話題のアニメ『ハクメイとミコチ』の魅力とは? 原作とアニメがもたらす素晴らしき相乗効果

話題のアニメ『ハクメイとミコチ』の魅力とは? 原作とアニメがもたらす素晴らしき相乗効果

  • ダ・ヴィンチニュース
  • 更新日:2018/02/15
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『ハクメイとミコチ』(樫木祐人/KADOKAWA)

新年を迎えてはや1ヶ月。1月スタートの新アニメが、かなりの良作揃いであることに驚いている。作品のタイプもオリジナルから原作付きまで多種多様。その中でも個人的に注目している作品が『ハクメイとミコチ』だ。この作品はKADOKAWA(エンターブレイン)発行の漫画雑誌『ハルタ』に連載中の『ハクメイとミコチ』(樫木祐人/KADOKAWA)が原作で、身長9cmの「こびと」であるハクメイとミコチが自由闊達に生活するさまを描いたファンタジーコミック。人間が「こびと」であるなどファンタジーな要素と、実在の動植物などが登場する不思議な世界観が魅力である。

本作のアニメ版を観て誰しも驚くのは、その「再現度」の高さであろう。原作のハクメイとミコチは大自然の中でのびのびと暮らしており、動植物や自然風景などが非常に丁寧な筆致で描かれている。この美しい背景描写が原作の魅力のひとつなのだが、アニメでもいわゆる「背景美術」は、かなりこだわって作られている。背景美術会社「草薙」の手による背景は、草木の細かい描写から雨に煙る森林風景に至るまで、一切の手抜きなし。普通のアニメでは制作会社のクレジットはアニメ制作会社だけが記載されるが、この作品ではアニメ制作会社「Lerche(ラルケ)」に背景制作として「KUSANAGI」が併記。これは本作が背景に力を入れていることの表れともいえよう。

もちろん再現度の高さは背景だけではない。キャラクター造形から衣服、小物など原作の世界観すべてが極めて忠実に制作されている。ストーリーも当然、原作通りではあるのだが、もちろん単に原作をなぞっているだけではない。現在放送されているエピソードは、実は原作そのままの順番ではなく、再構成されているのだ。例えばアニメ第1話の「舟歌の市場」はコミックス第1巻の「第6話」に該当する。ここで市場を出すことで喫茶店「ポートラウンジ小骨」のマスターを登場させ、アニメ第2話「一服の珈琲」に繋げているのだ。ちなみにこのエピソードは原作では第4巻の「第23話」に該当する。この構成はアニメ第2話「ふたりの歌姫」で「付喪神」が登場するので、それに関連して選ばれたのだろう。シリーズ構成の吉田玲子氏による丁寧な構成により、原作がより分かりやすくなっているのは嬉しい。

そしてやはり注目しておきたいのは、アニメならではの部分。原作でミコチは、とても歌のうまいキャラクターとして描かれる。そして吟遊詩人のコンジュと共に、街の収穫祭で「歌姫」に選ばれるのだ。つまり「歌」が重要なファクターなのだが、紙面ではそれを伝えるのが難しい。それがアニメ化によって一気に解消。ミコチ役の声優・下地紫野は過去にアイドル役のキャラクターを多く演じており、2016年にはアーティストデビューするなど歌唱力には定評があった。アニメで披露されたその歌声は視聴者からも好評。コンジュを演じる悠木碧と共に歌うアニメのエンディング曲は一聴の価値アリだ。他にもEvan Callの手がける「劇伴」(アニメで使われるBGM)も、作品の世界観を広げるのに一役買っている。

このようにしっかりとしたスタッフによって支えられているアニメ版『ハクメイとミコチ』は、間違いなく原作の評価を一段高めた。そして原作を読んでいるからこそ、アニメで用いられた演出や意図を理解できる場面も多い。原作とアニメの相乗効果がこれほど体感できる作品は、非常に恵まれているといえるだろう。アニメを気に入って原作未読という人は、ぜひ一度読んでみることをオススメしたい。無論、その逆も然りである。

文=木谷誠

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