
ロッテは1週間に2度目の「ブルペンデー」となった5月21日の楽天戦も白星。広畑敦也(左)はプロ初勝利。右は吉井理人監督
パ・リーグ首位を快走するロッテは18日のオリックス戦、21日の楽天戦と1週間に2度も、救援投手が小刻みに継投する「ブルペンデー」を実施した。1度目は復帰登板を想定していた佐々木朗希投手(21)の右手指のまめの回復が遅れたため。2度目は先発を予定していた森遼大朗投手(24)が背中の張りを訴え、登板を回避したことが理由だった。
急きょ、採用が決まった「ブルペンデー」だったが2戦とも勝利。12球団トップの防御率2・55(25日現在)を誇る鉄壁の投手陣を支えるリリーフの層の厚さが際立った。
「やっぱり、沢村さんと益田さんの存在が大きいと思います」。好調の理由をこう語るのは、18日のオリックス戦で先発して1回無失点、21日の楽天戦に2番手で登板してプロ初勝利を挙げた広畑敦也投手(25)だ。2022年のドラフト3位右腕は、ベテランの一言に背中を押され、奮起したという。

ロッテのブルペン陣をまとめる守護神・益田直也
21日の試合開始前だった。疲労が考慮されて同日はベンチ外となっていた益田直也投手(33)から「頼むよ」と声をかけられた。「益田さんに言われたらやるしかないと」。二回から最長の3イニングを投げ1失点。リズムよく後ろへとつなぎ、勝利に大きく貢献した。広畑だけではなく、中継ぎ投手は益田と沢村の存在に感謝している。
益田は後輩との接し方について「優しくしてあげないといけない子もおるし、ふざけて『何してんねん』といわなかん子もおる。うまく性格を見て話しかけるようにしています」という。今季米大リーグ、レッドソックスから3年ぶりに復帰した沢村拓一投手(35)は「自分は盛り上げようとは思っていない。ともに成長しようと思っている。それがいいならいい」と話す。

ロッテの救援陣にとって沢村拓一の存在も大きい
言葉で支える益田と背中で示す沢村。両ベテランが若手の向上心をかき立てており、広畑は「お二人がブルペンを盛り上げてくれるというか、すごくいろんな話も聞かせてくれて。団結力っていうのは、すごく投手陣の中であるのかなと思います」と明かした。
現役時代に日米通算121勝、62セーブを挙げた吉井理人監督(58)は「実績のあるリリーバーが若手を育てる、と思っている。ブルペンの中の会話でね。沢村、益田は話ができる。後輩を育てよう、引っ張っていこうという気持ちがあるので感謝しています」と信頼を寄せる。
西野、小島、種市、佐々木朗、メルセデスら先発陣も好調の吉井ロッテ。先発と救援の両輪ががっちりとかみ合い、首位の原動力となっている。(サンケイスポーツ・ロッテ担当)