「接待や会食はホテルがベスト」の理由

「接待や会食はホテルがベスト」の理由

  • PRESIDENT Online
  • 更新日:2018/01/12
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接待の場所選びは、ビジネスパーソンとして腕の見せ所。ホテル研究家の石原隆司さんは「ホテルこそ、会食に最適」と断言する。まず、ホテルのレストランは内装がしっかりしていて、席と席の間隔が広い。個室を備えている店も多く、密談にはもってこいだ。ほかにもメリットが多数あるという。

車寄せがあって、社用車もつけられる

さまざまな目的での会食や接待といったダイニング・シーンは、ビジネスには不可欠なもの。知る人ぞ知る裏通りの、凝った会食場所も重宝するが、実はホテルこそ、そうした会食に向いている。

まず、高価なレンジのレストランを選べば、内装は豪華で、席の間隔が広いのがいい。個室が備わっている場合もあり、内々の話や相手が有名人でも問題ない。そして何より、接待にホテル側が慣れていて、粗相といったことは、ほぼないのが安心だ。

付帯機能も見逃せない。ホテルは街のランドマークであり、場所の説明が不要である。広いロビーで待ち合わせ、顔合わせができ、そこから雨に濡れることなくレストランに行ける。車寄せや駐車場もあり、ハイヤーや社有車の呼び出し、タクシーの取り回しも簡単だ。必要とあれば、正面でない(わかりにくい)出入口も利用できる。

一つ屋根の下にラウンジやバーもあるので、ラウンジで話をして、互いに気持ちを和ませてから会食に進むことも可能。食後にバーへ移動、といった行動も取れる。これほど使い勝手がよいにもかかわらず、ホテルのレストランは厳しい状況に置かれている。

旧来の“ホテルレストラン”は淘汰された

日本の主だった高級ホテルの原型は、東京オリンピック(1964年)前後か、その後の大阪万博(1970年)のころにできたものだ。東京の旧御三家の一角、「帝国ホテル東京」新本館(1970年開業)、「ホテルニューオータニ東京」本館(1964年開業)は、その代表例だ。

その頃から日本の市場特性に合わせた収益の「1/3理論」というのがある(宿泊1/3、料飲=飲食1/3、宴会1/3の売上げ構成)。近年は変化しているものの、これは日本独特のビジネスモデルと言っていい。欧米のホテルの収益は圧倒的に宿泊主体である。したがって、日本の高級ホテルは飲食施設、すなわちレストラン・バーが昔から充実していた。

ホテルでは、宴会を含めて西洋料理(ウェスタン)が主流で、日本料理、中国料理などはスペシャリティ・レストラン的な位置付けであった。そのウェスタンではかつて、

(1)メインダイニング(フレンチ等のコース主体)
(2)グリル(一品も注文可能で肉料理主体)
(3)コーヒーハウス(早朝から深夜まで「通し営業」のカジュアル施設)

の3店構成が多かった。

時代の流れとともに変化を続け、帝国ホテル東京では、正統派フレンチメインダイニング「フォンテンブロー」と「グリル」を統合して、スペシャリティ感の強い、今のフレンチダイニング「レ・セゾン」とした。それにほんの少しカジュアルな伝統フレンチ「ラ・ブラッスリー」、コーヒーハウス的な施設とバイキング(バフェ=ブッフェ)の構成である。

かつては、魚介主体のフレンチ「プルニエ」もあった。現在はなくなって、日本料理のテナント店となっている。20年以上前からホテルの正統派フレンチ(メインダイニング)が振るわなくなり、その影響でイタリアンなどが流行した時期もあったが、これも不振となって、現在ではほとんど見かけなくなってしまった。今もメインダイニング的なフレンチの不調は続いている。帝国ホテル東京の「レ・セゾン」や東京ステーションホテルの「ブラン・ルージュ」など好調なのは、例外だ。

思うに、フレンチやイタリアンはバブル期前後をその胎動期として、いわゆる街場に特徴ある名店がそれこそ星の数ほどあるような状況になってしまった。1980年代以前、本格的なフランス料理店はホテル内以外には、数えられるほどしかなかったから、ホテル=リーディング・レストランのある場所であった。時代を経れば経るほど、高級かつ個性的なレストランが街場に増え続け、ホテルのレストランはこれらと競争しなければならない時代に突入した。

他方、強力なライバルに負けぬ、素晴らしいレストランが一部のホテルに存在する。

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今も輝き続ける「ニューヨークグリル」「オークドア」

私見だが、ホテルのレストランの大きな転換点は、パークハイアット東京(1994年開業)52階の「ニューヨークグリル」だろう。現在も好調に営業中だ。大きなオープンキッチンを抱えた、超高層階なのに吹き抜けで、現代アートのある壮大な空間。外国人シェフらによるグリルと、ときにエキゾティズムをアクセントにした先進的料理と北米主体のユニークなワインリスト……。当時はそれこそ「ニューヨークにありそうな」と思えたし、今でも色あせていないダイニングである。

同系グランドハイアット東京(2003年開業)のダイナミックなグリル料理を供する「オークドア」も非常に個性的で、ここも同じく色あせずに好調である。これらを機に、そして年月を経て、ホテルの飲食施設は磨かれていて、特に外資系ではコンセプトのしっかりした、壮観な内装の、立体性ある個性的な料理を提供する店舗が増えている。

一方の日系は、伝統、正統性、日本食材の多用とわかりやすさ、そして日本的なきめ細かさで対抗しているように思われる。上記の東京ステーションホテルや帝国ホテルはその典型だろう。要は、ホテルの飲食施設にも個性があり、自分の好みに合わせて選ぶ時代なのである。こうしたホテルのレストランは、ビジネスの会食だけではなく、“妻の接待”にももちろん好適である。

実は「妻への接待」にもピッタリ

妻たちは、小さな裏道の高級飲食店より、広く豪華でドラマティックなレストランを好む傾向があるようだ(まったくの私見)。とりわけ、記念日においてはそう思う。広いテーブルに花束を置けるホテルのレストランは、使い勝手が実によい。

そしてその真骨頂は、食事をしてそのまま泊まれるオーベルジュのような機能だろう。ゆっくり食事をして少し疲れても、帰宅せずにそのまま泊まって翌日朝食を食べてゆっくり帰れる。これは、海外でも同様だが一度経験したらやめられない。

自宅と同じ都市圏のホテルでもいい。出張に妻を同伴して他の都市で行うのもこれまたよし。ホテルの使い方次第で、家での自身の株が上がるだろう。

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