松たか子と元夫3人の物語は「言葉のゲーム」の連続 元夫たちの新しい恋にからむ女優陣も見逃せない

松たか子と元夫3人の物語は「言葉のゲーム」の連続 元夫たちの新しい恋にからむ女優陣も見逃せない

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  • 更新日:2021/05/02
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(fizkes/gettyimages)

「大豆田とわ子と三人の元夫」(関西テレビ制作・フジテレビ系、毎週火曜よる9時)は、松たか子が演じる、住宅建設会社の社長をめぐって、3人の元夫たちが丁々発止と「言葉のゲーム」を繰り広げる、ユニークなドラマである。

脚本の坂元裕二は、過去にも「Mother」(2010年)、「anone」(2018年)のドラマのほか、映画でも「世界の中心で愛をさけぶ」(2004年)、「花束みたいな恋をした」(2021年)など、ドラマと映画の新たな領域を開拓してきた。

今回のドラマもまた、大豆田とわ子(松たか子)の元夫3人とのそれぞれの会話、元夫同士の会話、また、元夫たちに現れる新たな恋人の可能性を秘めた女性たち……。「言葉のゲーム」を楽しんでいるうちに、大豆田とわ子がピリオドを打つようにして登場して、あっという間に毎回「カット」である。

ドラマの語り手は、伊藤沙莉(いとう・さいり)である。ドラマは展開、というかどんでん返しの連続である。しかも、毎回ドラマの冒頭に、その回の見どころともいえるサマリーを語ってみせる。

第3回「全俺が泣いた~器の小さな男の恋」は、とわ子(松)の二番目の夫である、ファッションカメラマンの佐藤鹿太郎(かたろう・角田晃広)の物語である。ちなみに、一番目は、脱サラして友人のレストランを手伝っている田中八作(松田龍平)、三番目が弁護士の中村慎森(しんしん・岡田将生)である。

建築士だった、とわ子は経営者が体調を悪くしたために、後継者に指名されて社長になった。3人の元夫との出会いは、社長になる前のことである。

元夫3人との出会いと恋、そして結婚はすべて美しい物語である。そして、3人の元夫は今もとわ子を思い続けている。約束しているわけではないのだが、最初の夫が手伝っているレストランに、とわ子と3人の元夫はよく出会っている。

三番目の夫である、佐藤鹿太郎(角田)はもともとスキャンダルを追う、週刊誌のカメラマンだった。タレントの出入りするダンス教室に申し込んで、張り込みを続けるときに、とわ子に出会った。佐藤は自分の職業をファッションカメラマンと嘘をついた。ダンス教室にも真面目に通うようになって、社交ダンスの腕も上げた。そんなときに、とわ子から大会にふたりで出てみないか、と誘われる。大会は台風のために中止になったが、練習場でふたりで踊ったあとに、佐藤はとわ子にプロポーズする。

「あなたを持ち上げることはできませんが、支えることはできます。そして、ひとつだけ嘘をついていました。ファッションカメラマンではないのです」

とわ子はプロポーズを受けて、こういうのだった。

「わたしもひとつ秘密を隠していました。わたし一度結婚して、離婚しているんです」

佐藤は、とわ子との結婚を機会にして、本当にファッションカメラマンを目指して、とうとう夢を実現した。

社長として悩むとわ子の前には

とわ子はいま、社長として経営に取り組みながら、さまざまな社内の要求から孤立しかねない状況に陥っていた。建築士の若手が大学図書館の素晴らしい設計図を完成させた。しかし、コスト面では経営を圧迫するのはみえていた。とわ子なりに、若手の設計図を書き換えた。設計の責任者は「さすがです」とほめたが、最初の設計を手掛けた若手は、辞表を出した。

「あっそうか、って感じ。人に期待していないんで」と、とわ子に言い放った若手は、以前から請われていた、シンガポールに仕事の場を移すことになった。

二番目の夫である、ファッションカメラマンの佐藤はたまたまレストランで、とわ子の会社を辞めた若手建築士が仲間と話しているのを聞いた。その若手はこんな風に語っていた。

「あの社長(とわ子)は好きだけど。(とわ子は)嫌われても平気だから、嫌われ役を引き受けたんだと思う。自分も建築家なのに、嫌われ役をやっているんでしょ。また、仕事をしたいと思っている」と。

佐藤は、抱えきれないような花束を持って、夜のとわ子のオフィスを訪ねた。とわ子はまだいた。

佐藤  社長業はきつい?

とわ子 きつくはないけど。

佐藤  器を小さくすればいいんだよ。やってられないって、ときどきあるよ。

がまんすることはないよ。ぐちや泣き言をこぼしていこうよ。

やってられないでしょ。

そして、佐藤は「ご一緒にいかがですか?」と手を差し出す。

ふたりがオフィスで踊るシーンは美しい。映像は、過去の社交ダンスの衣装に切り替わって。

舞台は、一番目の夫の田中八作(松田龍平)のレストランに移る。ときどき、ひとりでふらっとやってくる、三ツ屋早良(みつや・さら、石橋静河)は実は、田中(松田)の親友の恋人だった女性である。親友は最近、早良から連絡がないことに不安を抱いている。「誰かほかに好きな男ができたんじゃないか」と。

三番目の弁護士の中村慎森(岡田将生)にも、パワハラで失業して、住む家がなくなった小谷翼(石橋菜津美)が相談に訪れるが、どうも嘘をついている。

元三人の夫たちの恋模様も見逃せない。

田部康喜

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