。全身の血管から出血が止まらなくなって血圧が下がり、ついには多臓器不全で亡くなるのです。

異常天候事象の増加

また、2000年から2016年の間には、異常天候事象が約50%も増えました。日本でも局所的な豪雨による河川の氾濫や山崩れが最近よく起こってきています。日本ではこれらは自然災害とみなされていますが、大元の原因は地球温暖化です。人災です。異常天候事象は貧しい国においてより強い被害をもたらします。貧しい国の人々の家を破壊し、農地を台無しにします。

地球温暖化はもう経済問題から健康問題にシフトしています。大企業や経済大国が経済交渉として温暖化を取り扱っている間に、世界的に感染症による死亡者が増えています。健康問題なのです。さらにはまた、地球温暖化は環境問題から人類の生存問題にシフトしています。国際的な環境会合で議論している間に、世界的に災害による死亡者が増えてきています。

そんな中でアメリカのトランプ政権がパリ協定の離脱を表明しました。温室効果ガス排出量が世界2位のアメリカの離脱表明は衝撃でした。予想通りではありますが、トランプ大統領の政策は経済優先であり、健康や人権には関心がないことがはっきりしてきました。また、オーストラリアが世界最大規模での炭鉱の開発計画を発表しました。さらには、これまで温暖化対策のリーダー格であったイギリスが欧州連合を脱退することになりました。

温暖化対策に乗り出す国々

しかしながら、多くの国々が温暖化対策に本格的に乗り出してきました。フランスは石炭発電への依存を減らしており、2030年までに石炭発電は止めることを表明しています。中国は風力と太陽光による発電をどんどん増やしています。中国製自動車の2割はガソリン以外の燃料で走行させるとも発表しています。スェーデンは2045年までに温室効果ガスの排出量をゼロにする予定です。

では日本ではどうだろうか。化石燃料による発電や自動車の生産が持続しています。自動車産業大国の日本は、ハイブリッド車の導入は早かったものの、電気自動車開発の分野ではかなり遅れています。ネット産業でアメリカに先行された日本。今度は、電気自動車で中国とヨーロッパに先行されています。京都議定書の提案ではリードしていた日本は後方集団に属してしまいました。

地球温暖化に対して、過去25年の世界的無行動の結果、地球上の多くの人々に健康被害がもたらされました。また、最近の研究によると、今後の地球温暖化を防止するためには、今後の温室ガス排出をゼロにするだけでは無効であり、現在すでに空気中に存在する二酸化炭素を減らすことが必要である、ことが示唆されました。地球の緑を増やすだけではなく、二酸化炭素を減らす技術の開発も急がねばなりません。

文献

The Lancet Countdown on health and climate change: from 25 years of inaction to a global transformation for public health.

image by:shutterstock.com

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