使い道を考えずに容量1TBの高速USBフラッシュメモリーを衝動買い

使い道を考えずに容量1TBの高速USBフラッシュメモリーを衝動買い

  • ASCII.jp
  • 更新日:2019/10/17
No image

たくさんコレクションしているUSBメモリーでも、今までは最大でも128GBクラスしか持っていなかった。ある時、決まった使い道も無く、メールニュースで案内の来た「HIDISC 東芝製3D TLC搭載 USB3.1フラッシュメモリ 1TB」という長ったらしい名前の大容量USBメモリーを衝動買いしてしまった。思えば20年近く昔に、IBM USBメモリーキーと名付けられたわずか8MBのUSBメモリーの商品企画に関わっていたことが背中を押した感じがある

使い道を考えずに東芝製3D TLC NAND採用の 1TB高速USBフラッシュメモリーを衝動買い

USBメモリーを購入する多くの人は「いったい何を基準に買うのだろう?」と時々疑問に感じることがあるはずだ。今や大手のネット通販で探してみると、最低でも16GBクラスの商品しか見当たらない。容量別の売れ筋なら64~128GB辺りがマーケットの中心だ。

無理やり16GBモデルを探してみたら、なんと10色(10本)セットで3899円という商品が見つかった。そして、同じ販社が売っている1GBの10本セットが3199円なので、16GBと1GBのUSBメモリーの容量差は16倍なのに、価格差はたったの2割というおかしなことになっている。

ちなみに、同じ販社にはなんと512MBという懐かしい“MBクラス”の極小USBメモリーも販売しているようだ。しかし「512MB、512GBではありません」と但し書きがあり、間違って購入する人がいるようでなかなかおもしろい。ちなみに、10本でのお値段は2599円と意外と高値だった。

売れ筋の128GBでも、実売価格は2000~6000円くらいの開きがあるのが一般的で、流通や製造の仕組み、外装、使用しているメモリー素子の品質や世代、パフォーマンスなのか、筆者のような素人にはまったく分からないのが現状だ。しかし、長い無駄使いの経験から、“安いモノには理由がある”というのが筆者の脳みそのどこかに定着している。

今回は、今から18年前の2001年初頭に専用ドライバーソフト不要の世界初のUSBメモリー(IBM USBメモリーキー:当時4800円)を買った筆者が、人生初の1TBのUSBメモリーをまたしても明確な目的なくして脊髄反射的に衝動買いしてしまった顛末をご紹介したい。

巨大な容量をもつUSBメモリーが、単にテクノロジー基盤の成長・市場の拡大・低価格化に任せて、成り行きで次々と登場してくる昨今の環境と異なり、初期のUSBメモリーの登場には明快な理由や目的があった。

過去から現在までのコンピューターの記憶素子や外部記憶装置に多少興味のある人なら、そのあたりは釈迦に説法となるが、人と共通の会話言語をもたないコンピューターへの情報の受け渡しには、過去から現在まで多くの物理メディア的な手段があった。

文字や数字をパンチして穴をあけて情報を伝える80欄のカードに始まり、紙テープやさまざまなサイズの交換可能なフロッピーディスク(1971年に創案したIBMは“ディスケット”と呼ぶ(ディスク+ビスケット)。そして、よりコンパクトで大容量のハードディスクやシリコンメモリー(PCMCIAメモリーカードやSDカード)が登場した。

情報機器の中心が、メインフレーム(大型コンピューター)→デスクトップPC→モバイルPC→携帯電話→スマホと進化するにつれて、物理的な記録メディアも市場から変化と革新を求められ、過去から現在までそれに応えてきた。

多少話が脇道にそれたが、初代のUSBメモリーは、操作性と物理的な容量拡大の限界が見えてきたフロッピーディスクの代替記憶装置として登場してきたモノだ。当時、すでに世界最大容量に達していたIBM社の3.5インチディスケットは1.44MBと2.88MBの2種類。より多く使われたのは、安価な1.44MB容量の方だった。

創成期のWindowsやOS/2などのOS(Operating System)や大型パッケージソフトのPCへのインストールには、この1.44MB容量のフロッピーディスクを5~30枚くらい必要とした。それらの非効率的な操作性の向上を目指して登場したのが、CD-ROMとUSBメモリーだ。また、USBメモリーには当時盛んになってきたモバイルコンピューティング環境での活躍の場もあった。

初代のIBM USBメモリーキーの容量は、なんとたったの8MBだ。しかし、当時1.44MBのディスケット6枚分の大容量は何かと貴重な存在だった。対して今回衝動買いした「HIDISC 東芝製3D TLC搭載 USB3.1フラッシュメモリー」(HDUF129C1TG3。以降、高速USBフラッシュメモリー)は1TBの超々大容量だ。ざっと計算してみると、容量は8MBの初代IBM USBメモリーキーの12万5000倍になる。

No image

2001年に発表、発売された「IBM USBメモリーキー」(8MB)は専用ドライバーソフトが必要なく、当時のWindows OSを搭載しているパソコンなら自動認識する世界初のUSBメモリーだった

No image

IBM USBメモリーキー(上)と今回衝動買いした高速USBフラッシュメモリー(下)。20年近く経っても外観サイズはほぼ同じ……ただし、容量は12万5000倍にもなった

前述した紙の80欄パンチカードなら最大でも入るデータ量は1枚当たり80バイト。2001年に登場した8MBのIBM USBメモリーキーですらパンチカード1枚の10万倍の容量となる。1TBの高速USBフラッシュメモリーは、さらにその12万5000倍。普通の電卓で計算しようとすると、1TBは桁溢れの容量だ。

No image

最大でも80バイトのデータ収容力しかなかったパンチカードからフロッピーディスク、ハードディスク、シリコンメモリーカードなどこの数十年で記録媒体は大きく変化した

18年前に登場したUSBメモリーキー(8MB)は 現在でも利用できるがベンチマークは不可

そんな高速USBフラッシュメモリーだが、外観上は20年前のUSBメモリーと同じくキャップを外すとごく見慣れたUSBプラグが露出する。8MBのUSBメモリーキーとペアで持ち歩くと、うんちく満載でなかなか楽しい“話のネタ”アイテムだ。

半導体の技術に疎い筆者には、そのパフォーマンス的価値はよく分からないが、今回の高速USBフラッシュメモリーは東芝製の3D TLC NANDを搭載し、USB3.1 Gen1対応のフラッシュメモリーだそうだ。

そして、その明示的効果として、ある条件下のベンチマークテストでは理論値として最大読込速度毎秒400MB、最大書込速度毎秒290MBの高速データ転送ができるらしい。

No image

転送速度はUSB3.1 Gen1(5Gbps)に対応した1TB USBフラッシュメモリーだ。理論値は最大読み込み速度が毎秒400MB、最大書き込み速度が毎秒290MBだ

No image

非使用時ははめ込み式のキャップをして、本体後部のストラップホールにストラップを通して安全に扱える

No image

使用時はキャップを引き抜く。紛失防止対策の無い完全取り外し型なので、キャップの紛失には注意しよう。代替できるモノは無い

今回の高速USBフラッシュメモリーを実際に筆者のPCでテストする前に、久しぶりに20年前のUSBメモリーキーも筆者の「ThinkPad X390」のUSBポートに挿入してみたところ、確かに全容量は7.58MB(約8MB)と表示された。20年前の規格が今もきちんと継承されていて実際に使えるのは素晴らしいことだ。

No image

20年前のIBM USBメモリーキーを最新の「ThinkPad X390」に挿入してみた

No image

容量を確認してみるとほぼ8MBある

悪ノリで、ストレージ系のベンチマーク「CrystalDiskMark」にかけてみたが、オプション設定をどんなに変えてみても、常に“ディスク容量が足りません”のエラーメッセージが出て、20年前のUSBメモリーキーでは残念ながらベンチマークテストはできなかった。

No image

調子に乗ってCrystalDiskMarkベンチマークをやってみたが、どうしてもベンチマークテストは「ディスク容量が足りません」というエラーでまったく先に進まず

1TB USBメモリーのベンチ結果は 読み込みで理論値の82.5%、書き込みで51.8%

さて、実際に高速USBフラッシュメモリーをCrystalDiskMarkを使って筆者のThinkPad X390でテストしてみたところ、順次読み込みは毎秒330.3MB、順次書き込みは毎秒150.4MBとなった。より強力高速なプロセッサーやチャネル構造を採用したモンスターPCで測定すれば、より理論値に近い良い数字が出るのかもしれない。

No image

今回の高速USBフラッシュメモリーをThinkPad X390のUSBポートに挿入してみた

No image

CrystalDiskMarkの結果は順次読み込みが毎秒330.3MB、順次書き込みが毎秒150.4MBだった

しかし、これは前述の理論値である“最大読込速度毎秒400MB、最大書込速度毎秒290MB”と比べると、読み込み値で82.5%、書き込み値で51.8%となる。秋葉原のバックストリートやネット通販で常識的な値段で買えるUSBメモリーと比較すると、読み取りスピードで3~10倍、書き込みスピードで1.8~18倍くらい高速なので、明確な使い道があれば、東芝製の3D TLC NANDの搭載は価値があるだろう。

No image

続いて、ごく秋葉原などで売ってる一般的なUSBメモリーを2種類ほど使って同様のベンチマークテストをやってみた

No image

速い方のUSBメモリーは順次読み込みが毎秒96.31MB、順次書き込みが毎秒83.75MB

No image

容量の小さな遅い方のUSBメモリーは、順次読み込みが毎秒34.37MB、順次書き込みが毎秒8.099MBだった

データのクラウド保存は回線速度がネック NASやクラウド、物理ストレージへのデータ再配置を検討

さて、宣伝文句どおり高速で大容量の高速USBフラッシュメモリーだが、正直今は人に見せて“プチ・ドヤ顔”すること以外に使うあてが見つけられない。普段、仕事などで使うパワポもたまに動画を入れた気合入りのモノを作成しても、せいぜい数十MB止まり。とても1TBという容量は筆者の環境では使い切れない。

多少世間より遅れている筆者のパソコン環境も、今では、クラウドサービスが多数登場したころに加入したDropbox(2TB)のおかげで、デジカメやスマホが吐き出した過去のデジカメ写真のほとんどを自動的に貯めてくれる便利さだ。

しかし、正直なところDropboxは現状では“大きなゴミ箱”状態。貯めるのは簡単だが、ネット回線のパフォーマンスもネックになって、お掃除や整理整頓をマメにすることの苦手な筆者のような不良ユーザーには、値段との天秤にかけた場合、大容量クラウドサービスはだんだん重荷になってきているのが正直な感覚だ。

この際、ローカルネットのNASや、今回ご紹介したオフラインで取り扱いの簡単なレガシーな高速USBフラッシュメモリー、Dropboxをはじめとするクラウドサービスの3つを眺め直してデータの適正再配置を考えてみたい。

No image

最近、また流行り出したチビパソ(MicroPC)に巨大なUSBメモリーはミスマッチ感満載で楽しいかもしれない

No image

後方に大きく飛び出した、実際より大きく感じる高速USBフラッシュメモリーが最高だ

方針が決まるまで、ここ当面はミーハーな筆者はネットフレンドリーなMicroPCやスマホなど、一般的にはオフライン大容量ストレージとは無縁のように思えるパーソナルクライアントに高速USBフラッシュメモリーを接続して、大きな動画メディアのデモンストレーションやバックアップを取ったりして時間を潰すつもりだ。

No image

メーカー保証外の自己責任だが、スマホにもUSB OTGアタブターを介して高速USBフラッシュメモリーを接続できる。64GBしかメモリーの無いスマホに1TBの外部記憶装置はシュールだ

No image

スマホのファイルマネージャーなどを使えば、今後、歴代スマホの写真や動画などをすべて高速USBフラッシュメモリーにバックアップできる。実際に130個で容量が6.5GBほどあるファイルをスマホのmicroSDカードから高速USBフラッシュメモリーにコピーしてみたところ、約15分弱で終了した。これは筆者的には我慢できるパフォーマンスだ

No image

今回の衝動買い

アイテム:HIDISC「東芝製3D TLC搭載 USB3.1フラッシュメモリ
(HDUF129C1TG3)
・購入:ジャストマイショップ
・価格:3万535円(税込)

T教授

日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

IT総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
デスクトップパソコンを買うなら安い時期を狙うべし!おすすめの購入時期と検討したいパソコンメーカー3選
2万7800円は安い?高い?ノイキャン対応の「AirPods Pro」を使ってわかった○と×
GitHubの人気プログラミング言語、PythonがJavaを抜いて2位へ
YouTubeの新しい利用規約が「採算の合わないチャンネル」を勝手に削除可能になるものだと物議を醸す
Photoshopレベルの加工を一瞬で行うカメラアプリ「Photoshop Camera」を一足先に触ってみました
  • このエントリーをはてなブックマークに追加