良い議事録の書き方は?シーンごとのコツやフォーマットを紹介

良い議事録の書き方は?シーンごとのコツやフォーマットを紹介

  • ツギノジダイ
  • 更新日:2023/05/26
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良い議事録の書き方とシーンごとのコツ(デザイン:浦和ゆうすけ)

会議に参加して、議事録を書く担当者に初めてなった人もいるでしょう。会議は多くの社員や経営層が同じ時間に集まり、全員で意思決定をしていく重要な「場」です。本記事では、議事録を作成する目的や書き方のコツ、フォーマットについて、数多くの会議で議事録を担当してきた専門家が解説します。

議事録を作成する目的

まず、議事録を作成する目的について解説します。

会議を記録する

会議には社員や経営層など、多くのビジネスパーソンが参加します。会社の課題や方向性など、重要事項を議論する大変重要な「場」です。

議事録を作成すれば後から振り返ったときに、会議のなかで誰がどのような発言をしたのか、どのようなことを決定したのかを確認できます。筆者も発言者の思いや考え方をはかりながら議事録を読み返したことは数多くありました。このように議事録には、会議の内容を正確にわかりやすく記録しておくという機能があります。

社内チームへ共有する

会議には当日参加できなかった社員や関連部署に、共有しておくべき決定事項や情報が必ずあります。議事録は結論だけでなく、それぞれの意思決定が行われるまでに、どのような意見が出され、どのような議論が交わされたのかが、読み手によく伝わることが大切です。出席者だけでなく、出席できなかった人を含めて、皆で決定事項などを共有することが目的の1つです。

認識をすり合わせる

会議の結果を言葉という音声だけで共有しても十分ではなく、誤解が生じる可能性もあります。会議のなかで、その結論に至るまでの意見交換の中身がよくわかることが大切です。なぜなら、結論までの流れがわからないと、後から共有されたほうが「なぜこの結論になったのか」と疑問に感じてしまうからです。これでは組織として一丸となって動けません。議事録を作成することで認識のズレを防ぎ、皆の認識をすり合わせていくことも議事録の重要な機能です。

わかりやすい議事録の書き方 シーンごとのコツ

議事録は、後から誰が読んでも決定事項がすぐに確認でき、かつ出席者それぞれの発言内容や意図がよくわかることが求められます。そのような議事録を作成するためには会議前、会議中、会議後でのポイントを事前におさえておくことが大切です。それぞれ解説します。

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良い議事録の書き方とシーンごとのコツ(デザイン:浦和ゆうすけ)

会議前

会議を開催する目的を再度把握しておくことが大切です。「この課題に対する対処方法を決める」「今後の方向性を決める」「方策実行の可否を判断する」など、会議が開催される目的を確認しておきます。また、会議のアジェンダ(取り上げられる議題をまとめたもの)も、会議の全体像をつかむために考えておきましょう。これらをしておくことで、議事録のタイトルや見出しがより的確になります。

他にも、議事録の記載方法は、要点だけの箇条書きがよいのか、一人ひとりの発言内容を会話形式で記載していくほうがよいのかなど、会議の目的とあわせて適宜変えていかなければなりません。この意味でも、会議前の準備は非常に重要な作業になります。

会議中

筆者が議事録を担当していた頃は、ひたすら発言内容をパソコンで打ち込むという作業をしていました。今日ではボイスレコーダーを使用したり、Web会議ツールを導入したりする方法など、議事録の作成をサポートするツールを使うことも選択肢の1つです。

後から文字起こしをすることが必要な場合には、出席していなかった読み手にもわかりやすいように、5W2Hにもとづいて作成していくことが大切です。例えば、次のような項目で議事録を作成するとよいでしょう。

会議名称

会議参加者

会議場所

開催日時

会議目的や議題

参加者の発言内容

会議での決定事項

次回会議の日程

次回会議までの課題等

会議後

議事録作成はスピードも大変重要です。数週間も経過してから議事録が発行されても「いまさら遅い……」と思われてしまう可能性もあります。会議の終了後、なるべく早い時点で議事録を作成すれば、他の業務への影響も少なくなります。

筆者の場合、よく「会話形式」で議事録を作成していました。ボリュームは多くなりますが、会議参加者や参加できなかった人でも、わかりやすく会議の臨場感が伝わるからです。

自分で一度まとめた後は、会議参加者や上司に確認してもらうとよいでしょう。筆者にも経験がありますが、発言が抜け落ちていたり、書き方によって発言内容の意味が読み手に正確に伝わらないこともあったりするからです。メールなどで議事録を一斉送信する場合は、送信前の推敲も欠かせません。

フォーマットを使った議事録の書き方 各項目のポイント

ここでは、フォーマットを使った議事録の書き方と各項目のポイントを紹介します。

会議名

会議名称はシンプルで一目でわかるものがベストです。会議開催の目的を十分意識して、つけるとよいでしょう。時間が経過してから議事録を検索することもよくあるものです。そんなときでも、すぐに名称が頭に浮かんでくるようなわかりやすい名称がおすすめです。

参加者

参加者は自社会議であれば、ポジションの高い社員から記載します。

社外の取引先の人が参加する会議の場合は、取引先企業の部署の序列順にポジションが高い人から記載します。特に、取引先企業の出席者の氏名や役職名は正確であることが必須です。必ず名刺で確認し、フルネームで漢字も正確に記載するようにします。

本日の議題

議題を記載する際には、話し合われた順に箇条書きで記載します。箇条書きでわかりにくい場合には、必要に応じて補足文章を記載します。

前回確認事項および進捗状況

前回の会議開催日から日数が経ってしまったような場合は、簡単に前回会議の決定事項などを記載しておくと、出席者が振り返りできるためスムーズに議論に入れるでしょう。

議論内容(議論A・Bについて)

議論内容は、企業ごとに書き方が異なります。議論のエッセンスのみを箇条書きで記載したり、発言者の一語一句まで会話形式で記載したりすることもあります。初めて議事録を作成するような場合には、事前に過去の会議議事録をいくつか読んでみるとイメージがつかめます。

本日の会議まとめ・決定事項

会議で決定された内容を正確に記載しておくことは大変重要です。これが議事録の目的でもあるからです。

筆者にも経験がありますが、文章のニュアンスで読み手に決定内容の意味を正確に伝えられない場合が出てしまうことがあるので注意してください。たとえ同じ文章を読んでも、自分の都合がよいように解釈してしまいがちだからです。

したがって、決定事項はできるだけ具体的、かつ正確に記載することが求められます。特に、社外の取引先企業が出席している会議では、取引先企業の立場からみて結論を誤認識しないように、留意して記載していくことが大切です。

議事録の作成をサポートするおすすめツール

議事録関連ツールは、議事録の作成をサポートするものから議事録を自動作成するものまであります。ここでは、おすすめツールを3つご紹介します。

ただ、こうしたツールを使うと議事録の作成が楽にはなりますが、注意も必要です。特に自動作成ツールを使って議事録を作成すると、上司に確認されたときに、作成者側に議論の論点や内容がよく認識できていないという状況が起きてしまう可能性があります。

そのため、議事録の作成をサポートするツールを使う前に、自分自身で実際に議事録を作成してみることが大切だと筆者は考えています。ツールに頼らないことで、当事者意識が醸成されるだけでなく、実際に文章作成能力も各段に向上するからです。

このことを踏まえたうえで、以下で紹介するツールの情報を参考にしながら、自社に適したものを導入していただけたら幸いです。

スマート書記

会議中に録音しながら同時編集が可能なエディタを利用し、複数人でメモを取ることができます。会議後には録音した音声からAI音声認識を用いて、精度の高い文字起こしが実行できます。

Notta

リアルタイムで高精度な文字起こしができるだけでなく、議事録はチームメンバーに自動的に同期させることができます。ワークスペースに参加した人は、すべての文字起こしデータや議事録を作成、分類、表示、修正できます。

toruno

手軽に使えることをコンセプトにしており、オンライン会議やオンラインセミナーの内容をさまざまな形式で記録できます。オンライン会議時のノートやエディタの代わりとして、日常的な会議の内容の振り返り、議事録の作成などができます。

議事録は課題解決の進捗を管理する資料として機能させよう

議事録とは、会議の内容が的確にまとめられている資料です。全社的な課題解決のための進捗状況が反映されている重要な資料とも言えるでしょう。会議出席者のみならず、全社員が会社の現状と今後の方向性を知ることができます。

議事録作成の担当者には、いわば全社的な課題解決のセンター事務局に任命されたことと同じ役割があります。この機会を自分自身の大きな成長のチャンスと認識し、周りから頼りにされるような議事録の作成にぜひ取組んでください。

鈴木誠一郎

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