新型コロナ、メンタル面では若年成人に最大の打撃

新型コロナ、メンタル面では若年成人に最大の打撃

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/05/05
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新型コロナウイルスは個人、社会、医学、政治、そして経済のあらゆる面に、同時に危機もたらした。そして、その危機は増幅し続けている。こうした中で、リスク要因のひとつとして挙げられるのが、多くの人が感じている孤独だ。

孤独はうつや不安障害、薬物乱用、家庭内暴力など、さまざまな問題の原因になり得る。新型コロナウイルスのパンデミックが続き、人との接触を避けることが求められる中、これらの問題が深刻化していることは、驚くことではない。

孤独が引き起こす問題に特に悩まされてきたのは、18〜24歳の若者たちだという。米疾病対策センター(CDC)が行ったオンライン調査では、うつや不安の重い症状に苦しむ人は、その他のどの年代よりも多い63%にのぼっているという。また、この年齢の人たちの約25%が、自分自身の感情に対処するため、アルコールや大麻、処方薬を乱用するようになったと答えている。

この年齢の人たちは、高等教育機関への進学やキャリアに関する選択、人間関係の構築、または自分自身の家庭を持つことなど、人生におけるいくつもの選択に直面している。もともと強いストレス要因であるこれらの選択に加え、パンデミックによって先行きの不確実性が高まったことにより、彼らにはまた新たな圧力がかかっていると考えられる。

人生の重要な段階にあるこうした若者たちは、自分の人生における選択肢が狭められたように感じたり、終わりの見えない一時停止の状態に置かれているように感じたりしている可能性がある。

10代から若年成人といわれる年齢の脳は、新たな経験を待ち構えている。だが、現状ではそうした状態にある脳のニーズが、満たされていないことになる。

社会で対策を
心理学者でハーバード大学教育学大学院の専任講師でもあるリチャード・ワイズバードは、若い世代の孤独感について、家族とのつながりが「遺伝的なもの」から「自ら選択したもの」に移行する時期であることが原因の可能性があると指摘する。

行動が制限される現在の状況では、自分自身の家族と自宅で過ごしているとしても、感情的に強いつながりを持つ友人たちと接することができない。一方、大学の寮で生活している学生が実家に帰れない状況が続けば、不安や、社会的支援の不足に苦しむことになり得る。

コロナ禍では、授業への出席を通じて新たな友人との関係を築く機会も減ることになる。また、パンデミックの状況下で「どこまでが安全か」についての意見が異なれば、友人関係に緊張や破綻がもたらされることもあるだろう。

結果としてこの年齢の若者たちは、社会的支援を得ることができるネットワークの構築がうまくできず、パンデミックが収束した後も、その影響を受けることになる可能性がある。

一方、若年成人にとって外の世界とのつながりを保つ主な手段となり得るSNSは、連帯感を生み出し、互いを支援するシステムの構築に役立つものだが、対話が容易に有毒なものになるという側面もある。否定的な感情を引き起こす要因になる危険性があるということだ。

ワイズボードは、孤独とそれに関連するメンタルヘルスの問題に取り組むには、「堅固な社会的基盤」が必要だと説く。職場や学校、大学、その他のコミュニティーは、イベントやイニシアチブを通じて、人のつながりを維持することを支援できるという。

また、孤独を「不名誉なこと」とする考え方を変えるための社会啓発活動も重要だ。オーストラリアでは自殺防止を呼び掛ける非営利団体「RU OK?(大丈夫?、の意味)」が、周囲の人とのつながりを大切にし、生きることに苦しみを感じている人との会話を始めることを促すキャンペーンを行っている。

このキャンペーンに参加した人はそうでない人と比べて6倍、問題を抱えている可能性のある人と連絡を取る可能性が高くなっているという。米国をはじめその他の国も、プログラムを導入することができるだろう。

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