「うつぶせ寝は園長の指示、救命措置行わず」乳幼児死亡 緑のすず乃保育園『改善期待できず』行政処分

「うつぶせ寝は園長の指示、救命措置行わず」乳幼児死亡 緑のすず乃保育園『改善期待できず』行政処分

  • 沖縄RBCニュース
  • 更新日:2022/11/30

ことしの7月に那覇市内の認可外保育施設『緑のすず乃保育園』でうつぶせで寝かされていた、生後3か月の乳児が心肺停止の状態となりその後、死亡した問題。
当時、息子を迎えにいった保護者は園長から「横向きにしていたのでちょっと冷たいんですけど」と言われながら渡されたといいます。

こうした中、那覇市は乳児が死亡した保育園に10月11日に立ち入り調査を実施し、結果を公表しました。

それによりますと園は当時、『乳幼児突然死症候群』の予防として、乳児の顔色や呼吸、あおむけに寝ているかなどを定期的に確認しておらず、また乳児は死亡した当時、園長からの指示でうつ伏せの状態で寝かされていたということが分かっていて、突然死に繋がった可能性があります。

『乳幼児突然死症候群』とはそれまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく、眠っている間に突然死亡してしまう病気で、生後2か月から6か月に多いとされています。
日本での発症頻度はおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、2018年には全国で60人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第4位となっていてます。
絶対的な対策はないとされていますが、あおむけで寝かせることや、できるだけ母乳で育てる事、たばこを避ける事で発生率がある程度抑えられるという研究結果が出ています。

他の園の関係者に話を聞くと、保育園では『乳幼児突然死症候群(SIDS)』が発生する可能性を説明を行い、納得してもらった上で入園の手続きを行っているとしています。
0歳児の特に月齢の低い乳幼児の場合、園内で過ごす時間の大半を寝て過ごすことが多く、体調の変化にも気づきにくいといいます。だからこそ保育士のミスが園児の死に繋がる可能性があり、最も気を使わないといけない部分だと話します。

他の保育園の園長
「乳幼児突然死症候群による死亡は突然死のため、どれだけ気をつけながら保育をしていても起きうることではあります。しかし私たち保育者のミスで命を落とすことは絶対に許されないこと。保育士の業務は多岐に渡り、忙しいのも確かだが、乳幼児の命を扱う難しさを決して忘れずに子どもたちと向き合ってはいけない」

行政からの指導方針として保育園では乳幼児突然死症候群を予防するために、赤ちゃんをうつ伏せにしないことや、睡眠中に0歳児までなら5分に1回、1~2歳児になれば10分に1回ほどのタイミングで様子を確認することが望ましいとされています。

那覇市は去年にも緑のすず乃保育園への立ち入り調査を実施していて、その際にもこの『乳幼児突然死症候群』の対策不足を確認していて、12項目で改善を求めていました。

市によると、園は令和3年の立ち入り調査で乳幼児突然死症候群への対策が不十分であるなどとして、緑のすず乃保育園の全職員が予防法などを学ぶ研修を受けていました。
ことし3月には園長が研修について「うつ伏せ寝にすることによって乳幼児突然死症候群のリスクが高まることを勉強しました」といった内容の報告書を市に提出していたということですが、当時、園長は乳児をうつ伏せの状態で寝かせるよう職員に指示を出していたということです。

市の聞き取り調査に対して園長は「人手が足りなくて、安全対策についての認識が薄れていった」と話しています。

園の設置者は8月に施設廃止の届け出をしていて、すでに廃園となっていますが、11月14日に開かれた有識者による審議会で「施設閉鎖命令」を出す方針を固めました。
なぜ廃園となったあとから、「施設閉鎖命令」が必要だったのでしょうか。
「施設閉鎖命令」という処分が出て、行政に記録されることで、園の設置者(今回の場合は園長)が新たに保育施設を開設した場合、他の自治体でも認識できるようになります。

【写真を見る】「うつぶせ寝は園長の指示、救命措置行わず」乳幼児死亡 緑のすず乃保育園『改善期待できず』行政処分

「施設閉鎖命令」が出されると、施設の設置者(今回の場合は園長)に関する情報や、名称、所在地、設置者及び管理者名、処分の内容等などの基本的な情報に加え、処分の要件に該当すると判断するに至った事などが行政に記録されます。さらに他の都道府県に対して公表されることになり、別の自治体で新たに施設を設置する際にもチェックを入れやすくなります。

那覇市は当初、期限や条件付きの『事業停止命令』も検討していましたが、これまでに緑のすず乃保育園は指導を受けていたにもかかわらず、乳幼児突然死症候群への対応について今後も改善が期待できないとして、期限の無い「施設閉鎖命令」が市のこども政策審議会に提案され、11月25日に『閉鎖命令』が下されました。

処分の理由について那覇市は乳幼児突然死症候群の予防について適切な対応を行うと報告していたにも関わらず、改善がなかったこと。乳児にミルクを与えや際にゲップをさせていない、救急対応が必要な児童の異変に救急要請や救命措置を行わないことなどが挙げられています。今後も改善は期待できなく、施設の継続が児童の福祉を著しく害する蓋然性があると判断したとしています。

市は医師や関係団体などによる検証委員会を設置し、再発防止策を取りまとめた報告書を作成するとしています。

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