【週間為替展望】連休中の海外市場、ドル円は一時「108円台」

【週間為替展望】連休中の海外市場、ドル円は一時「108円台」

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  • 更新日:2017/08/13

前週(8/07~8/10)の東京為替市場で米朝緊迫の高まりから円は小幅ながら5週連続の円高となった。10日の東京銀行間のインターバンク市場の17時のレートは110円02銭で終え、週間で07銭(0.1%)の円高だった。ドル円の週間高値は7日の110円79銭、安値は9日の109円82銭だった。

東京市場が山の日で休場だった11日の海外市場では、地政学リスクによるリスクオフが進行、4ヶ月ぶりの円高となる108円72銭をつけている。

■前週(8/07~8/10)の振り返り

7日の東京為替市場で円が3日ぶりに売られ、17時のインターバンクレートは110円79銭と前週末比70銭の円安となった。

4日発表の米7月の雇用統計がコンセンサスを上回る好結果となり、米景況感の高まりから海外でドル円は買い戻された。NY為替市場では、東京17時の110円の水準から110円台80銭までの円安が進んだ。東京市場でも110円82銭と大きく円安に振れて始まったが、日中のレンジは20銭しか動かずと完全に膠着してしまった。

8日の東京為替市場で円は反騰、17時のレートは110円60銭と前日末比19銭の円高となった。

前週末の国連の北朝鮮制裁決議に対し、北朝鮮が決議を非難し核開発を止めることはないとの声明を発表したため、ドル円は有事の円高が進み一時110円53銭までの円高が進んだ。日本株が下落し2万円割れとなったことも円高をサポートしたようだ。

9日の東京為替市場で円は大きく買われ続騰、17時のレートは109円82銭と前日比78銭の円高になった。

米ワシントンポスト紙が8日、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したと報じた。小型核弾頭はICBMに積めるため、米国政府の許容範囲を完全に越えることになり海外で有事の円高が進んだ。東京時間では、北朝鮮がグアム周辺へミサイルを発射する計画だと報じられ、ドル円は一時109円74銭と2ヶ月ぶりの水準まで売られた。リスクオフの進展から日経平均も257円安の1万9738円71銭と大幅下落、5月31日以来2カ月半ぶりの安値を付けた。

10日の東京為替市場で円は3日ぶりに反落、17時のレートは110円02銭と前日比20銭の円安となった。

米朝緊張感は続いているが、日本市場が連休前とあって110円を挟んで小動きとなり日中のレンジは28銭だった。

■先週の海外動向を振り返る

10日の海外市場では、米朝の緊迫度が増し、NYダウは204ドル安と大幅安で3日続落、ドル円は109円15銭と一時6月14日以来2ヶ月ぶりの円高をつけた。北朝鮮のグアム周辺へのミサイル発射計画に対し、トランプ大統領が報復を示唆する強硬発言を繰り返した。

11日は、東京市場は山の日の祝日で休場となる中、海外市場では地政学リスクによる円高が進みドル円は一時108円72銭と4月20日以来4ヶ月ぶりの円高水準をつけた。だた、ロシアと中国が北朝鮮情勢の沈静化のために介入する姿勢だとの報道もありドル円は109円25銭と反発して引けている。NYダウも4日ぶりに14ドル高と小反発して引けた。

■「8/14~8/18」の為替展望

今週の日経平均のメインシナリオは、108円14銭から111円04銭のレンジを想定している。

全ては地政学リスク次第の展開になりそうだ。地政学リスクを予想することは困難で意味はないためここでは避けるが、北朝鮮のグアム周辺へのミサイル発射計画は米中緊張関係のレベルを大きく変えることだけは間違いない。米朝緊迫化で円高、緊迫が緩めば円安という展開だろう。

北朝鮮がICBMの成功に続き小型核弾頭を開発したということは、ワシントンが核のターゲット圏内に入ることになり、米国の許容範囲を完全に越える。グアムは米国領で米軍基地がある。国内経済が失墜しているトランプ政権にとって、アメリカ・ファーストが脅かされる北朝鮮の計画には強硬発言を繰り返さざるを得ない。

もし、北朝鮮がグアム計画を強制的に執行するとしたら、8月15日の祖国解放記念日、8月25日の先軍の日、9月9日の建国記念日などが要注意日との見方もある。国連や世界各国首脳は、武力行使によらず会話での緊張を解決するように発言を繰り返している。

地政学リスクによるリスクオフということもあって、米国の12月利上げ観測はかなり後退してきた。米FF金利先物による9月利上げ予想はすでにゼロ。9月FOMCでは金利据え置きが完全にコンセンサス。12月13日のFOMCでの利上げの確率は、一時50%程度だったのが36%程度まで低下してきており、年内利上げは見送りという見方の方が多くなってきている。

米利上げ先送りはドル安、円高要因。欧米の経済指標次第で為替が上下する展開は続きそうだ。地政学リスクによる円高と景気減速を示唆する指標が重なれば大きく円高に振れる可能性もある。

テクニカルでは、ドル円のサポートは4月17日高値の108円14銭。もしこれを抜くようならトランプラリー前の昨年10月28日の105円53銭まで大きな節はない。レジスタンスは8月4日の111円04銭。これをブレークすれば20日移動平均の110円64銭が次のターゲット。

今週の重要なイベントは、15日に日本で終戦記念日、北朝鮮で祖国解放記念日。15日に米FOMC7月分の議事録、15日から20日までNAFTA再交渉初会合(米、カナダ、メキシコ)、17日(未定)から日米外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会などがある。今後の大きなイベントとして浮上するのが、24日から26日の米ジャクソンホール会合。FRBのイエレン議長とECBのドラギ総裁が講演会を開く。9月にはドイツ総選挙がある。

経済指標は、日本では14日に4~6月のGDP速報値、17日に7月の貿易収支、18日に7月のスーパー売上高。海外では14日にユーロ圏6月の鉱工業生産、中国7月の固定資産投資、小売売上、鉱工業生産、15日に米7月小売売上、NY連銀製造業景況指数、16日に米7月住宅着工、16日にユーロ圏4~6月GDP改定値、17日に米7月の鉱工業生産、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、18日に米8月ミシガン大学消費者信頼感指数がある。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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