【藤田俊哉の目】ブラジルの20分間のフルパワーにスタイル確立のヒントがある!

【藤田俊哉の目】ブラジルの20分間のフルパワーにスタイル確立のヒントがある!

  • サッカーダイジェストWeb
  • 更新日:2017/11/13
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日本は14日(日本時間14日深夜28時45分)にベルギー戦を迎える。ブラジル戦の反省を活かせるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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ブラジルの鋭いカウンター攻撃は、日本が目指すべきスタイルのヒントになり得るものだった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

11月10日のブラジル戦は、文字通りの完敗だった。

当日はオランダから車で移動してフランスのリールに入った。代表戦をアウェーの地で見るのは新鮮だったけれど、スタンドから見えた光景は、日本に突きつけられたリアルな姿だった。

ブラジル相手にどこまで戦えるか。戦前はそんな気持ちで構えていたけれど、キックオフの笛が鳴ると同時に、ブラジルの強さに日本は圧倒され続けた。

雨でスリッピーな芝のグラウンドでは、とくに「技術力」の違いが表われるもの。この日の前半も例外ではなく、「止める・蹴る」の基本プレーを見ても、ブラジルの確かな技術が際立っていた。ここで技術的な議論を述べるつもりはないが、サッカーとはこの基本的な技術レベルを高めてこそ、理想的なプレーを表現できることを、この日のブラジルは改めて教えてくれたのである。

圧倒的なポゼッションをもって、ことごとく日本のプレスを次々とはがしていく。ブラジルの攻撃をワンサイドへと追い込むことすら許してくれない。奪いどころを掴めずに、日本は「ファウル」という手段でしか、相手の勢いを止めることができなかった。ビデオ判定というのは、フットボールの楽しさを半減させる危険性があるので採用してほしくないが、2回のPKを取られてしまったのは、当然の結果と言えるだろう。

アジア予選とは明らかに違うプレースピードに圧倒されてしまったのか。日本は本気で勝負に出てきたブラジルを前に萎縮しながらプレーしていたように見えた。ボールを保持しても、その多くは自分のタイミングでのプレーではなかった。だから、いつもならできるはずのプレーも、なかなかできない。

前半を終えて0対3。早い段階で失点したことで、日本のプランが崩れたことは残念だったが、この前半をポジティブに捉えるなら、ワールドカップ本番のシチュエーションをイメージできたことは収穫だった。さらに言えば、この試合で何度か見せてくれたブラジルの迫力のあるカウンター攻撃は、日本代表が目指すスタイルの確立へ大きなヒントになるはず。

フルパワーで戦ってきた20分間のブラジルのプレーには、ハリルホジッチ監督のもとで日本がこれから目指すべき理想のスタイルが詰まっていた。 戦術的な視点で言えば、先ほども述べたように、圧倒的な技術力をもってテンポよく相手のマークをはがしていく理想的なポゼッション、ボールを奪ってから全速力で相手ゴールへと向かっていくまさに火を噴くようなカウンターなど……、日本がチームとして成熟させるべきものが多く隠されていた。

今回の欧州遠征は、ワールドカップ本番を想定しやすい。本番のグループリーグでは、まさに今回のような強豪国と2試合以上戦うことになるから。10日のブラジル戦、14日のベルギー戦をグループリーグの1戦目と2戦目に置き換えることができる。日本は第1戦のブラジルに1対3で敗れたのだから、4日後のベルギーとの試合、つまり第2戦では欲を言えば3ポイント、最低でもドロー以上の結果を手にしなければならない。

そこでハリルホジッチ監督はどうやってチームを立て直していくのか。井手口、山口、長谷部を並べた中盤の構成は、ボール奪取を優先したものだと想像できるが、果たして、ゴールが求められるベルギー戦でも同じようなメンバー構成で臨むのか。ブラジル戦と同じように、先に失点した場合に、どのような手を打つべきか。

強豪国からいかに勝点を奪うか。それがワールドカップでの戦いに求められるのだから、ベルギー戦ではテストマッチとはいえ、結果も必要になる。ブラジルが見せた前半20分間の戦い方を、今度は日本がベルギー相手に見せてほしい。

◆プロフィール
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水市商高-筑波大-磐田-ユトレヒト(オランダ)-磐田-名古屋-熊本-千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からオランダ2部VVVフェンロのコーチとして指導にあたり、16-17シーズンのリーグ優勝と1部復帰に導いた。新シーズンよりイングランドのリーズ・ユナイテッドでスタッフ入り。また、今年7月より藤田俊哉×H.I.S.ブログ『藤田俊哉サロン』がスタートhttp://www.sports-his.com/fujitai_column/index.html

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