いざ世界の頂へ!宇野昌磨、“覚醒”までの「軌跡」

いざ世界の頂へ!宇野昌磨、“覚醒”までの「軌跡」

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  • 更新日:2017/01/11
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今季全日本王者に輝いた宇野昌磨。(写真:Getty Images)

昨年暮れの全日本フィギュアスケート選手権で初優勝した宇野昌磨。若手ながら、男子シングル史上6位に立つ総合得点の自己ベストも持ち、世界の先頭集団で走っているが、奇跡を経ていまの宇野の姿はある。

広く伝えたいフィギュアスケートの奇跡は、いくつかある。高橋大輔氏が全盛期に出した自己ベスト(当時の世界記録)を、膝の前十字靭帯断裂後の現役終盤になって更新したこと。女子の力で小さくない体を制御し男子の技を10年に渡り見せ続ける、浅田真央(26)の3アクセル(3回転半ジャンプ)。

16人で演技するシンクロナイズドスケーティングで、過酷な練習環境を乗り越え世界と戦う日本シンクロスケーター。なかでも、競技人生を大逆転した宇野の奇跡は、人々に勇気をもたらすだろう。

宇野はジュニア時代から、技術面芸術面で評価されてきた名選手だが、ジャンプで苦労した。通常、ジュニアで先頭を走る選手達がシニアのトップ争いにも加わる。しかし、宇野はジュニアの争いで後塵を拝していた。世界のトップを目指す男子選手が中学生で3アクセルを演目に構成し始めるところ、宇野は高校生になってからだった。同年代のトップジュニアがショートとフリーで計3本の3アクセルを構成し、中国のボーヤン・ジン(19)の4回転が猛威を振るうなか、宇野は3アクセル1本の構成で戦った。その3アクセルも試合で回転を満たすことなく、高校1年生のシーズンを終えた。

将来3アクセルジャンパーにもなれないかもしれない。宇野自身、そんな思いも抱えていた。フィギュアスケートでは、ジャンプの回転数が高得点を生む。ソチ五輪シーズンの当時でも、男子シングルの覇権には3アクセル3本の上4回転3本が必要だった。ジャンプが決まらなければ、世界のトップシーンは見えない。だが見えない未来を、10代半ばの少年は切り拓いた。

いまの状況をどう打開するか、今日何が出来るかを考えて最善を尽くす。それが宇野の信条だ。「一日一日を精一杯」努めた。練習仲間の選手達も、「転んでも転んでも立ち上がる」宇野に鼓舞されてきたと口を揃える。

高校2年生の一昨季、日々の研鑽は結実した。宇野の3アクセルと4回転は同時に花開いた。一旦は諦めかけた3アクセルだが、4トゥループが先に飛べるようになり、半回転少ない3アクセルも出来るようになったのだという。昨季は史上初の4フリップジャンパーになり、わずか2シーズンのうちに、3アクセル3本と4回転5本の最高レベルのジャンプで演目を武装した。

3アクセルに苦戦していた選手が、突如として4トゥループと共に飛びこなせるようになり、4フリップ初成功者としてギネスブックに名を刻む。優れたパフォーマーは優れたジャンパーになり、スポーツ史に残る進化を遂げ、男子シングルの中枢へワープした。

ハイパー4回転時代の中心人物のひとりとなった今季は、先頭を窺う位置にまで上り詰めている。先の全日本では、不安定なジャンプも全て持ちこたえ、死力を尽くして初のタイトルを掴んだ。

宇野は、来年2月の平昌五輪を前に白熱する競争下にあって、「いまを楽しむ」と語る。宇野を奇跡に導いた、折れない心。そのイメージを持って、この先の宇野の歩みを共にしてほしい。(文=Pigeon Post ピジョンポスト 島津愛子)

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