ビットコインを買い始めた政治家たち。仮想通貨ブーム再燃も前回とは参加者が異なるワケ=高島康司

ビットコインを買い始めた政治家たち。仮想通貨ブーム再燃も前回とは参加者が異なるワケ=高島康司

  • マネーボイス
  • 更新日:2021/11/25
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ビットコインブームの再燃が見られるが、個人投資家による熱狂のようなかつてのブームではない。もちろん個人投資家も盛り上がっているが、ブームを支えているのは、機関投資家やエルサルバドルのような政府、政治家、そして自治体の市長レベルの人々だ。(『ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン』高島康司)

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ビットコイン20%下落も、明確な理由ナシ?

ビットコインを中心とした暗号資産の直近の動きについて解説したい。

先週の一番目立った動きは、ビットコイン相場の下落であった。11月19日、10月半ばにつけた最高値の770万円台から約20%下落し、640万円台になった。現在は値を少し戻し、660万円前後で推移している。

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出典:TradingViewのBTC/JPYチャート 日足

この下落の原因は、はっきりしていない。相場にネガティブに働く大きな出来事があったわけではない。

そうではなく、ビットコインの相場が史上最高値を付けたので、投資家による利益確定の売りが加速したのではないかと見られている。要するに、通常の価格調整局面に入ったということだ。

また、下落をさらに後押しした要因として、2014年に破綻した日本の取引所「マウントゴックス」が被害者に弁済した暗号通貨が一斉に売られるのではないかという懸念もあったのかもしれない。

しかし、いずれにせよ、ビットコインを中心とした暗号通貨の相場の大きな下げの原因となった決定的な出来事はなかった。

やはり、通常の相場の調整局面に入ったからだというのが、もっとも合理的な説明だろう。

今後も強気継続?後押しするエルサルバドル「ビットコイン・シティ」構想

一方、相場の調整局面にあっても、ビットコインの今後の強気の相場展開を予感させるニュースは多い。その1つとして注目されているのが、エルサルバドルのビットコインシティに関するニュースだ。

周知のようにエルサルバドルは、ビットコインを法定通貨にした最初の国である。当初、ビットコインのような相場が乱高下する通貨を法定通貨にするリスクが叫ばれたものの、実際に導入して見ると、想像以上のプラスの効果が大きかった。かねてからのビットコインの上昇もあって、エルサルバドル政府の財政は相当に潤ったのだ。

エルサルバドルのこの経験が周辺諸国に大きな影響を与え、今後はパナマなど複数の国々がビットコインの法定通貨化に踏み切る可能性がある。

そのようなエルサルバドルだが、11月19日にエルサルバドルで開催された「Bitcoin Week」で講演したナイブ・ブケレ大統領は、ビットコインをベースにした都市全体を開発する予定があることを発表した。

これは「ビットコイン・シティ」と呼ばれる地域で、フォンセカ湾沿いの火山近郊に建設される予定だ。同大統領によると、政府は火山の近くに発電所を建設し、都市とビットコイン採掘の両方に電力を供給することを目指すという。

ブケレ大統領によると、「ビットコイン・シティ」は、住宅や商業施設、レストラン、空港、港、鉄道などを備えた本格的な都市になるという。都市はコインのように円形に配置され、中心部の広場には巨大なビットコインの看板が設置される。この都市では、所得税、不動産税、キャピタルゲインなどの税金はかからない。

ビットコイン法定通貨化に追従する国も

また、ブケレ大統領によると、エルサルバドルは、「Blockstream社」が開発したトークン化された金融商品である10億ドル相当の「ビットコイン・ボンド」を発行することを目指しているとも。このうち5億ドルはエネルギーとビットコイン採掘インフラの構築を支援するために使われ、残りの5億ドルはビットコインを追加購入のために使われるという。

また「Blockstream社」のプレスリリースによると、エルサルバドルは証券法を成立させ、「Bitfinex Securities社」にこの募集を行うためのライセンスを与える予定だという。

エルサルバドルがこれから開発する「ビットコイン・シティ」は、ビットコイン興隆の象徴的な場所になるだけでではなく、マイニングやブロックチェーンに関連したIT産業の世界的な中心地になることを目指したものだろう。

これは、エルサルバドルのような小国が経済的に成長するためのモデルとなる可能性もある。このモデルが成功すると、他の国々に大きな影響を与えると思われる。もちろん、ビットコインの相場にとっても追い風となるニュースだ。

また、エルサルバドル政府が発行を計画している「ビットコイン・ボンド」も注目だ。どうもこれはビットコイン建てのエルサルバドルの国債のようだが、詳細はまだ分からない。分かり次第このメルマガで詳しく伝える。

投資会社の強気発言

そうしたなか、著名な投資会社のCEOによるビットコインの強気の相場予測も続いている。

暗号通貨の世界ではよく知られた投資会社に「Ark Investment」という会社があるが、そのキャシー・ウッドCEOが自身の相場予測を発表したのだ。ウッドによると、今後5年でビットコインは50万ドル(約5,700万円)になるだろうと予測した。5年後というと2026年だ。

その理由は、ビットコインがデジタルゴールドとして認識されるようになっており、その結果、機関投資家の資金がビットコインの市場に大量に流れ込むからだという。すでに機関投資家がビットコインに投じた額は560億ドルに達しているが、これでも彼らの投資額ではわずかな割合だ。

ウッドによると、もし機関投資家がポートフォリオの5%をビットコインに投資するだけで、ビットコインの相場は50万ドルに到達するとしている。ウッドはこれから5年で機関投資家のポートフォリオの移動が起こると見ている。

ブロックチェーンに記録されるトランスアクションのデータはオープンであり、誰でもアクセス可能だ。ウッドの強気の予測の根拠は、ブロックチェーンに記録された機関投資家の取引のデータにある。

それから判断して機関投資家は投資額はまだ少なく、今後増大すると判断したようだ。

米国で活躍する5人のビットコイン市長

このような強気相場の予測の背景には、いまも続くビットコインのブームがある。

しかし今回のブームは個人投資家の間の熱狂のようなかつてのブームではない。もちろん個人投資家も盛り上がっているが、ブームを支えているのは、機関投資家やエルサルバドルのような政府、政治家、そして自治体の市長レベルの人々だ。

特にいまアメリカでは、マイニングやブロックチェーンを市の成長産業として誘致する動きが加速している。そうした自治体の市長が注目されている。次の5人の市長だ。

<1人目:ニューヨーク市長 エリック・アダムス >

ニューヨーク市の新市長に選出さエリック・アダムスは、最初の3回分の給料をビットコインで受け取ることを公約している。このアダムス市長の動きは、マイアミ市長が次の給料をすべてビットコインで受け取る計画を明らかにしたことを受けたものだ。

アダムス市長はさらに、「ニューヨーク市は暗号通貨産業やその他の急成長している革新的な産業の中心地になるだろう 」とツイートしている。また市長は、「ブルームバーグ」のインタビューで、「ニューヨーク市におけるビットコインと暗号通貨の成長を妨げているものに目を向ける」と述べ、暗号通貨の理想的な投資環境を整備するとした。

さらにアダムス市長は、学校のカリキュラムに暗号通貨やブロックチェーン技術を加えることを提案している。

<2人目:マイアミ市長 フランシス・スアレス>

2017年からマイアミ市長を務め、今度再選されたスアレスは、次の給料を100%ビットコインで受け取るとツイートで主張した。

マイアミが米国の暗号資産の首都になる計画の一環として、スアレス市長は、市民にデジタルウォレットを発行し、これを通して市民にビットコインを配る計画があると述べた。

一部の報道では、アメリカの法律では特定の州が暗号資産を保有することを禁じているとされているが、マイアミ市長は断固とした姿勢を崩さず、暗号資産への投資収益で財政を運営し、できれば無税で市を運営したいと主張している。

<3人目:クールバレー市長 ジェイソン・スチュワート>

ミズーリ州の小さな市、クールバレーの市長であるジェイソン・スチュワートは、暗号通貨を普及させるために、各市民に最大で1,000ドルのビットコインを支給する意向を発表した。

スチュワート市長は熱烈な環境保護主義者でもあり、ビットコインへの投資、ならびにマイニング施設の設立やその他の関連活動で市の財産を豊かにできると考えている。またスチュワート市長は、ビットコインの教育がこの地域の富と繁栄を高めるカギとなると考えており、将来クールバレーにビットコインに適した銀行ができることを期待するとも発言している。

<4人目:ジャクソン市長 スコット・コンガー>

テネシー州、ジャクソン市のスコット・コンガー市長は米ドルの減価や世界経済を襲っているインフレを解決するには、ビットコインが唯一のソリューションであると考え、市にブロックチェーン・タスクフォースを立ち上げ、ビットコインを使って市の固定資産税の支払いを可能にする方法を検討すると発表した。

7月中旬、コンガー市長はこうツイートした。「なぜ我々はインフレを受け入れるのか?なぜ我々は連邦政府にもっと要求しないのか?2年間で6.3%。私の生涯では172.8%だ。毎年、我々のドルの価値は下がっている。リバウンドはない。これを解決する方法は1つしかない。ビットコインだ」

またコンガー市長は、市の職員が暗号通貨で給与を受け取るオプションを検討するとしている。さらに市長は、ビットコインのマイニング産業を誘致するとともに、市の財政収入にビットコインを加えることも計画している。コンガー市長は、ビットコイン以外にも、市の財政運営のために、イーサリアムやライトコインを活用する可能性も示唆している。

<5人目:タンパ市長 ジェーン・キャスター>

フロリダ州、タンパ市のジェーン・キャスター市長も、ビットコインに強気の姿勢を見せる全米の都市の市長たちのひとりだ。

マイアミ市のスアレス市長がビットコインで給料を受け取る計画を発表した数日後、キャスター市長もそれに続いた。キャスター市長はこれをタンパで開催された「フロリダ・ビットコインサミット」で発表した。

国政レベルの議員や金融機関までもがビットコインに肯定的

このように、ビットコインを市の財政を潤す手段として活用し、地域経済発展の要にする動きは全米に拡大しつつある。また、それとともにアメリカでは、国政レベルの議員によるビットコインを後押しする動きも活発になっている。

トム・エマー下院議員とダレン・ソト下院議員は、アメリカでの「ビットコインETF」の承認を求める手紙を「証券取引委員会(SEC)」に送った。これはビットコインの強気のトレンドを後押しし、暗号通貨を正当化する雰囲気を強めることになるだろう。

さらに、ビットコインに弱気だった伝統的な金融機関も、暗号通貨とブロックチェーン技術が金融業界に革命的な変化をもたらす素地があることを認め始めている。例えば、「バンク・オブ・アメリカ」の最高執行責任者(COO)は最近、ブロックチェーンと暗号通貨によって銀行の業務を改善できると主張した。

オーストラリアでは、1,600万人近くの顧客を持つ国内最大級の「コモンウエルス・バンク」が、ビットコインをサービスに統合する計画を明らかにした。

暗号資産の分野では、強気のニュースが続々と発表されており、ビットコインは上昇の勢いに乗っているように見える。

もちろんビットコインを中心とした暗号通貨は、これからも激しく乱高下するだろう。30%近く下落することもあるかもしれない。

しかし、ビットコインの相場を強く後押しする状況は続いているので、中長期的にはかなり上昇するのではないだろうか?期待したい。

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ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン

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