天高く人走る 福岡マラソン

天高く人走る 福岡マラソン

  • 西日本新聞
  • 更新日:2017/11/14
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フィニッシュ地点で笑顔を見せる(左から)小鴨由水さん、福沢涼真さん、もう一人の伴走者の池田聡一郎さん=12日午後、福岡県糸島市

市民ランナーが秋の福岡路を駆け抜ける「福岡マラソン2017」(福岡市、福岡県糸島市、福岡陸上競技協会主催、西日本新聞社共催)が12日開かれた=写真。今年で4回目。フルマラソン、ファンラン(5・2キロ)、車いす競技(同)の3種目に、過去最多の1万3432人が出場した。

福岡市・天神から糸島市までのフルマラソンには1万1520人が出場。天気に恵まれ、完走率は前回を上回る97%(1万1175人)だった。

■励まし楽しみ笑顔伴走 福岡マラソン・元五輪代表小鴨さん 自閉症男性と肩並べ

12日の福岡マラソンで、バルセロナ五輪マラソン女子日本代表の小鴨由水さん(45)=福岡市城南区=が自閉症の男性ランナーの伴走役を務めた。「失敗してもいい。挑戦することが大事」。一緒に練習を重ね、小鴨さんから走る楽しさを教わった男性は5時間11分16秒で完走。励ましの言葉を掛け続けた小鴨さんもフィニッシュし、笑顔で汗を拭った。

「あと大濠公園5周分だよ」。上り坂を過ぎた32キロ地点で、小鴨さんが声を弾ませた。肩を並べる福沢涼真さん(21)=同市南区=が「膝が痛い」と漏らしても、すぐに明るく励ます。「ここまで来たら大丈夫。気のせい」

福沢さんは、小鴨さんが主宰する知的障害者や発達障害者のランニング教室「かものこクラブ」の生徒。昨年に続く2度目の福岡マラソン完走を目指し、師弟で練習を重ねてきた。

小鴨さんは2011年、市の知的障害児向けジョギング教室を担当した。子どもの個性を尊重し、笑顔と声掛けを絶やさない小鴨さんに、保護者たちは「小鴨先生だからやる気が出た」「居場所がなくなる」と継続を要望。翌年のクラブ設立につながった。

所属する中学生から40代の16人は、障害の程度や症状もさまざま。月1回の大濠公園(同市中央区)での練習は、鳥を探して行方不明になる子もいる。「休んでもいい。好きなら、また自然と走りだすから」

小鴨さんには、苦い経験がある。1992年、初マラソンで当時の日本記録で優勝、五輪代表を射止めた。だが重圧で心身共に調子を崩し、五輪は29位と惨敗。兵庫県の実家に引きこもり、走ることをやめた。

ランナー復帰は96年。旧岩田屋女子駅伝部の監督に誘われ、福岡へ生活拠点を移した。走る楽しさを思い出し、マラソンにも出場。ゲストランナーで出場した今回も、福沢さんと合流するために立ち止まった中間地点まで、1キロ5分ペースで快走した。

合流後、スタートから伴走した協力メンバーの池田聡一郎さん(57)と2人で福沢さんを励まし続けた。「涼真君、もうすぐ終わりだよ」。小鴨さんの呼び掛けに、福沢さんはラストスパート。小鴨さんより13秒早くフィニッシュした。

「(小鴨さんは)一緒に走ってくれる(から好き)。来年も一緒に走りたい」と福沢さん。小鴨さんの頬が緩んだ。

=2017/11/14付 西日本新聞朝刊=

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