
愛知県庁=鮫島弘樹撮影
愛知県の筒井隆彌県議(78)=名古屋市名東区、13期=が、使途を不適切とされて一度は県に返還した政務活動費について「返還することは悪を認めたことになる」として、政活費の返還を県に求め、名古屋地裁に提訴した。22日付。
筒井氏の妻が代表を務める法人の事務所賃料を巡り、県監査委員は2月、筒井氏が2017~21年度、政活費から計367万5000円を支払ったのは不適切と判断し、大村秀章知事に返還請求するよう勧告した。筒井氏は大村知事からの返還命令に応じ、全額を返還した。
筒井氏は26日に記者会見。一度は政活費を返還した理由を記者に問われ「返還を拒んだらどうなるのかなと考えた。選挙(4月の県議選)の前だったし、立ち止まって考える時間がなかった」と説明。その上で「悪を認めた形になってしまったことがとても心外で不名誉なことだった。名誉を回復したい」と述べた。
また筒井氏は、政活費からの支払いについて県側は当初、問題ないとしながら、勧告が出た途端に返還を命じたと主張。返還に法的な理由がなく、「県の判断は誤っている」と訴えた。
愛知県は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【酒井志帆】
毎日新聞