コロナ急拡大 封じ込めへ対策立て直せ

  • 西日本新聞
  • 更新日:2020/11/21

やはり手ごわいウイルスである。全国で確認される新型コロナ感染者が連日2千人を超える規模に広がってきた。これから冬本番にかけて一層拡大する恐れがある。政府はここで対策の立て直しに踏み出すべきだ。

11月以降の「第3波」とみられる流行の特徴はウイルスが広域に拡散し、日常生活の領域にまで及んでいる点だ。

クラスター(感染者集団)は飲食店に限らず企業や学校、病院、福祉施設、警察署など場所を選ばず発生している。世代も若年から高齢まで幅広く、家庭内の感染も目立つ。夏場の第2波は主に歓楽街で広がり、感染者は若年層が中心だった。

九州の現状は比較的落ち着いているが、全国的な傾向の変化には留意しておくべきだ。

共同通信の直近の世論調査で感染再拡大に「不安を感じる」人は「ある程度」を含め8割余に達した。国の観光需要喚起策「Go To トラベル」の延長には反対が賛成を上回り、経済より感染防止を優先すべきだという人が7割に上った。国民が政府の取り組みに納得はしていない証左だろう。

まずは医療現場の逼迫(ひっぱく)を回避し、重症者の命を救うことが肝要だ。各地で不足しつつある療養施設の確保も急ぎたい。

政府は夏以降、観光需要の喚起に加え、イベントの入場制限緩和、海外往来の段階的解禁など経済回復に軸足を置く施策を進めてきた。これらの継続も慎重に判断し、状況次第では軌道修正を図る必要がある。政府が近くまとめる第3次補正予算も単に金額を積み上げるのではなく、感染封じ込めに向けて実効性のある中身にすべきだ。

同時に政府に強く求めたいのは、先送りされてきたコロナ対策特別措置法の見直しだ。

対策の大本であるこの法律は今春、新型インフルエンザ対策特措法の付則を改正し、適用対象にコロナウイルスを加えただけの時限立法だ。期間は最長で2年、当面の適用は政令で来年1月末までとされている。

これを単に延長するのではなく、国と自治体の役割や権限の明確化、飲食店などへの休業要請に伴う補償の国費負担の明文化といった本格改正を図るべきだ。政府は地方へのコロナ対策交付金増額を急きょ決めたが、自治体の判断で必要な対策を打ち出せる仕組みが必要だ。これまでに判明したウイルスの特性や対処の課題も踏まえ、法全体の見直しを急いでほしい。

年末年始に向けて気温はさらに低下し、換気が難しい時季に入る。私たち国民も感染予防に努め、社会全体で危機意識を共有していかなければならない。今がまさに正念場である。

西日本新聞

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