来年3月から生まれ変わる小田急電鉄〝白紙ダイヤ改正〟の中身

来年3月から生まれ変わる小田急電鉄〝白紙ダイヤ改正〟の中身

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  • 更新日:2017/11/14
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複々線化工事完成まで、あと少し(小田急電鉄株式会社 提供)。

「快適で、便利で、スピーディー。小田急が変わります。“新しい小田急の誕生”に、皆様どうぞ御期待ください」

小田急電鉄は2017年11月1日に都内で記者会見を行ない、星野晃司社長が2018年3月中旬実施予定の“白紙ダイヤ改正”(従来のダイヤにとらわれない、白紙の状態から作り上げるダイヤ改正のこと)の出来栄えに自信をのぞかせた。目玉は小田原線代々木上原―登戸間11.7キロの複々線を全面使用することで、増発、スピードアップ、混雑緩和が1度に実現する。

“白紙ダイヤ改正”のポイントとなる列車や、新しい制服を御紹介しよう。

■快速急行大増発!!

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今回のダイヤ改正で、快速急行は平日の運転時間帯が拡大される。

今回のダイヤ改正で快速急行が“急成長”する。この列車は湘南急行に代わる“急行より早い列車”として、2004年12月11日にデビューした。日中時間帯を中心に、新宿―藤沢・小田原間などで運行する。

○平日上り朝ラッシュ時(代々木上原6時00分着から9時30分着まで)

現行の平日上り朝ラッシュ時の急行系列車(特急ロマンスカーを除く)は、快速急行3本、急行32本、準急11本の計46本を設定しているが、ダイヤ改正後は快速急行28本(うち15本は江ノ島線内急行)、急行7本(うち1本は海老名―新百合ヶ丘間各駅停車)、通勤急行9本、通勤準急14本の計58本を設定。これにより、“朝の主役”は急行から快速急行に変わる。

快速急行はダイヤ改正を機に、登戸(JR東日本南武線乗換駅)に停車するほか、ピーク時の町田―新宿間を最速37分で結び、現行の急行に比べ最大12分短縮される。

○平日下り夕方以降(新宿18時00分発から集電まで)

下りの夕方以降は、現行の7本から35本に大増発のほか、新宿―唐木田間の列車を新設する。所要時間は約40分。多摩線内は栗平、小田急永山、小田急多摩センターに停まる。

○土休

観光アクセス向上の一環として、新宿―藤沢間の大半を片瀬江ノ島まで延長する。新宿―片瀬江ノ島間の最速所要時間は下り64分、上り66分。

また、多摩線の輸送力強化を図るべく、上りは唐木田6時10分発から8時12分発まで新宿行きを7本、下りは新宿16時41分発から19時41分発まで唐木田行きを10本それぞれ新設する(おおむね20分間隔で運転)。新宿―唐木田間の最速所要時間は36分。このほか、下りの夕方以降に同区間の急行を9本設定する。

■通勤急行新宿行きを新設

通勤急行新宿行きは、平日朝ラッシュ時に唐木田始発3本、小田急多摩センター始発6本をそれぞれ新設する。停車駅は小田急多摩センター、小田急永山、栗平、新百合ヶ丘、向ヶ丘遊園、成城学園前、下北沢、代々木上原。

小田急多摩センター―新宿間の所要時間は36~42分。ピーク時は40分で結び、現行に比べ最大14分短縮される。

■東京メトロ千代田線直通列車の増発と見直し

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千代田線直通列車も大きく変わる。

東京メトロ千代田線との相互直通運転では、増発と併せて、通勤準急と各駅停車を新設する一方、多摩急行及び多摩線直通列車の廃止などに伴う運転区間の見直しも行なわれる。

○通勤準急

平日上りの朝ラッシュ時に限り、本厚木始発5本、海老名始発3本、相模大野、向ヶ丘遊園始発各1本、成城学園前始発4本をそれぞれ新設する。停車駅は、始発から登戸までの各駅、成城学園前、経堂、下北沢、代々木上原から終点までの各駅。

○各駅停車

1978年3月31日に相互直通運転が始まった際、一部駅のホーム有効長が20メートル車10両編成分を確保していなかったため、長らく急行系の列車で運行されていた。ダイヤ改正後、複々線区間全駅が10両編成に対応できるため、千代田線直通列車のみ各駅停車の10両編成化に踏み切った。

各駅停車の平日上り朝ラッシュ時は、本厚木始発1本、向ヶ丘遊園始発8本、成城学園前始発1本をそれぞれ新設。後述の急行と準急を合わせ合計28本が千代田線に直通し、現行より17本増加する。

平日下り夕方以降は、千代田線から成城学園前行き8本、伊勢原行き1本をそれぞれ新設。後述の急行と準急を合わせ合計40本設定し、現行より24本増加する。

○急行

平日下り夕方以降に、向ヶ丘遊園行き5本、相模大野行き1本、本厚木行き2本、伊勢原行き9本を設定。なお、ダイヤ改正後の急行は、新宿始発も含め、平日下り夕方以降に限り経堂を通過する。

○準急

今回のダイヤ改正で、準急は千代田線直通列車のみの運行となる。併せて、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵、狛江に停車する。

平日夕方以降は、千代田線から成城学園前行き8本、本厚木行き5本、伊勢原行き1本をそれぞれ設定する。

日中の平日については、千代田線―向ヶ丘遊園間の準急を毎時3往復設定。土休については、千代田線―成城学園前間の毎時3往復も加わり、毎時6往復体制とする。

千代田線直通列車を見直す背景のひとつとして、世田谷地区からの需要が高いこと。特に平日朝ラッシュ時は、乗客の半分が千代田線方面へ向かうという。

なお、現行の急行千代田線―唐木田間の“代替”という位置づけなのか、ダイヤ改正後は、日中の新宿―唐木田間に急行を毎時3往復新設するので、利便性の低下はないだろう。

■初電の繰り上げと終電の繰り下げ

多くの駅では、初電の繰り上げと終電の繰り下げが行なわれる。特に多摩線は、上り唐木田発の初電(各駅停車)を5時12分から4時43分に、下り新百合ヶ丘発の終電(各駅停車)を0時39分から1時06分に変わる。

「特に多摩線に関しては、(新百合ヶ丘で、多摩線終電に接続する列車の新宿発車時刻を)33分繰り下げますので、これまでよりも、気持ちにゆとりをもって、御帰宅いただけるようになるものと思われます」

五十嵐秀交通サービス事業部本部長が自負した。並行する京王電鉄多摩線を意識したようにも思える。

参考までに、現行の多摩線ダイヤは、初電、終電の時刻とも京王が優位な状況で、運賃も若干安い。ほとんどの列車が新宿―京王多摩センター方面間を結ぶが、京王線特急(もしくは準特急)と多摩線列車に乗り継ぐのが“一般的”である。

小田急のダイヤ改正後は、初電と終電の時刻見直しだけではなく、新宿―多摩線方面間の直通列車を大幅に増やす。

■特急ロマンスカー

○上り朝と下り夕方以降の“ビジネスロマンスカー”

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特急ロマンスカーの主力車両、30000形EXE。現在、EXEαへのリニューアルが進められている。

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9時30分頃まで新宿、もしくは千代田線方面に到着する上り特急ロマンスカーを7本から11本に増発。併せて列車愛称を〈モーニングウェイ〉(9本)、〈メトロモーニングウェイ〉(2本)に一新。これに伴い〈メトロさがみ〉が10年の歴史に幕を閉じる。

夕方以降に運転される下り新宿始発〈ホームウェイ〉の本厚木方面行きは、海老名及び本厚木停車の列車を増やすほか、江ノ島線方面行きは全列車新百合ヶ丘に停車する。

千代田線北千住、もしくは大手町始発の〈メトロホームウェイ〉は、大手町の発車時刻を毎時(18~22時)30分発に統一するとともに、全列車海老名に停車する。

○土休の“観光ロマンスカー”

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現在、〈スーパーはこね〉は50000形VSEの限定運用だ。

観光アクセス向上の一環として、土休の〈スーパーはこね〉に限り、新宿―小田原間を最速59分、新宿―箱根湯本間を最速73分で結ぶ。五十嵐本部長によると、新宿―小田原間60分以内の運転は、小田急線開業以来の悲願だったという。

また、上りの箱根湯本発の特急ロマンスカー新宿行きの“終電”を20時53分から22時07分発に繰り下げる。

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特急ロマンスカーでは、運用範囲がもっとも広い60000形MSE。

北千住―箱根湯本間の〈メトロはこね〉の土休は、2往復から3往復に増発(平日は現行通り1往復)。併せて北千住―片瀬江ノ島間に〈メトロえのしま〉を下り2本、上り1本を新設し、同区間を最速95分で結ぶ(平日は運転なし)。なお、北千住―相模大野間は、〈メトロはこね〉と併結する。

なお、JR東海御殿場線に直通する〈あさぎり〉については、後日発表の予定。

■車両と混雑緩和

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4000形は千代田線、JR東日本常磐線直通に対応した通勤形電車。

小田急によると、ダイヤ改正に伴う輸送力増強用として、4000形の増備を進めているという。このほか、1000形もリニューアルと並行して、10両分割編成(6両+4両)の10両固定編成化を進めてゆく(一部を除く)。これにより、定員も増加し、ラッシュ時の混雑緩和に貢献する。

小田急は複々線の全面使用により、最混雑区間の小田原線世田谷代田―下北沢間の混雑率が、192%から150%程度に改善すると見込んでいる。しかし、ダイヤ改正後も新宿発着の各駅停車は、「8両編成のまま」という課題が残る。

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近い将来、代々木八幡駅は相対式ホームから島式ホームに変わり、10両編成の列車も停められる。

現在、代々木八幡駅の改良工事を進めており、2018年度に完成する予定だという。その後、新宿発着の各駅停車を10両編成化させる見込みとのこと。これにより、混雑率が150%を切ることも考えられる。

■新制服もお披露目

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新制服は、駅係員用(左2列)、乗務員用(中央2列)、駅長などの現業長用(右2列)がお披露目された(小田急電鉄株式会社 提供)。

ダイヤ改正に合わせ、制服も一新。星野社長によると、落ち着いた上品さ、スタイリッシュさ、機能性を追求したという。

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記者会見ではフォトセッションも行なわれた。

ジャケットとベストはグレー、ズボンはブラックという組み合わせは斬新。襟、袖、ボタンには、金ラインを採用し、上質感のあるおもてなしの心を表現する。

なお、特急ロマンスカー用の制服も一新される予定だ。

取材・文/岸田法眼

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