北朝鮮、6カ月ぶりの弾道ミサイル発射 日本のEEZ内に落下か

北朝鮮、6カ月ぶりの弾道ミサイル発射 日本のEEZ内に落下か

  • 毎日新聞
  • 更新日:2021/09/15
No image

北朝鮮弾道ミサイルの落下イメージ

政府は15日、北朝鮮が同日午後0時32分、37分ごろ、中部平安南道(ピョンアンナムド)陽徳(ヤンドク)郡付近から日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射し、いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定されるとの分析結果を発表した。落下地点は日本海の石川県能登半島沖の舳倉(へぐら)島から北約300キロの海域とみられる。日本のEEZ内への北朝鮮のミサイル落下は2019年10月以来。

北朝鮮、繰り返すミサイル発射 見えない緊張緩和の糸口

北朝鮮は今月11、12両日に新型長距離巡航ミサイルの試験発射を実施したばかりで、弾道ミサイルの発射は今年3月25日以来、約6カ月ぶりとなる。

日本政府はミサイル発射直後、「ミサイルはEEZ内に落下しない」との見通しを公表したが、その直後に取り消した。15日夜に岸信夫防衛相が記者会見で「落下したのはEEZ内と推定される」と発表し事実上訂正した。岸氏によると、2発のミサイルは最高高度約50キロという低空の変則軌道で約750キロ飛行したとみられるという。

韓国の聯合ニュースは韓国政府消息筋の話として、今回発射されたミサイルが3月と同じ「KN23」の改良型で、下降を始めた後に突然急上昇する「プルアップ機動」が捕捉されたと報じた。3月のミサイルは高度約60キロで、約600キロ飛行していた。

11、12日に発射された巡航ミサイルとは違い、弾道ミサイルの発射は国連安全保障理事会の決議違反にあたる。弾道ミサイル発射を受け、韓国青瓦台(大統領府)は15日午後、徐薫(ソフン)国家安保室長主宰で緊急の国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開催。連続したミサイル発射に対し「深い憂慮」を表明し、米国など関係国と共に分析を進め、緊密に協力していくことを確認した。

一方、韓国国防省は15日、中部の忠清南道(チュンチョンナムド)泰安(テアン)にある国防科学研究所の実験場で、独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験に成功したと発表した。北朝鮮の弾道ミサイルに対抗する狙いがあり、韓国政府によると、実戦配備されれば、米国、ロシア、中国などに続いて世界で7カ国目となる。SLBMの発射実験は、文在寅(ムンジェイン)大統領も参観した。

韓国の実験に対し、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キムヨジョン)党副部長は15日夜、談話を発表。文大統領がSLBM発射に際し「北朝鮮の挑発に対する抑止力になる」などと述べたことに対し、「不適切な失言だ。愚蒙(ぐもう)極まりなく、非常に大きな遺憾の意を表する」と非難した。国営の朝鮮中央通信が報じた。

北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、菅義偉首相は15日、首相官邸で記者団に「約6カ月ぶりの弾道ミサイル発射は、我が国と地域の平和と安全を脅かすものであり、言語道断だ。国連安全保障理事会決議にも違反しており、強く非難する」と述べた。日本政府は中国・北京の外交ルートを通じ、北朝鮮に抗議した。政府はNSCを開催するなど、北朝鮮の状況やミサイルの分析を進める。

米インド太平洋軍は15日に発表した声明で、今回のミサイル発射について「米国の兵士や領土、同盟国にとって差し迫った脅威とはならないと評価した」としつつ、「北朝鮮の違法な兵器開発が地域の不安定化にもたらす影響を浮き彫りにした」と懸念を示した。

日米韓は14日に東京都内で開いた北朝鮮担当高官による協議で、対話と制裁を通じた北朝鮮非核化方針の堅持を再確認していた。【松浦吉剛、宮島寛、ソウル渋江千春】

毎日新聞

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加