
公開されるや否や世界中で注目を集めた「ChatGPT」ですが、その活躍分野は単に文章を作成したり、経理や法務で使用したりするだけではなく、科学の分野においても大きな役割を担うことが期待されているようです。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、イギリスの経済誌『エコノミスト』が掲載した人工知能(AI)の科学の進歩に関する記事を紹介。もしかすると近い将来、AIがノーベル賞を受賞する可能性があるのではないかという仮説を立てています。
人工知能がノーベル賞を取る日
ChatGPTの使い方に関する書籍が毎日のように出版されています。レポート作成、文書まとめ、広告、経理、法務などで活用方法が満載です。
そんな中、英誌エコノミストに人工知能AIの科学の進歩に関する本質的な記事があったのでご紹介します。
2023年9月14日「人工知能はいかに科学に革命をもたらすか」からです。
人工知能AIの科学への貢献について特に2つの分野が有望視されている。
1つは「文献ベースの発見」である。
ChatGPTスタイルの言語解析を用いて既存の科学文献を分析し、人間が見逃しているかもしれない新しい仮説や関連性、アイデアを探すものだ。
文献ベースの発見システムはある分野の「盲点」を特定し、将来の発見とその発見者を予測することもできる。
解説
この文章の意味するところは強大です。
科学論文をChatGPT等に読み込ませて、今まで人間が見つけられなかった関連性の仮設を立てさせるというのです。
私の知り合いで専門分野の論文を読むのが趣味という人がいます。しかし、論文は世界中から毎日のようにでてきます。過去の論文も膨大です。すべて読むことはできません。
しかしAIであれば、それを一瞬に読んでいくつかの関連性を見つけて、その原理の仮説をたてる論文を書くことができるかもしれません。
その仮説原理が後に実証されれば、AIの書いた論文がノーベル賞を受賞するかもしれません。少なくとも受賞レベルであったと認められることは十分にありえます。
さらに記事は続きます。
2つ目の分野は、「自動運転ラボ」とも呼ばれるロボット科学者だ。
これは、システム生物学や材料科学などの分野で、AIを使って既存のデータや文献の分析に基づいて新たな仮説を立て、何百、何千もの実験を行ってその仮説を検証するロボットシステムである。
人間の科学者とは異なり、ロボットは過去の結果にあまり執着せず、バイアスに振り回されることもない。
実験研究の規模を拡大し人間の研究者が考えもしなかったような道を探ることができる。
解説
AIは大量の仮説を生み出すかもしれません。
たとえば、バイオ関係でそのような実験を手作業で検証していたら時間が膨大にかかります。それを、AIを活用した自動運転ラボでする、というのです。
ここには日本の工作機械やすり合わせ技術が役に立つ可能性が大です。タンパク質の合成に特化した自動実験室など、さまざまな分野が考えられます。
自動運転ラボは日本企業や政府が真剣に検討してよい分野でしょう。
PS
このような記事、短くても意味するところは非常に深く、さすがエコノミストと感心した次第です。
https://www.economist.com/leaders/2023/09/14/how-artificial-intelligence-can-revolutionise-science
(この記事はメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』9月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録ください)
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