タレント片桐仁さん「涙出そう」造形作家と “縄文の祭典” 開催 新作「慈音偶(ジオング)」燃え上がる炎の中から誕生「縄文、本当にやった方がいい」【岡山】

タレント片桐仁さん「涙出そう」造形作家と “縄文の祭典” 開催 新作「慈音偶(ジオング)」燃え上がる炎の中から誕生「縄文、本当にやった方がいい」【岡山】

  • RSK山陽放送
  • 更新日:2023/11/21

10月、新見市で縄文土器を焼き上げるイベント「縄文の祭典」が開催されました。全国から約100人が集まり、炎と踊りなかで行われた今回のイベント。

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企画したのは、縄文時代を愛してやまないという、お笑いタレント(元・ラーメンズ)で俳優の片桐仁さんです。

片桐仁さん「野焼きで縄文土器を焼くのが長年の夢。涙が出た」

炎の中で縄文土器が、完成の時を待っています。燃えさかる炎に木をくべるのは、タレントで俳優でもある片桐仁さんです。

野焼きで縄文土器を焼き上げることが、長年の夢だったと言います。

(タレント・俳優 片桐仁さん)
「感動しましたね。これを、我々の祖先である縄文人たちが何千年も続けていたと思うと、『命に対する感謝の気持ち』みたいな、そういうものを体感するというか。本当に涙が出ましたね」

猪風来さんと片桐仁さん「縄文に惹かれる2人」は10年前に出会った

新見市の猪風来(いふうらい)美術館。

縄文土器を研究し、独自の縄文アートを制作する芸術家・猪風来さんの作品などが所蔵されています。

実は片桐さんも、【画像⑧】にある「カエン・ド・ジョーモン」といった、縄文をモチーフにしたユニークな作品を発表する造形作家の顔を持っています。

2人は約10年前、青森で開かれた美術展にそれぞれの作品を出品し、すぐに意気投合したといいます。

(タレント・俳優 片桐仁さん)
「『猪風来美術館でやっている、野焼きはすごいから行ったほうがいいよ』といろんな方に言われていて、せっかく行くんだったらいろんな人を巻き込んでね」

片桐仁さんの新作 “慈音偶”「怒られるかなと思ったけど、全然OKって」

当時まだ窯はなく、縄文の人々は大地の上で直接、土器を焼き上げました。

長年、猪風来さんが取り組む縄文野焼きに憧れていた片桐さんは今回、その魅力を全国に発信しようと「縄文の祭典」を企画。

(タレント・俳優 片桐仁さん)
「精神性みたいなのはありきだけど、『造形物が半端ない』という」

「縄文土器を全て解析して取り入れて、アートにして縄文の中からどんどん飛び出している人なので、あの実物をみなさんに見てもらえるだけでも、すごいことだと思いますね。あんな人いないですから」

片桐さんは、旅行会社と縄文土器を制作するワークショップツアーを計画。今年8月、約20人の一般客らと猪風来美術館を訪れました。

(片桐仁さん)
「縄文の人は、どういう段取りでどういう思いで作っていたのかということを、マンツーマンに近い形で教えていただいて…」

片桐さん、当初は、重要文化財の土偶を再現するつもりでしたが、遊び心がうずきました。

(片桐仁さん)
「途中からネタっぽくしたくなって、角を付けて目を開けて…」

アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツ(ロボット)。「ジオング」と「土偶」を融合させた力作、その名も「慈音偶」です。

(片桐仁さん)
「猪風来先生に怒られるかなと思ったんですけど、全然OKだった…」

猪風来さん「片桐さんの作品には縄文愛を感じる」

こうしてできた約60点の作品を今回の「縄文の祭典」で焼き上げることになりました。

猪風来さんも、イベントに合わせ3年ぶりの新作「長縄手のうた」を制作。6つの突起が特徴で、備前市で出土した長縄手土器にインスピレーションを受けました。

(縄文造形家 猪風来さん)
「6人の精霊たちが、輪になって歌っている。草や木や虫たち、あるいは鳥たち季節ごとに歌を歌いますね。これらと共振できる作品を作りたいと」

片桐さんの作品「超カニ喰う土偶」とは

縄文の祭典を記念し、美術館では2人のこれまでの作品を並べた企画展も開催されました。猪風来さん。片桐さんの作品からは、縄文への愛を感じるといいます。

(縄文造形家 猪風来さん)
「『超カニ喰う土偶』ですね(【画像㉒㉓㉔】参照)。カニを食べるための道具なんですが、彼にかかるとたちどころに土偶になってしまう」

「『日常の中に縄文を拡げていこう』という縄文愛を感じますね」

「縄文の祭典」ガーナ人も感動!

当時と同じ空気感のなかで作品を焼き上げたい。片桐さんの願いが結実し、盛大な催しとなった「縄文の祭典」。

当日は見学ツアーも行われ、全国から約100人が集まりました。

(ツアー客のガーナ人)
「ガーナでも、焚火の周りで踊る似たような祭りがある。日本で見ることができるのは嬉しい」

「縄文人は自然のサイクルの一部」トップダンサーも共鳴

祭りの熱気をさらに高める、情熱的なダンス。演出を務めたのは、国内外で活躍するトップダンサーで振付家の宮原由紀夫さんです。

(ダンサー・振付家 宮原由紀夫さん)
「万物が争わずに、いきいきと暮らせることを願って作りました」

宮原さんも縄文に魅了され、3年前から美術館に通いつめているといいます。

(ダンサー・振付家 宮原由紀夫さん)
「自然のサイクルのなかの一部としての、人間という認識が縄文人にあったんじゃないか、ということを土器づくりの中でなんとなく思っていて、そう考えたら自分が楽になって…」

そして炎の中から作品が...片桐さん「猪風来さんが元気なうちにやった方がいい」

「うお~」

慌ただしい現代社会のなかで、いつの間にか人々が忘れてしまった「自然の一部」という感覚。燃えさかる炎と大地にとどろくリズムの中で、ついに作品が焼きあがりました。

(大阪からの参加者)
「本当に土偶が生まれる瞬間を見たなという気がしました。ビックリしました」

(東京からの参加者)
「初めて見たので、感動的でしたね」

片桐仁さんも、興奮を押さえることができません。

(俳優・造形作家 片桐仁さん)
「出てきた時に『霊的なもの』をまとって出てきた感じというか。まあまあふざけて作った部分もあるのにその辺が面白かったですね」

「本当にやったほうがいいです。全国で。猪風来先生が元気なうちに」

(縄文造形家 猪風来さん)
「今までの野焼きイベントで、最高のものになったんじゃないかなと思います」

新見の地に多くの人が集い、盛大に開催された「縄文の祭典」。はるか昔、我々の祖先も、こんな風に縄文土器を作ったのかもしれません。

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