ブナが大凶作!クマが人里に出没する恐れも【福島県】

ブナが大凶作!クマが人里に出没する恐れも【福島県】

  • 福島中央テレビ - 福島県内ニュース
  • 更新日:2023/09/19
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福島県内は、今年2023年もクマによる被害が相次いでいます。なぜ目撃情報や被害が増えているのでしょうか。

裏磐梯でトレッキングコースとして人気の北塩原村にあるレンゲ沼の遊歩道です。7月、8月と、散歩をしていた県外からの観光客がクマに襲われてけがをしました。こうした状況に村も驚きを隠せません。2022年にも、クマが市街地で目撃されるケースがありましたが、今年はさらに増えているワケを、専門家はこう分析しています。

■県野生生物調査官 溝口俊夫 獣医師

「クマというのは、自然の変化や季節変動とか、そういうのに影響を受ける。実は去年2022年、クマの大好物というか、クマの必要な食べ物のブナが大豊作だった」

クマは、秋にブナの実などを食べて、栄養を蓄えて、冬に子どもを産みます。2022年や2021年は、エサが豊富だったため、繁殖が盛んになって、その数が増えたと指摘されています。一方、そのブナの実にも変化が起きているようです。

■県野生生物調査官 溝口俊夫 獣医師

「今年2023年の秋なんですが、逆にブナが凶作なんですよ、それも大凶作といわれているので、今年はちょっと危険ですね」

凶作の場合は、秋から冬にかけて、エサを求めるクマが人里に出没するケースが増えると考えられています。

■県野生生物調査官 溝口俊夫 獣医師

「ほとんど山に食べ物がないので、気を付けていただきたいのは、9月・10月・11月のキノコ狩りのシーズンは山に入らない方が良いかもしれない」

県内では8月にも、クマが農家の小屋を開けて、玄米を食い荒らす被害がありました。脅威が身近になるなか、有効な手立てはあるのでしょうか。

■県野生生物調査官 溝口俊夫 獣医師

「電柵が有効的です。ここの穀入れは、”やばいな”とか覚えてくれれば、かなり被害は減らせます」

県警のまとめでは、2022年のクマの目撃情報387件に対して、2023年は、直近で484件と100件近く上回っていて、クマが冬眠に入るまでの10月、11月は注意が必要です。

そのため、会津地方の自治体が協力して対策に乗り出しています。その1つが、会津の17の市町村が2023年7月に新たに設けた会津総合射撃場です。これまで、会津地方には、鳥獣捕獲に必要な銃を練習する射撃場がなく、いわき市まで行かなければならなかったんです。

会津若松市でも、猟友会の会員はこの10年で1割ほど減ってしまい、高齢化も進んでいます。こうした施設を通して、有害鳥獣の捕獲への関心が高まるのではと期待しています。

福島中央テレビ

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