チェルノブイリ事故、「鋼鉄のフタ」設置も問題解決にほど遠く

チェルノブイリ事故、「鋼鉄のフタ」設置も問題解決にほど遠く

  • TBS News i
  • 更新日:2016/11/30
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30年前に事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ原発の原子炉を覆う鋼鉄のシェルターが、ようやく完成しました。福島の未来を占えるとも言われるチェルノブイリ。現地を取材すると、問題解決からはほど遠い現状が浮かんできました。

30年前に起きたチェルノブイリ原発事故。その事故が発生した4号機がこの日、巨大シェルターで覆われました。重さ3万6200トン、高さは108メートルで、名古屋城の天守閣3つ分。移動式の構造物としては世界最大級です。これで放射性物質が外部に拡散するのを防ぐといいます。チェルノブイリ事故にとっては大きな節目。式典には世界各国からの招待客が集まりました。

「多くの人がシェルターの完成を信じていなかった。しかし、おめでとう。イエス!我々はできた」(ウクライナ ポロシェンコ大統領)

総工費およそ1800億円。(約15億ユーロ)資金集めのための基金がつくられてからおよそ20年と、完成まであまりにも長い道のりでした。シェルターは4号機の327メートル横に建てられ、ゆっくりとスライドして4号機を覆います。

「このシェルターの内部の天井からつり下げられたクレーンでもって、4号機の中の建物が解体されていくということだそうですけれども、果たして放射性物質はどのように除去されるのか、原発を管轄する大臣に聞いてみました」(記者)

「新しいシェルターの耐用年数は100年です。現時点で正確で現実的な計画について話すのは、残念ながら時期尚早です」(ウクライナ オスタプ・セメラク環境相)

100年の間にいかにして放射性物質を除去していくか、明確な計画は、まだ示せないといいます。一方で・・・

「原子力産業は、多くの安全性における問題を先送りにして、安い電力を生産してきたのです」(ウクライナ オスタプ・セメラク環境相)

国が問題を先送りにしてきたことを担当相自ら認めました。原発の専門家は、どう見ているのでしょうか。

「これから自力で解決できるかどうか、非常に複雑だと思う。しかし、西側が資金を提供することはもうないことが分かっている」(ウクライナ国家原子力局 コプチンスキー元局長)

自力で解決できないのであれば、他国に頼らずウクライナ自身の力で放射性物質を除去する必要がありますが・・・

「ウクライナは自力では4号機を解決できません。日本の会社や技術者と協力することに関心があります」(ウクライナ オスタプ・セメラク環境相)

結局は日本など他の国に頼るしかないというウクライナ。完成した巨大シェルターは、まさに「臭いものに蓋をした」だけで、問題の放射性物質を取り除くための1つのステップにすぎないのです。

「(放射性物質を)遠隔操作で取り出す機器や運搬手段が必要です。さらに放射性廃棄物を貯蔵する場所も何も決まっていません。具体的な計画がないことが(チェルノブイリにおける)全ての作業の特徴です」(ウクライナ国家原子力局 コプチンスキー元局長)

日本の福島第一原発でも事故処理が進む中、チェルノブイリ原発が放置してきた課題はひと事ではありません。(30日18:22)

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