元祖「国際女優」島田陽子がプロデューサー?「衰えるまで女優をやる計画はないの」

元祖「国際女優」島田陽子がプロデューサー?「衰えるまで女優をやる計画はないの」

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  • 更新日:2017/10/13
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待ち合わせの渋谷のホテルの喫茶室に、赤いベレー帽と黒のドレスで現れた島田陽子。胸には水晶のネックレスが光る。「これはお守りなんですよ」(撮影・上田耕司)

1980年の「将軍SHOGUN」でゴールデングローブ賞を受賞し、「国際女優」と呼ばれた島田陽子。その後、数々のスキャンダルで世間を騒がせ、テレビや映画で姿を見る機会はめっきり減ったが、今年9月、中国のアカデミー賞と称される映画祭「第26回金鶏百花電影節」で「助演女優賞」を獲得。帰国後、本誌インタビューに応じ、女優業と今後の活動について語った。

【写真】「国際女優」と呼ばれ始めたころの島田陽子さん

――(席に着くなり、「私、きょうは車じゃないの」とビールを注文)お酒がお強いようですね。

「昔はけっこう飲めたんですが、今はそうでもないです。量は飲めない。ビールよりワインを飲むことが多いですね。食事をしながら、ゆっくり飲むほうです。朝まで盛り上がることもありますよ。話すことも人の話を聞くことも好きだし、会話が好きです。映画祭で受賞した日は、監督とホテルの中にある無料のバイキング方式のレストランで、赤ワインで乾杯しました」

――金鶏百花電影節では、日本映画「カノン」は「作品賞」と、メガホンをとった雑賀俊郎監督が「監督賞」、島田さんが「助演女優賞」を獲得した。3部門受賞は2008年の「おくりびと」以来の快挙だ。

「外国映画は25作品参加していましたから、期待してはいなかった。映画関係者にお会いして、意見交換できたら大きな収穫だなという程度。アナウンサーが中国語読みで『ダオティェンヤンズー(島田陽子)』と発表したけれど、スクリーンに映し出されたのは鈴木保奈美さんの顔。だから最初は『(受賞は)間違いよ』と言ってたんです」

――「カノン」は3姉妹が、19年前に死んだと聞かされていた母親(鈴木保奈美)が生きていることを知って尋ねる物語。島田さんは、その母親が1年ほど身を寄せたかまぼこ工場のおかみの役だった。

「私の出番はたった3~4シーン。長靴をはいて、白いかっぽう着を着て、ほとんどノーメイクで演じました」

――それでなぜ「助演女優賞」を受賞できた?

「授賞式の後、中国人審査員が、私の出演作『砂の器』(74年)、『白い巨塔』(78年)、アメリカのテレビドラマ『SHOGUN(将軍)』などを見たよと言ってくれた。アジアでの知名度も受賞の背景としてあったと言われました」

――女優として久しぶりに脚光を浴びたわけですが、近況は?

「来年2月に90歳になる母と暮らしてます。昨年まではすごく元気だったんですけど、今年に入ってちょっと弱りましたね。ご飯の量が半分になりました。昨年までは、私と100グラムのステーキを食べていた人なので、ちょっと心配です」

――お母さんは2度、脳梗塞で倒れたことがあるそうですね。

「脳の司令塔から体への伝達がよくない。だから、着替えができない、服のボタンをとめたり、ズボンを掃いたりがうまくできない。私と近くに住んでいる妹とでできるだけ面倒をみていますが、仕事で忙しい時には多機能型の施設に預けています。母はうちと施設と行ったり来たりです」

――長期間のロケのときは?

「その施設は何日でもお泊まりできるんです。私1人で大変な時には、ここの施設からヘルプにも来てくれます。たとえば、お風呂や真夜中のおしっこにも対応。お絵描きとか、お習字の勉強の時間や歩いたりするリハビリの時間もあるんです。そこと連携し、仕事をしつつも、できるだけ母と一緒にいてあげられるように工夫しています」

――これまでイロイロあった女優人生を振り返って。

「私だって、心がズタズタになるような仕打ちをされて、何日間か泣いたり、悲しんだりすることもあります。ですが、それはあるところで打ち切るんです。ネガティブな気持ちを葬るために、自分の頭の中でお墓を作ってます。嫌なことを骨箱に入れて、お墓に納めて、ろうそくをたてて、お墓参りをするところまで頭の中で想像するわけ。そして、『ご愁傷さまでした。安らかにお休みください』って言うんですよ。そうすると、すーっと楽になれますよ」

――人生で、後悔したことはないですか。

「映画『ラスト・タンゴ・イン・パリ』という作品に出演した女優のマリア・シュナイダーさんが10年くらい前に来日されて、一緒に居酒屋でお酒を飲んだんですよ。そのとき、マリアさんから『あなた今、幸せ?』ってきかれたの。『幸せよ』って答えたら、彼女は『あっ、じゃあ、あなたの人生成功したわね』ってニッコリしながら言ったのよ。過去にどんなことがあったとしても、今が幸せなら人生は成功だという考え方はフランス的かもしれないけど、すごく納得がいきましたね。失敗もたくさんあったから、今の自分がいると思う」

――昔も今もスリムなスタイル。体型維持の秘訣は?

「食べたいものを食べてますが、夜遅い時間は食べないようには気をつけてますね。遅くなっても、午後9時までには食事を済ませてます。あとは週に2回、ジムに行ってます。ウオーキングしたり、ダンベルで筋トレしています」

――今後の活動は?

「世界の人達に楽しんでもらえる映画が作りたい。人種の違いを越え、国境を越えて共有出来る作品です。私の次のステップは、そんな映画制作に関わるプロデューサーです。そのための勉強をしています。日本で女優を衰えるまで(笑)やりつづける計画はありません。現在、素晴らしい企画が動いています。結果は年内にはハッキリするでしょう。もし決まれば、私の最終章の道が開けます」

(本誌・上田耕司)

※週刊朝日 オンライン限定記事

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