サイボウズ「kintone」から見る、ノーコード/ローコードの魅力

サイボウズ「kintone」から見る、ノーコード/ローコードの魅力

  • マイナビニュース
  • 更新日:2020/10/16
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サイボウズは10月15日、「ローコード開発だから、できる! kintoneによる『現場改善』~kintoneビジネスプロダクトマネージャーが語る、サイボウズとSIerの未来」と題したオンラインメディアセミナーを開催した。

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とにかく現場にこだわる「kintone」

同社の業務アプリ開発プラットフォーム「kintone」は2011年11月にリリースされたクラウドサービス。現在、1万6500社で利用されており、「3分でできる業務システム」としてローコード/ノーコードを提供し、直近では大阪府が新型コロナウイルスの対応状況管理システムとして採用されている。

そもそもローコードは従来の手書きによるプログラミングに代わり、GUIと設定を通じてアプリケーションソフトウェアを作成するために使用される開発環境を提供するものであり、最小限のソースコードでソフトウェア開発を高速化するためのITツールだ。

ローコードは大きく分けて開発者向けと現場向けの2種類があり開発者向けは、開発者のコーディング量を減らすことや高度なコーディング知識・経験が不要になることで、効率的なアプリケーション開発ができ、質の高いシステムが構築されるが、現場の多様な業務理解に時間を割く必要がある。

一方、現場向けは開発知識なくても業務に必要なアプリケーション開発を可能とし、業務実態を理解している現場が業務に沿った最適なアプリケーションをできるものの、独自アプリケーションが構築されるなど、質の低いシステムが生まれてしまう恐れがある。

kintoneは2011年のサービス開始当初はノーコード、2012年にはローコードを加え、導入担当者は総務や営業など非IT部門が82%を占めている。

サイボウズ 事業戦略室 kintoneビジネスプロダクトマネージャーの相馬理人氏は「kintoneは現場の人が主体の業務改善を支援するツールであり、とにかく現場にこだわっている。チーム・部門領域のシンプルかつ数が多いシステムを1つのプラットフォームで、現場が多様な業務アプリをいくつでも作れるツールとして提供している」と話す。

しかし、ノーコードだけでは拡張性に乏しく、現場でカオス化するほか、ローコードだけではコーディングが必要になる部分もあるため、開発者と利用者が乖離してしまうと言う問題もある。

その点、kintoneはノーコードの容易性とローコードの柔軟性・拡張性という両方の利点を活かすために、直感的なUI/UXに加え、ノーコードとローコード間の分断を生まないためのプラグイン群を備えていることから、IT以外の現場の非開発者をメインターゲットに据えている。

現場にフォーカスすることで見えるkintoneの価値

このようにkintoneは現場向けのツールではあるが、どのような課題が解決できるのかは気になるところだ。この点について相馬氏は「ビジネス・環境変化、IT人材不足、SaaSの乱立という課題を解決できる」と力を込める。

ビジネス・環境変化については、ビジネスの変化にシステムも柔軟・迅速に対応する必要があるほか、IT人材不足に対しては現場が作り、IT部門が支援する関係性が望ましく、SaaSの乱立に関しては単一のプラットフォームでシステム管理の負荷軽減とシャドーIT対策を講じる必要があるという。

これらの課題に対して、kintoneは「現場」「情シス」「SIer」の各視点のメリットを持つ。現場では既存の業務フローやExcelを再構築でき、勘所の良い現場のプロであれば自分で作成も可能なことに加え、要望の反映が短時間で対面により確認できることから、要望とのミスマッチが起こりにくくなっている。

また、情シスでは多様な業務アプリを1つのプラットフォームで管理でき、IT部門が本腰を入れて設計すべきシステムとの線引きを容易としている。

そして、SIerは対面開発で顧客の目の前で確認でき、満足度の高いシステムが作成しやすく、kintone自体が継続的な改善を前提としているためSIerの継続的な案件創出につながるほか、汎用的な要件をプラグインとして販売するビジネス展開も可能としている。

同氏は「kintoneはスクラッチ開発と比較して拡張性・改善性は優れているが、完全要望に一致することは難しく、100点満点でなくても70~80点のシステムを常に改善しつつ、使い続けていくことが基本となる。常に改善していくにはSIerが重要な存在となる。“現場のプロ”は“システムのプロ”ではなく、その点SIerはシステムのプロであり、アプリ開発の良き支援者となってくれるためローコードツールに最適な伴走者だと言える」と説明する。

kintoneの今後のアップデート方針としては「プラットフォームとして導入し『作りたいときに作る。変えたいときに変える』」を実現する製品開発に取り組むという。一例として製品の導入・理解・利用定着の妨げを取り除き、導入者の負担軽減や、定番シナリオにフォーカスすることで基本性能の使いやすさ・魅力向上、エコシステム拡大のためのDX改善、プラットフォーム利用のための管理機能の向上などを進めていく方針だ。

最後に、相馬氏は「既存のSIにとどまらず、サブスクリプション型のSIやSIerではなかったプレイヤーの参加も増え、新しい形のSIが生まれている」と述べていた。

岩井 健太

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