「いじめ」「不登校」過去最多という事実をどうとらえるか――尾木ママ語る

「いじめ」「不登校」過去最多という事実をどうとらえるか――尾木ママ語る

  • 文春オンライン
  • 更新日:2018/11/08
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イラスト 中村紋子

十月末、文部科学省が「平成二十九年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を公表。小中高校で把握された「いじめ」が約四一万四千件で過去最多となった。

この件数はいじめが「発生」した数ではなく、各学校が「認知」した数。つまり、早期発見したいじめが増えたとも読み取れ、いじめ防止の観点では一歩前進ね。でも、認知件数で見ると実態とはかけ離れて少ないとボクは感じている。

いじめの「重大事態」は前年度の三九六件から四七四件に増加。さらに、発見も対策も難しく深刻化しやすいSNSいじめも急増。自殺者数も、学校報告だけでも二五〇人と前年度を上回っている。

自治体間の認知件数の開きも問題。一千人あたりで宮崎の一〇八・二件に対し佐賀では八・四件と十二・九倍もの差が。認知件数が少ない県には文科省から認知漏れがないか確認するよう促すなど指導は強化しているけど全国の学校にまで行き届いてはいない。

昨年三月、文科省は徹底して被害児童生徒目線に立った「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」を発表した。これは国際的にも極めて先進的な内容だけど、まだまだ生かし切れていないのが現状。国によるガイドライン利用の研修など、いじめの早期対応支援を推進してほしい。

「不登校」の小中学生も過去最多で約一四万四千人。これには、昨年完全施行された「教育機会確保法」で、学校を休むのもありだよと認められ、無理に学校に行かなくてもいいんだという認識が広がったことも影響しているのでは。

いじめへの取り組みが進む自治体では、子供へのアンケートで「いじめ」という言葉ではなく「嫌な思いをしたか」と尋ねるなど子供目線で早期発見や解決に努めている。子供に寄り添ったいじめの克服と楽しい学校づくりに国全体で取り組んでいきたいわね。

(尾木 直樹/週刊文春 2018年11月15日号)

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