暴露本騒動でバノンを切った「トランプの米国」との正しい付き合い方

暴露本騒動でバノンを切った「トランプの米国」との正しい付き合い方

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2018/01/13
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トランプ大統領が激怒した「本当の理由」

“お騒がせ屋”のスティーブン・バノン前大統領首席戦略官が、ついにドナルド・トランプ大統領に対して白旗を掲げた。

同氏は1月9日、超保守系ニュースサイト「ブライトバート」会長を辞任した。というよりも、辞任に追い込まれたのである。

言うまでもなく事の発端は、ジャーナリストのマイケル・ウォルフ氏が上梓したトランプ政権の暴露本『炎と怒り』の刊行だった。

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怒涛の売れ行きを見せた暴露本『炎と怒り』(Photo by GettyImages)

同書の矛先がトランプ・ファミリーの長女イバンカ大統領補佐官と娘婿ジャレッド・クシュナー大統領上席顧問夫妻にまで及んだことで、当然ながらトランプ大統領は怒り心頭に発し、発売日の5日、ウォルフ氏の情報源であるバノン氏をツイッターで「小汚い奴だ」と罵ったほどだ。

とくにバノン氏が語ったとされるイバンカ氏評の、

「ホワイトハウスのスタッフになった時、人々はすぐに彼女が大バカだと気づいた。世界の動き、政治が何かを全く理解していない」

に激怒、また「イバンカは次の大統領、初の女性大統領に野心を抱いている」については全くのウソであると断じた。

もちろん、トランプ氏の家族への批判・誹謗中傷に対する怒りは計り知れないものがあるが、実はそれ以上に大統領選勝利の立役者、政権運営のリーダー、そして政策ビジョンの持ち主が自分ではなくバノン氏であるというニュアンスが同書に散見されることへの怒りの方が大きいようだ。

要は、嫉妬から来る怒りである。

「後ろ盾」にも見限られたバノン氏

その伏線は昨年末のふたつの出来事からあった。

(1)トランプ氏は12月12日のアラバマ州上院補欠選挙で共和党執行部の反対を押し切ってバノン氏が擁立した超保守派のロイ・ムーア候補(元同州最高裁判事)を支援したが、ダグ・ジョーンズ民主党候補に敗れたことだ。

鉄壁な共和党支持基盤での歴史的敗北は、自身の顔に泥を塗っただけでなく、党内での求心力低下をもたらし、その責任はバノン氏にあると考えているのだ。

そうした想いに取りつかれている中、

(2)続く12月21日発売の有力誌『バニティ・フェア』にバノン氏インタビューが掲載され、「トランプ政権が4年間もつ確率は30%」、「トランプが2020年(の大統領選)に立候補しなければ自分が立つ」などと発言、トランプ氏との亀裂を深めていったのである。

そして今回の『炎と怒り』で堪忍袋の緒が切れたのだ。

はたしてバノン氏はそこまでしてトランプ氏との盟友関係に終止符を打つ覚悟があったのか。どうやら自分には強力な後ろ盾がいるから、トランプ政権に超保守派の立場から何を言っても大丈夫だという驕りがあったようだ。

具体的には、共和党への巨額献金者で知られる極右のロバート・マーサー氏(71歳)のことだ。

それでも安倍首相は「トランプ離れ」してはいけない

コンピューター技師出身の同氏は、著名なヘッジファンド「ルネッサンス・テクノロジーズ」を立ち上げ、コンピューター(AI)を駆使して運用に成功を収めたことで知られ、金融専門紙『バロンズ』の特集「ヘッジファンド・トップ100」で6位に選ばれたことがある大富豪(個人資産1100億円以上とされる)である。

2016年度の共和党への献金総額は2250万ドル(約25億円)に達し、同年秋の米大統領選時にはトランプ陣営に巨額な選挙資金を提供している。

と同時に、娘のレベッカ・マーサー氏と共に件のブライトバート社の大株主でもあり、このマーサー父娘によってバノン氏は引導を渡されたというのが真相である。

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バノン氏の後ろ盾だったロバート&レベッカ・マーサー父娘

そしてバノン氏の表舞台からの退場によって、今後トランプ大統領は共和党執行部のミッチ・マコーネル上院院内総務との関係修復が進み、11月の中間選挙に向けて党内求心力を回復すると思われる。

安倍首相は「トランプ大統領との間で信頼関係を確固たるものにするのは私の責任であろうと思います」と、7日のNHK「日曜討論」で述べた。

であれば、安倍首相はたとえ「品性に欠ける」にしても同大統領とさらに強固な信頼関係を築き、日米同盟をこれまでになく十全に機能させることが、文字通り死活的に重要であることを再認識することが求められる。

なぜならば、今春以降に日本の安全保障を根幹から揺るがすような極めて重大な局面が到来することになるからだ。

もちろん、米朝軍事衝突の可能性である。

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