リニア中央新幹線で完成する「スーパーメガリージョン構想」とは?

リニア中央新幹線で完成する「スーパーメガリージョン構想」とは?

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/13

東京・名古屋・大阪のゴールデンルートを結ぶリニア中央新幹線。来るべき開業によって3大都市はどのように変化していくのか。誰も経験したことのない未来図を大胆にも予測してみた。

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◎3大都市がひとつに結ばれ、世界一の巨大都市になる

日本の未来図を象徴する〝次世代超特急”リニア中央新幹線(以下=リニア)。昨年12月に南アルプストンネル山梨工区で本格的な土木工事に着手した。開通すれば、東京・大阪間が、日々の通勤時間とさほど変わらない約1時間で結ばれることになる。リニアの開業によって、日本はどう変わっていくのか。予測される未来図を、野村総合研究所・上級コンサルタントの秋月將太郎さんに伺った。

「東京・名古屋・大阪間の移動に伴う時間的な利便性は、私たちがかつて経験したことのないレベルにまで向上します。その結果、日本を代表する3つの大都市が、リニアを軸にひとつの大都市として、周辺地域を巻き込みながら機能していく〝メガリージョン”というコンセプトによって結ばれることになります」

メガリージョンは、すでにボストンからワシントンDCに連なる圏域や、金融などの都市機能を中心に一体化する香港やシンガポールが注目されている。

日本の大都市圏も、そのひとつにとらえられてきたが、リニア開通により、これほどアクセスが良く、移動が1時間圏内という集合は世界に類を見ない。まさにスーパーメガリージョンと呼ぶにふさわしいという。

「3都市を合わせると人口は約6000万〜7000万人。フランスやイタリアなど、欧州の先進国1か国分に相当する経済規模や人口を持つエリアが、1時間圏内に入ることになり、スーパーメガリージョンとしては、世界最大級となります。3都市が同じ地域になることが刺激となり、いい意味での競争も生まれていきます。それぞれが特色を生かした都市づくりを深掘りすることで、3都市の周辺地域も活性化していくと考えています」

◎ビジネスシーンやライフスタイルも激変

最も顕著に変化するのがビジネスシーンである。

「3都市間を、同じ地域内を行き来する感覚で移動できるため、企業にとっては、拠点とする都市の選択肢が広がっていきます。各都市に分割したオフィスをひとつにまとめることもできれば、今よりも効率良く分散することも可能になる。また、移動にかかる時間というネックが解消されることで、直接人と会う機会が増え、サービス業など、業種によってはビジネスの拡大にもつながっていきます。3つの都市を拠点としたよりリッチなノマドワーカーなど、新しいビジネススタイルも生まれていくと思われます」

ライフスタイルにも劇的な変化は表われると秋月さんは読む。

「最近は親と子が独立して暮らしながらも近くに居住する〝近居〟が増えていますが、リニアが開通すれば、仮に親と子が東京と大阪で暮らしていても、移動時間では近居ととらえることもできるわけです。誰にでも当てはまるわけではありませんが、通勤や通学にリニアを利用するという新たな選択肢も加わることになります」

リニアの整備で、より魅力的に進化したゴールデンルートの未来が期待できそうだ。

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野村総合研究所

グローバルインフラコンサルティング部

上級コンサルタント

秋月將太郎さん

1966年生まれ、慶應義塾大学 経済学部卒。運輸(鉄道・航空)、建設、住宅業界などのコンサルティングを行なう。

[安定した超高速走行を可能にした超電導リニア]

超電導リニアは、車輪とレールとの摩擦を利用して走るのではなく、車両に搭載する超電導磁石と地上に設置されたコイルとの間の磁力によって非接触で走行。営業線仕様のL0系車両は、東海道新幹線のイメージをふまえつつ白色範囲を増やして軽快感を、青色の配列で躍動感を演出する。

[スーパーメガリージョンの考え方]

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各都市をひとつの地域として想定するもので、広域経済圏ともいわれる。大規模な国際空港を備えた3大都市が結ばれることで、地域全体がビジネスや観光のグローバルな拠点としても活用できる。

《リニア中央新幹線の基礎知識》

建設の目的や運行ルート、各区間の所要時間など、現在までに発表されているリニア中央新幹線に関する基本情報をまとめてみよう。

〈建設の目的〉

東京・名古屋・大阪を結ぶ日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線は、開業から50年以上が経過している。このため、JR東海は、中央新幹線の建設により、この大動脈輸送を二重系化し、東海道新幹線の将来の経年劣化や大規模災害に対して抜本的に備えることとしている。

〈開業までのタイムテーブル〉

2014年に国土交通大臣が品川・名古屋間の工事実施計画を認可。2027年の品川・名古屋間の開業を目指し、昨年12月に南アルプストンネル山梨工区で本格的な土木工事に着手。今年1月には品川駅でも工事が始まった。

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〈ルートと停車駅〉

品川・名古屋間のルートは、超電導リニアの超高速特性をふまえ、できる限り短い距離で結ぶことを基本としており、全長286km(地上部40km、トンネル部246km)が整備される。ターミナル駅として、品川駅と名古屋駅が地下に整備され、中間駅として、下記の4駅が新たに設置される予定。

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〈時速・所要時間〉

リニア中央新幹線の営業速度は500km/hに達する。東京・名古屋間の所要時間は最速40分(現在の東海道新幹線「のぞみ」最速所要時間は1時間34分)、東京・大阪間の所要時間は最速67分(同・最速所要時間は2時間22分)となる。

文/編集部

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