パンも陳列もアーティスティック! ギャラリーのような和歌山のパン屋

パンも陳列もアーティスティック! ギャラリーのような和歌山のパン屋

  • CREA WEB
  • 更新日:2018/10/14

JR和歌山駅からバスに乗ること約15分。堀止バス停で下車して、大きな堀止交差点の南西角のビルにある、小さなパンの店「3ft(サンエフティ)」を訪ねました。

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外観。堀止交差点角にある3階建のビルにあります。壁の店名ロゴが目印。

ビルの外壁に「3ft」の文字。季節にちなんだオブジェや枝物が飾られたガラス越しにちらっと店内の様子が見えます。らせん階段を数段降りると、吹き抜けの狭い空間。平台にパンがアート作品のようにさりげなく並んでいます。パンの店らしくない、何とも不思議な雰囲気。置かれているパンをじっくり鑑賞してみましょうか。

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吹き抜けの空間にパンが並ぶ店内。

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パンには手書きの説明が添えられて。

店主・なかむらたかしさんは、1989年、和歌山県出身。高校生の時『焼きたて!!ジャぱん』という漫画を読んでパンに興味を持ち、自分で作ってみたのだそう。

「友人が食べて喜んでくれたのがうれしくて、パンを勉強したいと思った」

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パンを作るなかむらたかしさん。

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なかむらさんが作る表情豊かなパン色々。

大阪の製パン学校を卒業して、パン屋で修業すること3年。実家へ戻り、パンを焼いてイベントやギャラリーでの販売を始めると、じわじわ人気に。

そして、2016年4月、和歌山市内に「名前のないパン屋」をオープン。看板もなく、現代アートのオブジェのようなパンの陳列もパン好きの間で話題になりました。

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まるで作品を展示しているかのよう。

工房を備えた現在の店舗に移転オープンしたのは、2017年11月3日。「名前のない店として3階(3f)からスタートし、次の店になったので、次に進むという意味を込めて、startの頭文字Sのアルファベットの次であるTをプラスしました」と不思議な店名の由来を話してくれました。

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仕込み中のパン生地。2kgの大きな塊。

「日本の豊かな風土が育んだ小麦と、数種類の酵母を組み合わせてパンを作っています」

ベースとなるパン生地の材料は、国産小麦、自家製酵母、塩、水。小麦粉は北海道や埼玉県、滋賀県産をブレンドして使用。酵母は酸味が出ない、レーズン、ヨーグルト、ルヴァンの他、すぐ近くの味噌屋で扱う生麹から起こしたものを使っているのだそう。

「色々な酵母を組み合わせると、日本にしかないパン文化が生まれる」とにっこり。

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自家製酵母。左から、レーズン、麹、ヨーグルト、ルヴァン。

たっぷり加水した小麦粉に最小限の酵母を加えて練り上げ、常温で長時間発酵。1晩置いて「翌朝4時に店に来たらオーブンを温め、2キロや1キロの大きな塊を高温で焼き上げています」。

5種類の生地から季節に合わせて作られるのは20種類余り。大きな塊は半分や4分の1にカットして販売されています。パンは、3日前までにインターネットか電話で予約。欲しいパンを購入するには予約をした方が確実です。

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大きく焼いてカットして販売されているパンも。

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2次発酵前の生地。

ずっしりと重いのにやわらか! 他にない味わいのパン

なかむらさんのパンは、一見よくあるハード系。でも、手に持ってびっくりするのは、そのやわらかさ。ずっしり重いのに、ふんわりやわらか。それでいて、弾力があるのです。カットするとその断面のみずみずしさにも驚きます。そんなパンのごく一部をご紹介しましょう。

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「瑞々しい」240円。名前もユニークです。

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「瑞々しい」の断面

「瑞々しい」は、オリーブオイル入り。加水が一番多く、その名前のように、しっとりした柔らかな食感。噛むうちに口の中でとろけるよう。軽くオーブントースターで焼くと、表面がパリッ、カリッとして、また違った歯触りに。

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「たわわ」1個 3,120円、1/4個 780円。

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「たわわ」の断面。

「たわわ」は、レーズン、イチジク、オレンジ、クルミ入り。断面は、名前どおり、果実や木の実がたわわに実っているよう。噛む程にフルーティな香りが広がります。コリコリしたクルミがアクセント。

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「無花果」1個 1,340円、1/2個 670円。

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「無花果」の断面。

「無花果は、たっぷりのイチジクとカラメル入り。濃厚な味わいで強く印象に残ります。

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「いたりあん」1本 1,160円、1/2本 580円。

「いたりあん」は、チーズ、オリーブ、トマト、コーン入り。バジルが香り、コクがあって、クセになる味わい。

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「カレーさん」1本 1,160円、1/2本 580円。

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「カレーさん」の断面。カットするとカレーの強い香り。

「カレーさん」は、「よくあるカレーを包む形にしたくない」と、生地に2種類のカレー粉を混ぜ、レーズンやパインなどのフルーツを加えています。カレーの風味とフルーツがよく合う。

「ふわ」は、ブリオッシュのようですが、卵を使わず、カボチャやジャガイモ、きな粉を加えて、ふんわりしていて弾力のある食感に。歯切れもいい。

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「ふわ」640円と「ふわ仲間」。

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「お角」620円。

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「お角」の断面。

角食「お角」は、甘味があり、ふんわり、もっちり、吸い付くような独特の食感。おすすめは1.5斤の5枚切。ごはんのようにおかずと食べてもおいしい。

他にも、なかむらさんは、個性的なパンを色々作っています。

北海道産小麦、塩、酵母、湧き水のみを使用した「フランスパン」、全粒紛30%の大きなパン「ラフィキ」。「fullナッツ」は、ヘーゼルナッツ、クルミ、カシューナッツの他に、カカオニブ入り。発芽玄米、ライムギ粒、ハト麦、ゴマ、ひまわりの種が入った「ざっこくん」や「くるみとぶどう」「オリーブ」などなど。

また、夏には、マンゴー、もも、パパイヤとホワイトチョコが入った「マンゴーtoもも」、ミントが効いた「メロンパフェ」、オレンジ、パパイヤ、パイン、ココナッツを使った「とろぴかる」などなど、フルーツたっぷりの涼やかな風味のものが色々。

秋には、アールグレイを使った「紅茶」や、ほうじ茶の「オタム」といった具合に、季節毎に様々なパンが登場します。どのパンも、そのまま食べても、軽く焼いても、おいしいのです。

支払いを現金でなく、クレジットカードかチャージ式カードですませるのも、新しいスタイル。「次世代のスタンダードを目指しています。これからは、和歌山県産の小麦をどんどん使いたい。生産者のことやパンのことを発信するパブリックスペースができたらとも思っています」。

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「和歌山県産小麦」1kg1360円。

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「和歌山県産小麦」の断面。

日本のパン文化を確立するために、さらに進化を続けるユニークなパン屋さん。他にない味わいのパンが異彩を放っています。

3ft

所在地 和歌山県和歌山市堀止西2-1-1
電話番号 073-426-8089
https://www.3ft.site/

宗田洋子(そおだ よおこ)

ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

文・撮影=そおだよおこ

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