ジャーナリスト田原総一朗氏会見(全文2完)日本メディア、自主規制している

ジャーナリスト田原総一朗氏会見(全文2完)日本メディア、自主規制している

  • THE PAGE
  • 更新日:2017/10/20
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ジャーナリストの田原総一朗氏が会見(THE PAGE編集部)

ジャーナリストの田原総一朗氏が、13日午後3時から外国特派員協会で会見を行った。10日に公示された衆院選の情勢や展望などについて語るとみられる。

※一部、判別できない個所がございますことをご了承ください。

悲惨な戦争体験をせずに日本を守るためには、どうすればいいのか

記者1:元国民新聞論説委員、藤田と申します。田原さん、戦争を体験した世代なんでお伺いしたい。軍歴はないでしょうが、戦争を体験した世代なんでお伺いしたいと思いますが、下手すると時期政権は戦時内閣。で、われわれももちろん1945年の占領から朝鮮戦争、ベトナム戦争と、戦時ジャーナリストは多かったんですが、われわれももしかしたら戦時ジャーナリストになる可能性がある。で、そうしたときに果たして、田原さんが体験したような悲惨な戦争体験をせずに日本を守るためには、どうすればいいのか。それを具体的にお伺いしておきたい。

田原:私は戦争を知っている最後の世代だと思う。私が小学校5年生の夏休みに玉音放送がありました。で、小学校では5年生から社会の授業が始まる。そこで1学期、この社会の授業で、先生がこの戦争は世界の侵略国であるアメリカ、イギリスを打ち破りアメリカやイギリスの植民地にされているアジアの国々を独立させ、解放させるために正義の戦争である。だから君らも早く大人になって戦争に参加して天皇陛下のために名誉の戦死をしろと、こう教えられた。1学期。はい。で、先生だけじゃなくて校長をはじめ、あるいはNHKのラジオも、朝日新聞、毎日新聞、全部そう言っていた。

ところが、2学期になると先生の言うことがまったく変わった。2学期になると先生が、実はあの戦争はやってはいけない戦争だった。間違った戦争だった。日本が侵略戦争したんだと。で、君らが平和のために頑張らなきゃいけない。戦争が始まりそうになったら体を張って戦え。1学期までは英雄だった東條英機さんをはじめ、軍の幹部が占領軍に逮捕された。1学期まではラジオも新聞も東條さんをヒーローだと扱っている。2学期になって占領軍が東條さんたちを逮捕すると、ラジオも新聞も逮捕されるのは当然だと書いた。いかに東條や軍の幹部が悪いことをしたか、こぞって書いた。

これが私の原点で、大人たちがもっともらしい口調で言うことは信用できない。特に偉い人の言うことは信用できない。国家が国民をだます。マスコミもまったく信用できない。これが私の原点で今もそう思っています。

記者2:じゃあ、田原さんも私たち信用してはいけないんですね。

田原:なんで? あなたは実はマスコミを信用してないと思う。だからジャーナリストやっているんでしょう。

記者2:イエス。

司会:じゃあ次のご質問。

もしも機会があればトランプ氏と金正恩氏、どちらにインタビューしたいか

記者3:今までのご発言はどちらかというと政治家的な観点からだったんで、もう少しジャーナリストの視点からお聞きしたいことがあります。先ほどの話の中でトランプ、そして安倍さんの話が出ていたんですけど、もし田原さんがインタビューをするチャンスがあった場合、トランプのインタビューをしたいですか、それとも金正恩のインタビューをしたいですか。もし機会があればどっちがいいですか。

田原:もちろんトランプのインタビューをしたい。金正恩なんて面白くないと思う。

記者3:面白くない?

田原:面白くない。

記者3:なぜ?

田原:つまりいかにアメリカと戦うかとしか言わない。

信頼できない日本のマスコミを良くするには何が必要なのか

記者4:フリーランスの〓コヤマ 00:42:34〓です。日本の政治家は駄目だと。

田原:駄目だとは言っていません。信用しないと。

記者4:日本のマスコミは信用できないと、よく分かりました。しかしこれはニュースでもなんでもなくて多くの日本人がそう言っています。そこで、これを良くするには何が必要なんでしょうか。

田原:私は日本が間違った戦争に入り込んだのは、基本の基本は言論の自由がなかったからだと思います。私はこの言論の自由は自分の命を懸けても守らなきゃいけない。一例を言いますと、さっきの『朝まで生テレビ!』が始まった翌年、昭和天皇の病気が重くなって危篤状態になった。そこで編成局長に今こそ天皇問題をやりたい。天皇の戦争責任を問いたいと言った。ばかやろうって言われた。このばかやろうのやり取りが4回あります。で、最終的には分かったと。テーマを変える。その年、韓国のソウルでオリンピックが開かれた。そこでオリンピックと日本人でやると言う。編成局長はそれはいいと賛成した。新聞で予告したタイトルはオリンピックと日本人。

ところが『朝まで生テレビ!』は午前1時過ぎ、つまり夜中の番組です。で、生だから実は天皇の戦争責任をやりました。編成局長をだましたわけです。翌日、編成局長に謝りに行きました。ところが番組は視聴率が非常に良かった。評判も非常に良かった。編成局長が、田原さん悪いけど大みそかにもう1回やってくれ。それ以後、『朝まで生テレビ!』はタブーにどんどん挑むということをテーマにした。

その1つ、日本にいる韓国系の〓弁護団 00:47:51〓、北朝鮮系の〓弁護団 00:47:53〓、両方出てもらって、北が正しいか、韓国が正しいか討論をやりました。大討論になり、殴り合いになり、下手すると殺し合いになるんじゃないかと思った。ところが、実は大した討論にならなかった。北も南も本当は仲がいいんだなと思いました。

女性宮家の創設や女性天皇について

France10:France10の〓オイカワ 00:49:10〓と申します。先ほど日本には保守がないということでしたけども、ユーロ圏に限っては、今、左翼も右翼も両方とも財政緊縮路線で、極右と極左だけが社会保障をやろうという状況になっているので、それはちょっと日本とは違うなと思いました。

それで質問なんですけれども、田原さんは女性宮家の創設や女性天皇についてはどのようにお考えなのかをお伺いしたいと思います。

田原:もちろんいずれも大賛成です。で、天皇自身もその両方は実現したいと思う。反対しているのは日本の右側です。日本会議とか。日本の右側は天皇を敵だと思っています。あんなのはお祈りさえしてればいいんだと。沖縄行ったり、サイパン行ったり、ペリリュー島へ行ったり。あるいは、靖国へ行かなかったら、とんでもない人間だと、こう。だから右翼にとっては天皇は敵です。また天皇は日本の右翼と戦ってると思う。さらに言えば、安倍内閣への多くの閣僚が日本会議に入っている。彼らは天皇を敵だと思っている。

死刑廃止について

記者5:ありがとうございます。先ほどのお話の中でも、日本の政党はどれも大して変わらない、みんな保守党であると。もちろん、日本共産党。

田原:保守じゃない、リベラル。

記者5:失礼いたしました、全てリベラルであると。日本共産党は例外として、ですけども、日本共産党はカウントしないということで、それは別に考えておきたいというふうに思います。それはさておき、先ほど別の話題でタブーとおっしゃいました。日本は変な国であると、ほかとは違うというようなことをおっしゃったんですけども、1つ、ヨーロッパが日本に対して、ぜひ考えてほしいのが、死刑廃止。死刑の廃止なんですけども、この点に関してはどのように考えてらっしゃいますでしょうか。

田原:実は昔、京都大学に、高坂正堯という教授がいました。私はとても信頼していた。で、高坂さんと私の意見は、死刑は廃止しない。しかし死刑は廃止しないけど執行しないという意見で一致した。

記者5:今でも同じ考えですか。

田原:はい。

司会:はい、あと2問ぐらいしか時間がありませんので。じゃあ女性の方どうぞ。

選挙後、自公が勝った場合、安倍さんはどのような政策に手を付けると思うか

AFP通信:AFP通信社の〓ハセガワ 00:54:50〓と申します。選挙のことに、話を戻したいんですが、この選挙は自公で勝つというような世論調査の情勢、出ていますけども、選挙後に安倍さんは、選挙が終わってから、今度、安倍さんがどんなことに取り掛かるというふうにご覧になっていますか。

田原:どうする?

AFP通信社:どんな政策に手を付けるというふうにご覧になってますか。

田原:小池さんの希望の党が憲法改正に賛成なので、私は憲法改正に手を付けると思う。ここで1つ大事なことを申し上げる。実は去年9月に安倍さんに会った。もちろん〓イ***イッテネ 00:56:08〓。そのときに、衆議院は与党で3分の2を取る。この間の選挙で参議院も3分の2を取った。いよいよ憲法改正だねと言いました。もう言ってもいいと思いますが、実はそのとき安倍さんが、実は田原さん、大きな声じゃ言えないけど、憲法改正する必要がまったくなくなりましたって言われた。なぜと聞きました。

そしたら、実は集団的自衛権の行使を決めるまで、アメリカがやいのやいのとうるさい。アーミテージやなんかが声高に叫んでいます。日本でも岡崎久彦、北岡伸一、中西寛たちが集団的自衛権をやるべきだとさかんに言ってました。読売新聞や産経新聞もさかんに言ってました。ところが、集団的自衛権の行使を決めたらアメリカはまったく何も言わなくなった。満足したのでしょう。だから憲法改正をする必要はない。ただ、このあとがいい。ただ日本の憲法学者の7割近く、実は63%が、自衛隊は憲法違反だと言う。だから、憲法に自衛隊の存在を明記したいと思う。

私は安倍さん、それは誤解だよ。実は憲法学者の63%、確かに朝日新聞の調査で自衛隊は憲法違反と言っている。しかし、だから憲法改正をしようと言っているんではなくて、逆です。今の自衛隊は軍事力世界第7位。当然ながら交戦力も戦力もある。だから今の自衛隊は憲法違反。だから軍縮をすべきだっていうのが憲法学者の意見、という話をしました。

2年間、メディアに対する政治圧力はあったのか

The Economist:The Economistの者でありますが、ちょっと遅刻したのでもうすでにお話をされているかもしれないんですけど、2年前にも田原さんFCCJここにいらっしゃったと思います。そのときに政治的な圧力がメディアに掛かっているというようなお話をされたと記憶しております。当時、3人のキャスター、アンカーがほぼ同時に辞めたという、そういったことが起きたその時期なんですけれども、その後、その見方っていうのは変わるようなことがありましたでしょうか。そもそもそういった政治圧力があったのかどうか、この2年間そういった政治圧力があるのかどうかについてお話しいただけますでしょうか。

田原:日本では具体的に政治圧力はないと思う。なぜならば私は3人総理大臣を失脚させてます。でも私は逮捕もされてない。政治圧力はないんだけども、実はほとんど新聞社やテレビ局の幹部が自主規制をする。こういうことをすると政府ににらまれる〓んじゃないか 01:03:46〓。99%、新聞社やテレビ局の幹部の自主規制だと思う。もしも総理大臣や官房長官が具体的な圧力を掛けたということをすれば、私が総理大臣や官房長官にとんでもないことをする、辞めろと言いますよ。総理大臣を失脚させます。

男性:〓***ナンデスケドモ、ダイジナコト***01:05:39〓。

今回の投票率はどのくらいになると思うか

Financial Times:ありがとうございます。Financial Timesの者なんですけど。

通訳:昔はですね。

Financial Times:自分でも忘れてた。

通訳:そういう意味だったんですね、はい、すいません、もうそうでないのを間違えました、はい。

Financial Times:この選挙を巡って私自身はドイツ人なんですが、ドイツ人です。どうしても有権者と政治の間の乖離があるように思います。ギャップが存在していて、特に左派の有権者が、日本にはリベラルの左派の政党がないがために投票したい政党がないんじゃないか、自分たちを代表してくれると。

田原:いや、それはありますよ。共産党、あるんですよ。

フィナンシャル・タイムズ:ないんではないかというふうに思っている節があるんではなかろうかと思っています。で、今回の選挙では結果的に投票率どれぐらいになると思いますか、今までは例えば50%の人が投票所に行かないというようなことがあったんですけれども、今回は少なくとももう少し投票率が良くなるというふうに思いますか。

田原:60%台いきゃいいと思う。日本人というのは不思議な民族で、あまり政治に対する不信感を持ってないんですね。この20年間に実質賃金18%も落ちてる。アメリカやヨーロッパなら不満のデモが起きる。日本はデモも起きない。

司会:若いから最後にチャンスを。

SNSの時代にジャーナリストを目指す人々に対してアドバイスをお願いしたい

ハリー杉山:田原さん、初めまして。タレントであり、フリーランスのハリー杉山という者です。ジャーナリストの息子です。この時代、昔あった、紙だけではなく、この時代は例えばInstagramとかSNSとかさまざまな分野で誰でもジャーナリストになり得る時代だと思うんですけども、そういう時代の中でジャーナリストを目指すという人々に対して1つだけでアドバイスがあれば、それは何になるでしょうか。

田原:1つは好奇心を持つこと。2つ目があらゆることを疑うこと。

司会:オッケー、ミスター田原さん、ありがとうございました。選挙のあとでまたお目に掛かりたいと思います。おっしゃったことが正しかったかどうか。またクラブにいらしてください。

田原:よろしくお願いします。

司会:1年間の会員〓****01:11:15〓。お酒は召し上がらないんですけど、甘い物もたくさんございますので。

田原:Thank you very much. どうもありがとうございました。

(完)【連載】ジャーナリストの田原総一朗氏が会見

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