【MBA分析】近江商人の心得「三方よし」で成功した地方の文化会館

【MBA分析】近江商人の心得「三方よし」で成功した地方の文化会館

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  • 更新日:2017/01/12
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人口3万2,000人の地方都市にある多目的ホールが全国的な注目を集めています。ギネス世界記録に認定されたというその構造もさることながら、商売の原点ともいえる「三方よし」が理想的な形で実現されている「南陽市文化会館」を、無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者・青山烈士さんが詳しく分析しています。

三方よし

山形県南陽市にある注目されている多目的ホールを分析します。

南陽市文化会館

今回は企業ではありませんが、とても参考になる事例でしたので取り上げました。

戦略ショートストーリー

南陽市民とアーティストをターゲットに「国内最先端の耐火木造技術と専門委員」に支えられた「やわらかい質感とダイナミックかつ美しい響き」という強みで差別化しています。

日本初となる大型木造耐火の文化ホールや最大の木造コンサートホールとしてギネス世界記録に認定されるなど、注目を集めることで顧客の認知度を高めています。

■分析のポイント

三方よし

近江商人の心得である「三方よし」という言葉がありますが、今回の南陽市文化会館は、それを実践している好事例です。

「三方よし」とは「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の三つのよしを意味しており、売り手と買い手が満足し、社会貢献にもつながる商売が良い商売であるということです。

今回の事例でいうと、「売り手」に該当するのは、南陽市文化会館ですね。「買い手」に該当するのは、利用者である南陽市民や観客、コンサートを開くアーティストや演劇を行う劇団などです。「世間」となるのは、その地域や関わりのある方々となります。

それでは、一つ一つ見ていきましょう。

一つ目は「売り手」を見てみます。南陽市文化会館にとっては、施設が利用されることが一番ですから、多くの著名アーティストがコンサートに利用しており、市民にも活用されている状況は満足といえるでしょう。

二つ目は「買い手」ですが、コンサートを開いたアーティストから「またここで、コンサートを開きたい」と言ってもらえているようですので、満足度は高そうです。そして、人口約3万2,000人の小さな町の市民にとっては、著名なアーティストが来ることは嬉しいことでしょうし、ここでしか味わえない音楽空間に観客も満足しているようです。

三つ目は「世間」ですが、著名なアーティストのコンサートが開催されることで、地域の旅館などの宿泊施設も潤っているようで、地域へ経済効果があるようですので、地域へ貢献しているといえます。

また、全国からの視察者は後を絶たないようで、学びの場としても貢献しています。さらに、南陽市という地域の知名度向上にもつながっていますし、南陽市のシンボルとして、地域に貢献しているといえるでしょう。

そして、構築・耐火技術を採用された地元の企業である株式会社シェルターなどの関わりのある企業にとっても、非常に大きな宣伝効果になっています。

以上のように、南陽市文化会館は公共施設ですが、「三方よし」を実践されていることがよくわかります。南陽市文化会館のように、商売の原点ともいえる「三方よし」を意識してビジネスをしていきたいですね。

国内最先端の耐火木造技術と音楽専門委員の存在

◆戦略分析

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■戦場・競合

戦場(顧客視点での自社の事業領域)
多目的ホール

競合(お客様の選択肢)
近隣の多目的ホール など

状況
多目的ホールは大半が公立の文化施設で、数は横ばいのようです。

■強み

1.やわらかい質感とダイナミックかつ美しい響き(南陽市民、アーティスト双方にとって)

静けさと響きがよい音楽空間

ここでしか味わえないぬくもり

心地よい木の香り

2.一流アーティストの公演が近くで見られる(南陽市民にとって)

山下達郎さん、宝塚歌劇団、井上陽水さん、布袋寅泰さん、ミスターチルドレン など

★上記の強みを支えるコア・コンピタンス

「国内最先端の耐火木造技術と専門委員」

南陽の森からとれたスギ材を積極的に活用した国内最先端の耐火木造技術を取り入れた集成材を採用
→地元の企業である株式会社シェルターの構築・耐火技術を採用しています。

坂本龍一さんら音楽関係者7人による専門委員の存在
→専門委員から音響設備の配置などのアドバイスを受けています

上記のような独自のノウハウがあるからこそ、強みを実現できているといえます。

■顧客ターゲット

南陽市民

公演を行うアーティスト(音の空間にこだわりのある方)

明確なコンセプトとギネス記録認定に裏付けられた自信

◆戦術分析

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■売り物

「多目的ホール(大ホール)」

様々な音楽事業及びイベントに対応

客席数 1,403席

■売り値

「大ホールの使用料金は土日の終日利用で18万1,400円」(入場料が5,000円を超える場合)

■売り方

「大ホールのコンセプトは『静けさと響きがよい音響空間』」

■売り文句

「木造の特性を生かしたやわらかい質感とダイナミックかつ美しい響きが演奏者と観客の皆様にすばらしい感動をご提供します」

日本初となる大型木造耐火の文化ホール

最大の木造コンサートホールとしてギネス世界記録に認定

■売り場

山形県南陽市の市役所の隣接地
→南陽市は人口約3万2,000の地方都市

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

image by:南陽市文化会館 公式HP

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出典元:まぐまぐニュース!

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