なぜ妻は「うちの夫、ポンコツ」と感じるのか?目からウロコの夫婦論

なぜ妻は「うちの夫、ポンコツ」と感じるのか?目からウロコの夫婦論

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/10/23
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AIやロボット工学の研究は、「人間を理解し、その機能を再現する」という、言わば究極の人間学。人工知能開発に携わってきた黒川伊保子さんの著書『妻のトリセツ』は、その実践的なわかりやすさが「夫」ばかりか「妻」にまで支持され、40万部を超えるベストセラーとなった。

刊行されたばかりの続編『夫のトリセツ』では、妻が夫に対し、「思いやりがない」「話を聞いてくれない」「とにかく苛立つ」「一緒にいる意味がない」と思っていることが、じつは男の視点からは「濡れ衣」かもしれない、ということが、AI研究でわかってきた知見からユーモアをもって語られている。

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なぜ、夫は気が利かないのか? なぜ、夫は妻の話が耳に入らないのか? そして、「気が利かない夫」をどうすれば「使える夫」に変えられるのか? 著者の黒川さんに、『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』に込めた想いを聞いた。

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男の「問題解決脳」との付き合い方

── 『夫のトリセツ』で語られますが、黒川さんの場合、パートナーと話す際、「ただ話を聞いて、共感してくれればいい。問題解決は必要ない」と、最終的な着地点までをセットして話すそうですね。これは有効でしょうか?

うちの夫には有効ですね。うちの場合、夫も理系なので論理的に最終目的を言われた方がいいタイプです。いろいろ聞いてみると、もともと「問題解決型」の夫ほど、目的をはっきりさせておいたほうが「あっ、そうなんだ」とうまく行く傾向があるみたいですね。

逆に意外と「共感してるぞ俺は」と思い込んでいる男性の場合のほうが、「解決は必要ない」と妻に言われると「必要なくないだろ!」と、感情的になる場合があったりする。こういうところは、相手の脳のタイプによりますね。

── よく「買い物でもLINEで画像を送るくらいしないとちゃんと買ってこない」など、「男はなんでこんなポンコツなんだ」という妻の声がありますね。だから『夫のトリセツ』の「男は目的をきちんと与えると機能する」という提案を拝読して「なるほど!」と感じました。

そうしたところは本当に「男性脳」のおもしろさですね。うちの夫もわかりやすい「問題解決脳」です。そちらのほうに特化して優秀であるほど、マルチタスクはきかない。買い物を頼むときもリストをつくって渡しますけど、いつも人工知能のプログラムより大変だと思うんですよ。たとえば「鶏肉250グラム」といった場合、280まで買っていいのか、240じゃ足りないのか、彼はすごく悩むんですね。

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黒川伊保子さん(撮影:川村悦生)

夫をプログラミングしてみる

── しかしその悩み、よくわかります。

まあ確かに、ケースバイケースで「解決案」もいろいろです。だから最初は、「パックが250以下だったら小さめのパックは追加してもいい」といったところまで、リストに書きました。でも「すごいな」と思うのは、徐々に覚えていくんですね。諦めすにきちんと積み重ねていくと、ちゃんと覚えてくれるんです。

今はようやく、夫という「ひじょうにプログラミングしにくい装置」の設定が一応、完了して、掃除の仕方からなにから、見出し語だけで通じるようになったところです(笑)。だから「ここまでくれば、ぜひ長生きしていただきたいな」と思っています。

── あきらめないで、続けてみる。そういう提案が『夫のトリセツ』の素敵なところだと思いました。

「人生100年時代」になると、結婚生活だけで70年にも及ぶことも珍しくありません。そうすると、たとえば夫のプログラミングに30年かけたとしても、まだ40年あるわけですから。

それに、投げ出さずにもうひと手間をかけたものは、愛おしいんですよ。ピアノでなんでも、すぐにできてしまう天才って、飽きて投げ出すでしょう? しかし天才じゃない人は、むしろずっと練習していたりする。

どこかそれと同じように、最初からできる夫より、手間がかかって腹が立って、ケンカして離婚も考えて、そしていま買い物ができる夫というのはそれだけでもう、愛おしいじゃないですか。

神は、夫婦を分かとうとしている?

実は『夫のトリセツ』は『妻のトリセツ』と鏡写しの関係ではなく、「なぜ妻が夫に対して、距離感を感じるようになるのか」について書いているんです。

── 神はふたりを分かとうとしている?

そうです。生き物のシステムとして考えると、ひとつの生殖が終われば、次は違う遺伝子の組み合わせをつくったほうが合理的。より多様な遺伝子のバリエーションをつくれるわけですから。

だから脳には、妻が夫のことを積極的に嫌う段階が来るように、プログラミングされている。ひとりふたり子どもをつくったら「1回この人を捨てよう」と脳が仕掛けてくる。

ある意味、「自然界の神は二人を分かとうとしている」わけです。妻の脳に仕掛けられているこの魔法を、まず解くことから始める。実は『夫のトリセツ』とは、そうした本なんです。

原因を知れば、対処できる

とくに出産直後は、脳の認知が繊細になります。小さな命に認知スケールを合わせているわけですから、大人の男は、どうしても「でかっ」「がさつっ」と感じてしまう。もう本当に、夫の足音だけでさえ、どかどか乱暴に聴こえる。夫が発する言葉も、ひとつひとつが自分を攻撃しているように感じるんですね。

私の場合、8月10日に子どもを産んで、12月10日に職場に復帰しているんです。そのときは、電話の音が暴力的にさえ感じて、オフィスがすごく怖かった。「おはようございます」と挨拶されただけで責められている気すらしました。

でも私は脳の研究をしているから、そこで「わっ、産後の脳の認知モデルってこういうものなんだ」とわかるわけです。この時期、家庭で、夫のこと暴力的だと思うのも、濡れ衣もおおいにあるのだと思い至りました。

── 原因を知っていれば、対応も違ってくる。違いを強調するのではなく、お互いを理解してみよう。その姿勢は黒川さんの著作に共通していますね。

自然界の神様が分かとうとしているところを、どうやって夫婦は、乗り越えていくか。子育て期にに訪れる、この危機を乗り越えるとかなり楽になりますし、いざ乗り越えてからも結婚生活はまだ、50年はありますからね。

男女雇用機会均等法がはじまって30年以上が経ち、男と女が、家庭でも会社でも、直接、向き合うようになった。書いた本人がいうのもなんですけど、今の時代に必読の本なんじゃないかと思います。〈10月23日公開の後編へつづく〉

(取材・構成:堀田純司)

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