Amazon、Google、LINE、Apple、戦国時代に突入したスマートスピーカーの勝者は?

Amazon、Google、LINE、Apple、戦国時代に突入したスマートスピーカーの勝者は?

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/23

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は激化するスマートスピーカー市場について議論します。

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■技術力の高さが際立つGoogle

房野氏:とうとう日本でも「Google Home」が発売されました。「Clova WAVE」も正式にリリースされ、「Amazon Echo」も発売となりました。どれを使うか迷ってしまいますね。

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Google Home

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Clova WAVE

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Amazon Echo

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房野氏

石野氏:1万円台で買えるGoogle Homeは、すごく手軽で入門機としていいなと。

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石野氏

石川氏:「Google Home mini」なんて6000円でしょ。miniで十分だよね。

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石川氏

石野氏:意外と音がいいんですよ。いいというか、大きい。

石川氏:スマートスピーカーはもうGoogleの勝ちだな。しょうがないと思うな。

法林氏:勝負できる可能性があるとしたら、Amazonぐらいだよね。

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法林氏

石川氏:ただ、Amazonが日本語の処理に長けているかっていうと、ちょっと難しいと思うんですよね。

石野氏:Googleは十何年もやってきたと自ら言っているくらいだから。

石川氏:日本語の対応とか、検索とか、やれることとか、パートナーの数から見て、Googleはしっかり準備をしてきたし、アメリカで発売されて1年ぐらい経っているものなので、ローカライズの時間もあった。片や、LINEの舛田さん(LINE 取締役 CSMO 舛田 淳氏)は、7か月でここまでできたと言っているけど、Clova WAVEはやれることが少ないんじゃないのかというのが正直なところ。

石野氏:日本の会社だから日本語の処理ができるみたいなことを言ってるんですけど、本当にイコールで結び付くのかな。日本の会社でも、技術がなければ日本語の処理なんてできないし、逆にGoogleはアメリカの会社だけど、日本人のエンジニアがいっぱいいるし、日本にも支社がある。

法林氏:実際、ユーザーの言語を集めて分析してるからね。

石野氏:データを持ってますからね。そう考えると、日本の会社だから日本語が得意だとかローカライズだとかというのは、つまずくなっていう感じがする。

石川氏:"Made by JAPAN"って言ってるFREETELと一緒、みたいな。

石野氏:そこに論理的なつながりがあるようでないんですよ。というのを、Clova WAVEを使って感じました。あんなにムカつくとは思わなかった。ウチでのあだ名がポンコツになってるんですよ。しかも、僕が付けたんじゃない。奥さんが「何なの? これ(怒)」っていう感じで、すごい嫌っているんですよ。

石川氏:Pepperもそうだけど、あの手のものって、話し掛けてちゃんとした応えが返ってこないとショックじゃないですか。がっかりするし、傷つけられた感じもする。

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石野氏:萎えちゃうんだよね。使う気を消されちゃうんだよ。

石川氏:そう。冗談とか言わなくていいから、できるだけちゃんと返してほしい。ちゃんと仕事してくれること、ちゃんと会話を成立させてくれるところが重要。何回か会話をして対応してくれなかったら、もうそこでポンコツ扱いになってしまうので、ハードルの位置は割と高いんですよ。

石野氏:できないことはできないって言えばいいのに、Clovaはなんか余計な返事をしてくるんで。

房野氏:この座談会ではLINEに対して同じような指摘がずっとありましたが、変われなかったということは、根本的に無理だということでしょうか。

石野氏:そうだねぇ。厳しいなって思いましたね。

石川氏:やっぱり、会社で持っているものの差だと思うんですよね。Googleは莫大なデータを持っていて、スマートスピーカーっていう1個のアウトプットでしかない。同じ筒型のものであっても、バックボーンにあるものが全然違うので、結果、差は出るでしょう。

法林氏:とにかく、話し掛けて認識するという部分で、既に大きな差がついている。その上に、いろいろなサービスを結び付けていくという面でも、Googleは、確かに日本ローカルなものではできないものもあるけれども、比較的やりやすい。Netflixで映像を見せてとか、Google Play Musicで音楽をかけてとか、Spotifyでかけてとかができる。LINEが、Clova WAVEにLINE MUSICの利用権を含めたのは、LINE MUSICの料金だという考え方をすれば、アリかもしれないけど。

石野氏:僕はそう思って割り切ることにしました。

法林氏:しゃべることで対抗するのはかなり難しいけど、多少なりとも可能性あるんだったら、ドコモだけでしょう。「しゃべってコンシェル」ですよ。「会話モード」と呼びかけて始めるのはどうなのかという議論はあるけど、音声認識や自然言語の解釈に関しては、ドコモは追い掛けるだけのものは持ってる。

房野氏:LINEは音声との親和性が低かったってことですかね。

法林氏:LINEでも「LINE Out」とかで通話サービスはやっているけど、言語認識してるわけではないから。

石川氏:音ですからね。

石野氏:Googleはずっと昔から音声入力とか音声検索とか、いろいろやってきたので、そこでの差が出ちゃっているような気がしますね。

石川氏:日本語入力のソフトを提供していたりもするし、日本人がこういうときにはどういうしゃべり方をするのかということが、分かった上での音声スピーカー。やっぱり強い。

石野氏:元が検索屋さんなのは強いですよね。あと、個人のアカウントを持っていて、重要なデータを押さえてるところも強いなと。Clova WAVEがスケジュールを読み上げるけど、「結局Googleかい!」みたいなことなので。

石川氏:だったらGoogle Homeを使うわ。

法林氏:結局、LINEはLINEしかないといったらかわいそうだけど、テキストチャットがメインであって、そこの上にいろんなものを立てようと思っても、いかんせん土台が緩過ぎる。その点、Googleは何でも持っている。

■メーカーはどのプラットフォームを選ぶのか

房野氏:Amazon Echoには期待したいですけが、皆さんのお話から予想するにGoogleの一人勝ちっていう状況になってしまうと、競争がなくなってスマートスピーカー市場はもう伸びないっていうことになりませんか。

石川氏:Appleがいるじゃないですか。

房野氏:「Home Pod」待ちって感じですかね。ではApple対Googleということですか。

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石川氏:になるんじゃないですかね。

石野氏:Siriもあるし。

石川氏:いろんなサービスやアプリとの連携を考えると、スマートフォンのプラットフォームを持っているGoogleとAppleは一番、可能性としてあると思います。あとは、Amazonが買い物という別の切り口でどう攻めてくるかというところだと思います。

石野氏:買い物ができるのは強いですよね。

石川氏:まあ、音声で買い物をするという体験が、どこまで便利なのかっていうところですよね。

房野氏:石川さんは以前、Amazon Echoは買い物はできるけど、そこから先の出口がないみたいなことを、おっしゃっていましたね。

石川氏:そうですね。買い物はすごいし、一応、音楽もありますが、他にいろんなアプリケーションがあるかっていうと、なかったりする。買い物をしたいと思ったらAmazon Echoで発注して、それ以外のいろいろ聞きたいことはGoogle Homeに聞く、そんな感じになるのかもしれないですね。

房野氏:二極化が進むというか、2強しか残れないみたいなイメージですか。

石川氏:まさに今のスマートフォン市場に近い状態になるのかなと。

房野氏:第3勢力みたいなものは出るでしょうか。

法林氏:AmazonみたいにGoogle HomeのAPIを公開して、サードパーティーが自分の製品に実装できるような形に作ってくれば、可能性はあると思いますね。Googleはスマートスピーカーのためだけにやってるわけじゃない。Google アシスタントもあるし、Google Play Musicもある。Google1人でやることに限界があることも分かってる。Googleはそこでモノを売ってもうけようという意図は、そんなにあるわけではない。使ってもらわないと意味がないわけだから、母数を増やすという意味で、例えばAndroidプラットフォームのように、Google Homeプラットフォームを作って、ここだけはサポートしなさいと言って、プラットフォームを提供する。

石川氏:ソニーやパナソニックなんかが、Google アシスタントを搭載したスピーカーを作っていますね。

法林氏:他がやるというのは、当然あり得る話。

房野氏:APIは公開してるんですか。

石川氏:一応、スピーカーとしてGoogle Homeと同じものは作れるっていう状態。

石野氏:Google アシスタントを搭載できるということ。

石川氏:ソニーやパナソニックがいいスピーカー作ってくれればいいし、もしかしたら車載用は、また別のメーカーが作ればいいと思ってるだろうし。ともかくGoogleはユーザーの接点としてのスマートスピーカーがあればいいと思っていると思う。

房野氏:Googleは、どこでお金をもうけようとしてるのでしょうね。

石川氏:スピーカーに関してはまだ見えてないですね。

石野氏:Googleっていう会社は、最初にビジデスモデルありきではない。Androidもそうだったと思うんですけど、端末が1台出るごとにもうかるわけではなく、検索が増えて、間接的に広告が増えてもうかる感じになっている。音声も、広がることによって、結果としてGoogleの決済を使って買い物するようになったりすれば、そのトランザクションが入ってくる。そういう、もっと大きい、広い目で見ているんじゃないですかね。

石川氏:場所さえ押さえておけば、後でいくらでもやりようがある。スピーカーは、家の中を他社に取られないために、早くから投入するっていう意味もある。

石野氏:あとは、Google Homeによって、単純にGoogle Play Musicの契約率は上がると思います。僕も入りましたし。

石川氏:YouTubeをテレビで再生する回数も増えるだろうし。いろいろとできることはあるんじゃないのかな。

房野氏:今後、スマートスピーカーに他のどんな機能が入ってくるでしょうか。

石野氏:今はまだ決済の機能も入ってないし、海外に比べたら機能が少ない。家電コントロールの対応機器が少なかったりもする。ここら辺は、au HOMEと連携したりもするかと。「Actions on Google」(Google アシスタント用のアプリケーションを作成するためのプラットフォーム)が入ってきてからが本当のGoogle Homeの力の見せどころ。

法林氏:そこがお金を稼ぐところかもね。

石野氏:そうですね。なんですけど、それが入る前に完敗してるClova WAVEは、本当に考え直さないといけないなと。

法林氏:今のところLINE MUSIC専用スピーカーですから。それ以上はない。

石野氏:本当に年内に何とかしないと、みんな、ふーんとしか思わなくなる気がする。

石川氏:Google アシスタントは、テレビにも載るし、今後は多分、冷蔵庫にも載るし、エアコンにも載るし、いろんな家電に載る。スピーカーは多分、こういうもののシンボルでしかないと思う。今年のCES(Consumer Electronics Show)でAmazon Alexaを搭載したLGの冷蔵庫がありましたけど、あんな感じ。いろいろな家電と連携すると考えると、世界中のメーカーがたぶん、GoogleのプラットフォームかAmazonのプラットフォームを利用する。じゃあ、LINEはどうするのっていう話にもなってくる。

石野氏:Clovaは勝手に話し掛けてくるんですよ。ソニーモバイルが「Xperia Hello!」の方から話し掛けてくれるといっていますけど、いや、Clovaは勝手に話し掛けてくるじゃんって思った。

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法林氏:シャープの「エモパー」も話し掛けてくるんですよ。「お帰りなさい」って言ってくれる(笑)

石野氏:それを考えると、Xperia Hello!はXperiaのクレードルでも良かったのかなっていう気がしている。あえてハードウエアを決めちゃわなくても、Xperiaを置くと動くとかでも良かったのかなって。

房野氏:Xperia Hello!、顔はかわいいですけど高額ですね。

法林氏:いやー、厳しいと思うわ。

石川氏:5万8000円くらいで出した方が良かったと思うね。

石野氏:得られるメリットが価格に見合ってないんですよね。ソニーモバイルのスマートプロダクトは、「Xperia Ear」と「Xperia Touch」までは良かったんですけど、Xperia Hello!はやり過ぎたというか、他に先に出すものがあるんじゃないかっていう気がしたな。

房野氏:ロボットというなら、もっと動いてほしかった。

石野氏:そう、「aibo」とも競合するじゃないですか。ちょっとタイミングが悪いし、値段も悪いし、中途半端だなっていう感じがしますね。機能も減っている。2016年のMWC(Mobile World Congress)で「Xperia Agent」として出たときは家電連携もできたんですよ。それができても微妙なのに、それすらないのでちょっとなぁ。

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石川氏:Clovaはソニー製品と連携すると言っていたけど、出なかったじゃないですか。早く発表するのはいいけど、なくなったものも見えてくるから、どうなんだろうね。良くもあり、悪くもあり。

石野氏:うやむやになってしまう。でも、スマートスピーカーは面白いと思いますよ。6000円とか1万円ぐらいで買えるので、取りあえず買ってみない手はないと思うし、今、一番遊べるガジェットです。

房野氏:クリスマスプレゼントに最適ですね。

......続く!

次回は、楽天のFREETEL買収について話し合います。ご期待ください。

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法林岳之(ほうりん・ たかゆき)

Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

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石川 温(いしかわ・つつむ)

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

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石野純也(いしの・じゅんや)

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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房野麻子(ふさの・あさこ)

出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

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