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医療ライターがコロナ感染...熱も下がり食欲が戻っても、今も続く体の異変

医療ライターがコロナ感染...熱も下がり食欲が戻っても、今も続く体の異変

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/07/22
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「まさか自分が? なぜ? どこで? 1年半こんなにも気を付けてきたのに……」

及川夕子さんは医療系の記事を数多く執筆しているライターで、仕事柄コロナ禍でも感染対策は誰よりも万全に行っていた。ところが先日、新型コロナウイルスに感染。数日後には及川さんの夫も感染し、それぞれホテルと自宅で療養生活を送ることになった。

感染療養中、「明日には、もう少し良くなっているはず…という希望が、何度も打ち砕かれた」という。取材でさんざ新型コロナウイルス感染症について寄稿してきたが、やはり実際なってみると、想像をはるかに超えつらいことも多かったと振り返る。

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神奈川県のホテル療養施設に一時的に入った及川さん。誰とも接触せず部屋まで行ける動線が作られていました。写真/及川夕子

前編では発熱、コロナ陽性でホテル療養になったところまでをお伝えした。
後編では、コロナ感染者のホテル療養の実態と体調の変化について緊急寄稿してもらった。

医療ライターの新型コロナ感染の経緯を時系列でつづった
【前編】「気を付けていたのに、なぜ?」医療ライターが感染し実感したコロナの恐怖こちらから

味覚異常に体温の急変動。高熱が下がらない

【7月3日~5日(ホテル療養1~3日目)】

発症当初は、熱があっても解熱剤を飲めば、なんとか動ける状態でした。ホテル療養1日目(発症3日目)はオンラインヨガを受講、2、3日目は友人とテレビ電話でおしゃべりする余裕もありました。

でも、この頃から水を飲むと苦味しか感じなくなり、お弁当も味が変でした。コーヒーは全く受け付けなくなり、おかずの揚げ物についていたソースがとにかくしょっぱくて、甘さも酸っぱさも感じませんでした。

療養中に苦しめられたのは、味覚異常のほかに、体温のめまぐるしい変化です。ほぼ1日3回、フルに解熱剤を服用し、平熱に下がることもありました。でも、「この調子なら明日はもう少し楽かな」と思っていると高熱が出るといった具合で、良くなったり悪くなったりの繰り返し。これが一番つらかったです。

【7月6~7日(ホテル療養4~5日目)】

療養6日目、7日目になると、解熱剤を飲んでも熱がなかなか下がらなくなり、一日中横になって過ごしました。身体中が熱く、ベッドから起き上がるエネルギーが全く湧いてきません。夜中には熱が39度台に。

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怖いほど上がっていく熱。解熱剤を飲んでも下がらないときはめちゃくちゃ怖かった。(写真はイメージです)photo/Getty Images

食欲も落ちていく一方で、口に入るのは、自宅から持参したフルーツとこんにゃくゼリーくらい。ホテル療養で配られるのは、1日3食のお弁当のほかにペットボトルの水またはお茶、ドリップコーヒーやお茶のティーバックのみです。相変わらず口の中が苦く、水すら口に入れたくない状態でした。「スポーツドリンクなら飲めたかも、持参すればよかった」と悔やまれました。

連日解熱剤を服用しているためか、胃がひどくもたれるようになりました。胃の痛みに耐えられず、ネットで胃薬と栄養ドリンクを注文(市販薬の購入は許可されていました)。もっと早くに頼んでおけばよかったと思いました。

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元気だったらおいしそうなお弁当なのだが、肉多めで手が伸びず。係の手書きのメッセージが温かく励みになりました 写真/及川夕子

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朝の食事はこんな感じ。パンも野菜も喉が通らず、バナナを少しずつ食べるのが精いっぱいでした。写真/及川夕子

また、ホテルには、氷枕がありません。とにかく熱を冷まそうと、ホテルの部屋の冷蔵庫で冷やしたペットボトルを、首筋や脇の下にあてると、少し気分が良くなりました。

振り返ればこの2日間が、最もつらい時期でした。「こうやってコロナは生きる気力と体力を奪っていくのだな」、「このまま味覚が一生戻らなかったらどうしよう」、「70代、80代だったら負けていたかもしれない」という考えが何度も浮かんできました。この頃が最も体力、気力、食欲を奪われ、弱り切っていたと思います。

熱が下がりやっと帰宅。でも体調は戻らない

【7月8日~10日(ホテル療養6~8日目)】

幸い、療養8日目からは解熱剤を飲まなくても37度前後で体温が落ち着くようになりました。夜になると、少し熱が上がることもありましたが、だいぶマシにはなりました。肺炎などの症状もみられず、10日間(うちホテル8日間)の療養を終えて無事帰宅しました。

しかし自宅に戻った後も、微熱や味覚異常は続きました。何を食べてもしょっぱくて、食事は一切喉を通りません。しばらくは倦怠感もあって、1日の半分ぐらいは寝て過ごしました。デスクワークをするのもつらく、仕事にも支障が出ました。

熱はほぼ平熱に戻っていましたが、度々体が火照って、倦怠感を感じました。やっと味覚が少しずつ戻ってきて、少量でも食事がまともに取れるようになったのは、発症から2週間後でした。

夫も、私と同じような経過をたどりました。私がホテル療養から帰宅した頃から、高熱が続き、寝たきりに。途中から味覚・嗅覚がなくなり、ほとんど食事を取れなくなりました。またこの頃はアルコール消毒の匂いに敏感になり、頭が割れるように痛くてつらかったそうです。日に日に症状が重くなり、やせていく夫を見るのは、とてもつらかったです。このまま悪化していったら、感染させてしまった自分を許せないと思いました。

自分も夫もそうですが、熱がいったん下がったように思えても、またぶり返すのがコロナの怖いところです。1日、1日と回復していくのではなく、回復したと思ったら、またドーンと突き落とされる。2週間程度のことなのですが、とても長く感じ、「このままよくならないのでは…?」と悲観的になっていき、希望が持ちにくかったです。

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大丈夫と思うとだるくなる。回復したかと思うと、そうでもない、と言う状況がコロナのもっともやっかいなところだと感じました(写真はイメージ)photo/iStock

コロナ発症から約3週間、ようやく夫婦で普通に食事ができるようになりました。でも、少し体が火照ったように感じると、再感染したのではないかと、まだヒヤリとします。食事が取れなかった数日間、便の色が黒や緑色になるなど、これまで見たことのない状態になったことも気持ちが悪かったです。コロナとの関連はわかりません。食欲が戻ると、便の色も通常に戻っていきました。

最近は、バスト付近とお腹周りがかゆく、湿疹のようなブツブツが出ています。現在もかゆみは続いています。コロナとの関連はわかりませんが、後遺症に悩む方も多いと聞いているので、しばらく様子を見ていこうと思います。

罹患して改めて感じた「侮れないコロナ」

新型コロナウイルスの発症から回復まで、一般知識として知ってはいたものの、発熱や味覚異常の症状は、想像以上に耐えがたいものでした。ただ、私たち夫婦はほぼ同じ時期に感染したため、互いに「生き延びよう」と励まし合うことができました。

自分一人だけが感染していたら、後悔やしんどさや恐怖を一人で抱え、孤独感でさらに落ち込んでしまったかもしれません。その点は、良かった。回復した今だから言えることかもしれません。

友人たちが励まし続けてくれたことも、大きな支えになりました。クライアントも「仕事はゆっくりでいい、締め切りも延ばしていいから、ゆっくり療養してほしい」と、言ってくれて、安心して過ごすことができました。

新型コロナ感染者となって改めて痛感するのは、「コロナは身近に存在する」ということ。感染拡大と緊急事態宣言などがなんども繰り返されると、人々のコロナに関する危機感は薄れてしまいがちです。でも、誰にでもかかるリスクがあり、自分がなって初めて、大事な人にうつしたかもしれない、後遺症が残るかもしれないという恐怖を味わうことになるのです。

感染してしまったら、焦らずにコロナと正しく向き合い、回復を待つしかありません。できるだけつらい思いをしないで済むように、薬や栄養剤などをうまく活用して、乗り切るといいと思います。自宅とホテル療養、どちらがいいかというと、可能なら自宅の方がストレスなく過ごせるかもしれません。

ホテル療養では、洗濯機がない(体調不良時に手洗いはつらい)、リネンを替えてもらえない、クーラーの調整がうまくいかない、アイスなどが食べられないなど、ちょっとした不便さがありストレスになりました。

今回、保健所や県の職員さんは、どんな小さなことでも相談すれば耳を傾けてくれる頼もしい存在でした。自宅療養だった夫の元には、県からレトルト食品、トイレットペーパー、ティッシュ、冷凍食品のおかずなどが定期的に届きました。毎日、県の担当者から連絡が入り体調確認もしてもらいました。孤独に戦う必要はありません。不安なことがあれば、遠慮せずに保健師さんや看護師さんに相談したり、頼ったりするのが得策と感じます。

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パルスオキシメーターの指標が重症化の目安に。これも神奈川県が一時的に配布(後で返却)してくれました 写真/及川夕子

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ホテル療養中、夫には神奈川県から自宅療養支援物資と、冷凍食品のおかずが数日おきに届きました。写真/及川夕子

ワクチン接種が進んでもなかなか減少しない感染者数。1年半の長丁場に、「まぁこんなものだろう」「感染してもたいしたことはない」といった緩みが生じていることも確かです。今回、不覚にもコロナ感染をし、改めて感染することの不便さ、恐怖を自ら知ることになり、「やはりコロナは侮れない」と感じました。今一度、コロナ感染の怖さを知っていただければ本望です。

医療ライターの新型コロナ感染の経緯を時系列でつづった
【前編】「気を付けていたのに、なぜ?」医療ライターが感染し実感したコロナの恐怖こちらから

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