Jアラートは空襲警報...辺真一が米朝戦争の切迫度を解説!

Jアラートは空襲警報...辺真一が米朝戦争の切迫度を解説!

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  • 更新日:2017/10/13
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返真一(ピョン・ジンイル)/1947年、東京都生まれ。明治学院大学文学部英文学科卒。新聞記者などを経て、フリーのジャーナリストとして活動。82年、朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」を創刊し、編集長を務める。北朝鮮問題の専門家として、テレビ、ラジオ、雑誌などの各媒体で評論活動を展開している。沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザーなどを歴任。近著に『在日の涙 間違いだらけの日韓関係』。(撮影/岡田晃奈)

日に日に緊迫感を増す北朝鮮問題。鳴り響くJアラートが記憶に新しい中、専門家の辺真一さんが作家・林真理子さんとの対談にご登場です。今後の日本を心配するマリコさんに、問題の切迫度を丁寧に解説してくださったのでした。

*  *  *

林:北朝鮮問題で緊迫状態が続いています。私たち、心のどこかで「北朝鮮もそんなに無茶はしないだろう」と思っていたら、ここのところ急にいろんな危機が現実味を帯びてきましたので、今日はそのあたりのお話をお聞きしたいと思います。

辺:志村けんさんの「だいじょうぶだぁ」に洗脳されてしまったんじゃないかと思うぐらい(笑)、日本には安全神話が根強いですけど、今の北朝鮮の核・ミサイル問題、どう考えても大丈夫とは言い難いですね。

林:私も心配です。

辺:「落としどころ」という言葉も日本人は好きですね。「最後は落ち着くところに落ち着く」と思っているかもしれませんが、湾岸戦争やイラク戦争も最後は国連が割って入って収まると思っていたら、ドーンと勃発しましたよね。「戦後72年、何もなかったからこれからもないだろう」というわけではないと思うのですが、目前の危機をよそに解散総選挙とは正直驚きました。

林:なんでこんなときに解散総選挙なのでしょう。

辺:何を考えているのでしょうかね? 予測不能のトランプ大統領と、統制不能の金正恩・朝鮮労働党委員長によって戦争になりかねないのが今の状況です。フランスのマクロン大統領やドイツのメルケル首相、中立国のスイスの大統領までが、はるか離れたアジアで起きている問題の仲裁に乗り出そうとしているときに、「最も被害を受けるかもしれない日本で能天気に選挙をやっている場合か?」と言われかねないですね。

林:朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)の人たちから多額のお金が北朝鮮本国に送られていると聞きます。「資金源の朝鮮総連の人たちがいるから、日本にはミサイルを落とさない」という考えは甘いでしょうか。

辺:北朝鮮は在日朝鮮人のことをこれっぽっちも考えてないと思います。

林:えっ、考えてない!?

辺:考えていれば、核実験とかミサイル乱射はしないと思います。やるほど在日朝鮮人が肩身の狭い思いをするのに、実際はおかまいなしですからね。トランプ氏と金正恩氏の考え方は似ていると思うんです。金正恩氏は、日本にいる数万人の在日朝鮮人よりも2600万人の本国の人民が大事だし、トランプ氏も3億2千万の米国民の命を守るためには、同盟国の日本、韓国が少々カスリ傷を負うのはしょうがないと思っているふしがある。

林:少々のカスリ傷はしょうがない!? そんな……。

辺:世論調査をすると、日本人がいちばんの脅威ととらえている国は北朝鮮なんですね。しかし、近隣諸国で、唯一日本との領土問題を抱えていない国が北朝鮮なんです。大きな資源紛争もなく、あるのは拉致問題だけです。でも、拉致問題で戦争なんてあり得ないですよね。

林:ええ。たしかにそうですね。

辺:ただし北朝鮮とアメリカが衝突すれば、日本は必然的に巻き込まれる。国際法的には朝鮮戦争は1953年から休戦状態のままでまだ終わっていないため、北朝鮮と米韓は依然として交戦状態にあるんです。北朝鮮とアメリカが衝突すれば在韓米軍が出陣する。在日米軍も日本の港や飛行場から出撃する。日本は日米安保条約に基づいて米軍に燃料、食料、医療、弾薬の補給もします。そうなると、北朝鮮が日本を攻撃対象にするのは避けられないと思います。

林:なんでこんなときにアメリカ大統領がトランプさんなのか。世界中が悪いクジを引いた感じがします。

辺:トランプ氏はしたたかです。今は「やるぞ、やるぞ」と言いながらもグッと我慢しています。ティラーソン国務長官は「外交的、平和的に解決する」と連呼していますが、この「解決」は、制裁か圧力をかけて北朝鮮をギブアップさせて、対話の場に引っ張り出すこと。国際社会もこれを支持しているんですね。

林:それができればいいですけど。

辺:同感です。しかし、トランプ氏とチキンレースをやっている金正恩氏にすれば、核もミサイルも捨てて会談の場に出るのは、完全降伏と同じです。だからその選択はない。ならば、米国は最後の手段として軍事力に訴えざるを得ない。

林:私たちは安倍さんに託すしかないわけですけど……。街頭に立って署名運動でもしようかしら。

辺:トランプ氏が軍事力を行使する恐れがあるので韓国の文在寅大統領は考えがガラッと変わりましたよ。選挙期間中に「大統領になったら真っ先にピョンヤンに行く。北風ではなく太陽政策だ」と言っていたのに、実際にはワシントンに行き、「北」に圧力と制裁をかけている。羽交い締めにしてでもトランプ氏の単独行動、軍事力行使を阻止しなければいけないからです。それぐらい文大統領はいま危機感を持っています。

林:そうなんですか。

辺:日本には、米軍とその家族が何万人もいますよね。彼らの家族が本国に帰らず、今でも三沢や座間や厚木、横須賀に住んでいるのか。一度メディアが実態調査をすべきですね。

林:北朝鮮の攻撃を予知して帰国したのでは、ということですね。

辺:考えてみてください。3月ごろから突然でしょう、空襲警報、避難訓練みたいなのをやり始めたのは。

林:Jアラートですね。

辺:北朝鮮のミサイルが誤って落ちてくるかもしれないからということですけど、それが本当の理由ですかね?

林:えっ、他に理由が?

辺:失敗して落っこちるかもしれないというならば、事故の確率が高い飛行機と言われているオスプレイが飛ぶコースでも、同じようにJアラートを鳴らして避難訓練をさせてしかるべきですよ。しかし実際は、数分で北海道を通過する北朝鮮のミサイルに対してだけ鳴らしているわけでしょう。

林:そうですよね。そうするとあれは何のためなんですか。

辺:私は安倍さんが2月にトランプ氏に会ったとき、「北朝鮮を攻撃するんじゃないか」と殺気を感じたのではないかと思っているんです。だから、これは本番に備えた訓練と見ています。いざ米朝が衝突して全面戦争になると、北朝鮮は日本にミサイルを撃ち込んでくる。そのための備えをやっているんだと思いますよ。(構成 本誌・直木詩帆)

※週刊朝日 2017年10月20日号より抜粋

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