コロナ第三波がヤバすぎる...菅首相が東京五輪を開催できる「唯一の手段」

コロナ第三波がヤバすぎる...菅首相が東京五輪を開催できる「唯一の手段」

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2020/11/20
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コロナ第3波と後遺症の恐怖

新型コロナウイルスの「第3波」が来襲した。全国の新規感染者は11月19日、1日で2363人に上り、過去最多を記録した。東京都は同日、2日連続で最多の新規感染者を記録し、都独自の警戒レベルを最高に引き上げた。コロナとの闘いはどうなるのか。

感染拡大の第3波は、マスコミが伝えているグラフで読み取れる(たとえば、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201117/k10012716911000.html)。これを見ると、春の第1波、夏の第2波よりも、今度の第3波のほうがひどくなりそうだ。波の高さが明らかに、過去より高い。

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それだけでも心配だが、私が個人的にもっとも恐れているのは「感染した場合、後遺症が残りそうだ」という点である。私は60代後半の高齢者で、多少の持病もある。それで罹患してしまったら、完全に回復するとは、とても思えないのだ。

専門家の間では、早くから後遺症の懸念が指摘されていた。たとえば、大阪大学大学院の森下竜一寄附講座教授は5月に出版した私との対談本「新型コロナの正体 日本はワクチン戦争に勝てるか」(ビジネス社)で、こう語っていた。

「ECMO(人工呼吸器)につながれて治った重症患者には、大変な後遺症がありうると思います。だいぶ寿命も短いかもしれません。肺が線維化をきたし、かなりやられるみたいです。完全に元に戻るわけではないのです」(https://amzn.to/2Eh8QqY)。

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その後、後遺症に関するデータも集まってきた。たとえば、国立国際医療研究センター・国際感染症センターの感染症専門医である忽那賢志氏はYahooニュースに投稿した「日本からの新型コロナ後遺症の報告 約2割が発症 約1〜4カ月後に脱毛の症状も」という記事で、後遺症に関する内外の報告を紹介している(https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201024-00204411/)。

それによれば、国立国際医療研究センターに入院していた新型コロナ患者に退院後、電話インタビューをして63人から回答を得た。そのうち、発症60日後も嗅覚障害を訴えた人が19.4%、呼吸苦を17.5%、だるさを15.9%、咳を7.9%、味覚障害を9.7%の人が訴えた。また、24%の人が脱毛を訴え、症状は平均76日間続いた、という。

つまり、約2割の患者に、なんらかの後遺症が残ったのである。患者別でみると、酸素投与を受けた中等症の人が27%、人工呼吸器管理を受けた重症患者が8%だった。残りは軽症患者だ。軽症だからと言って、後遺症がないわけではない。

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忽那氏は同じ投稿の中で「約3割の人に記憶障害、睡眠障害、集中力低下がみられた」というフランスの報告や、「身体障害・認知機能障害・精神の障害がある集中治療後症候群」を指摘したイギリス国立衛生研究所の報告も紹介している。

テレビでコメントする専門家は多いが、忽那氏のように、テレビだけでなく、一般向けにネットの活字でも解説している人は少ない。実にありがたく、感謝したい。

どうやら、新型コロナの後遺症は身体だけでなく、知能の働きにも悪影響を及ぼすようだ。

そうだとすると、私など、仮に罹患して命が助かったとしても、もはやコラム執筆はままならず、趣味のスキーもゴルフもできなくなってしまうかもしれない。そう考えると、ぞっとする。そんな状態で長生きしても、虚しいだけではないか。

実は「コロナの第3波が襲来した」というニュースを耳にしてから、私は毎日、そればかりを心配している。最近は仕事で新幹線や飛行機に乗ったり、ホテルに出向く機会も増えつつあったのだが、感染リスクを考えると、喜んでいいのかどうか。

老人の心配性と笑うなかれ。働き盛りの壮年だったら、害は自分だけでなく、家族の将来にも及びかねない。ここはマスクと手洗い、3密回避の大切さを強調したい。

「菅―バッハ会談」の成果

さて、どう自分の身を守るかは自己責任として、東京五輪・パラリンピックとの関係に触れておきたい。

菅義偉首相は11月16日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と会談して、来年の五輪開催方針を確認した。菅氏は会談で「人類がコロナに打ち勝った証」として大会を開く決意、と語った。

これは、どういう意味なのか。ほとんどのマスコミは首相発言をそのまま報じるだけで、それ以上、掘り下げていないが、私は「語られなかった部分がある」とみている。ヒントは「選手にワクチンを接種する費用をIOCが負担する」と表明したバッハ氏の発言だ。

選手にワクチンを接種すると言っても、いったい、どこで接種するのか。たとえば、アフリカの小国から参加する選手が母国で接種できるのか。現実的に考えて、それは難しいだろう。ワクチンの開発に成功したとして、それは極めて貴重な医療品になる。

いま米国のファイザーとモデルナのワクチン開発が有望視されているが、まずは米国民を優先して接種するのは当然だろう。日本でさえ貴重なワクチンを早期に入手できるかどうか分からないのに、五輪に参加するはずの100以上の国がみな、来年7月の開幕までに入手できると考えるほうが非現実的だ。

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IOCのトーマス・バッハ会長[Photo by gettyimages]

そうであれば、費用もさることながら、どうやって入手し、どこで選手に接種するのか、が問題になる。バッハ氏はそこを何も語らなかった。私は「主催国の日本とIOCの責任でワクチンを入手し、東京で選手たちに接種する」プランを検討しているのではないか、とみる。

そうでなければ、ワクチンを自力で開発できず、入手もできない小国の選手たちにワクチンを接種するのは、ほぼ不可能だろう。ファイザーのワクチンは「マイナス70度以下で保存する必要がある」と言われている。これだけ見ても、多くの小国がそんな冷凍庫を用意し、ワクチンを自国に輸入できるとは思えない。

菅政権の「秘策」とは…?

菅政権はそこから1歩進んで「選手や関係者だけでなく、東京に来る観客にも、希望すれば、ワクチンを接種できるようにしたい」と考えているのではないか。それが可能になれば「東京五輪を観戦に行けば、ワクチンを接種してもらえる」という話になる。

これが「人類がコロナに打ち勝つ東京五輪」という話の正体ではないか。言い換えれば「東京五輪の開催とワクチン接種はセット」なのだ。

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菅義偉首相[Photo by gettyimages]

もちろん、このプランは首尾よくワクチンが完成することが大前提である。肝心のワクチンが出来上がらなければ、絵に描いた餅になってしまう。だから、現段階では話せないのである。実現しなかったら「大風呂敷を広げただけ」になるからだ。

菅政権とIOCのプランがこういう話だったとして、はたして上手くいくだろうか。私は「5分5分」とみる。つまり、何とも言えない(笑)。ただ、コロナ禍が収まらないにもかかわらず、五輪を理由に国を開いて、感染がさらに拡大する最悪の事態だけは、なんとしても避けなければならない。

東京の新規感染者は19日、534人の過去最多を更新した。これが五輪まで続く悪循環の始まりでないことを願う。

11月11日に公開した「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」は前内閣官房副長官補で同志社大学特別客員教授の兼原信克さん、学究社社長で元一橋大学客員教授の河端真一さんの2人をゲストにお迎えして、菅義偉政権や米国の次期政権について話を聞きました。番組初登場の兼原さんは、長く政権中枢にいた高級官僚ならではの鋭い分析を披露しています。ぜひ、ご覧ください。

新型コロナ問題については、大阪大学大学院の森下竜一寄附講座教授と対談し、5月に「新型コロナの正体〜日本はワクチン戦争に勝てるか!」、第2弾として8月に「どうする!?感染爆発〜日本はワクチン戦略を確立せよ!!」(いずれもビジネス社)を発売した。こちらもぜひ、ご一読を。

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