交通事故の原因「眠気の正体」が判明! 脳内タンパク質に睡眠障害の治療の可能が

交通事故の原因「眠気の正体」が判明! 脳内タンパク質に睡眠障害の治療の可能が

  • HEALTH PRESS
  • 更新日:2018/07/14
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交通事故にもつながる「眠気の正体」が判明(depositphotos.com)

今年5月21日、都内で軽ワゴン車を運転中に「睡眠障害の影響」から居眠り状態となり、路上で作業中の男性に6か月のケガを負わせた運送業者(60)が、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで逮捕された。

睡眠障害による事故(前掲容疑)での逮捕が全国初だったため、耳目を集めたが、もっと驚いたのが同容疑者の事故歴だ。平成26年以降、19件もの交通事故を起こしており、うち7件が人身事故で免停が3回――。

容疑者自身も過去に2回「睡眠障害」の症状を訴えて病院を受診したものの、通院はしないまま放置していたという。

折しも、というか皮肉にも、6月1日から国土交通省は、バス、トラック、タクシー業界の乗務前点呼に「睡眠不足」のチェックを追加した。

運行管理者側からすれば、従来の体調確認(疾病/疲労)に1項目が増やされた次第だが、同省の石井啓一大臣は「(事故防止に加えて)働き改革を進める観点からも重要」と言及している。

しかし、いわゆる意識向上を促す以上の施策は、現時点で検討もされていない後手後手ぶりだ。国交省による追加策の背景には、当然、近年相次ぐ「睡眠不足が原因」と思しきバスやトラック運転手の重大事故問題がある。

だが、その底流には「人手不足」という未解決問題があり、いずれの業界も、人材確保や勤務間インターバル制度の導入が立ち遅れているのは明らかだ。

女性が要注意の関連疾病は

一方、医学界では、このところ「睡眠障害」や「眠気の正体」に関する研究報告が続いている。

たとえば、京都大学医学研究科が滋賀県長浜市との共同事業(ながはまコホート)において実施した世界最大規模調査の解明成果も、その一つだろう。

「性差」と「閉経前後」の例も踏まえ、総計7000人以上を横断的に調べた話題の研究テーマは、「睡眠呼吸障害/短時間睡眠/肥満の相互関連性と、それらが高血圧/糖尿病に与える影響を探る」というもの。

冒頭の交通事故例が物語るとおり、日中の「過度の眠気」は社会生活に重大な影響を及ぼす可能性を秘めている。また、今日の24時間社会において「睡眠不足」は誰もが抱える日々の悩みであり、生活習慣病との関連も注目されつつある問題だ。

この短時間睡眠の究明に関しては、従来ありがちな「自己申告制」を排し、睡眠日誌&加速度計の測定を用いた客観的データに基づいて行なわれたという。この世界最大規模の調査結果から、今回の記事に触れる要点を拾えばこうだ。

●睡眠時無呼吸については、その最重要要因とされる「肥満」のみならず「客観的な短時間睡眠」とも関連していることが判明した。

●睡眠呼吸障害については、男女とも「高血圧」との関連が認められ、その度合いは重症度に比例して高くなる。

●睡眠障害と糖尿病との関連については、「女性のみ」に認められ、とりわけ閉経前の女性の場合は「中等症以上の睡眠呼吸障害」があると糖尿病が28倍も多かった。

「眠気の正体」が判明!

もう一例紹介しておきたいのが、筑波大学の柳沢正史教授(神経科学)らが、6月13日付の英国科学誌『ネイチャー』電子版で発表した「眠気の正体」に関する研究報告である。

柳沢教授らがマウス実験から発見した示唆によれば、「80種類の脳内タンパク質の働きが活性化すると眠くなり、眠りに就けばその働きがおさまる」とのこと。彼らが「スニップス」と命名した、このタンパク質群こそが、「眠気の正体」と見られる。

このスニップスが睡眠を促すことで、神経を休ませ、各機能の回復につなげているというのが研究陣の見解だ。同教授によれば、今回の成果が「睡眠の質の向上や、不眠など睡眠障害の治療法の開発につながる可能性がある」という。

最後は「シエスタ(お昼寝)」をめぐる話題を一つ。最近は日本でも、午後の作業効率や集中率アップの効果を認めて短時間のお昼寝を導入する企業が増えている。

一方、そんなシエスタ公認企業を募って、自社製品の『ふとんコンディショナー』無料提供キャンペーンを実施中(=8月末まで。応募数に達し次第終了)なのがレイコップ社だ。

通称「ふとコン」は布団内を、ヒトの快眠温度とされる「33℃」に基づき、寝入り時「-1℃」、目覚め時「+1℃」と、眠りのメカニズムに合わせて自動操作してくれる。

その快眠の充実度が利用者に好評で、雑誌の「東大生・京大生が就職したい企業」調査でランク入りした某ベンチャー企業も導入中。「集中室」と呼ばれる部屋に設置されて社員にも好評なんだとか。

確かに、つかのまの公認シエスタでストレスをふり払い、午後の効率化を計るほうが最良でより具体的な働き方改革につながる、とはいえそうだ。
(文=編集部)

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