発熱・皮膚症状などで受診、HIV感染が見つかった29歳男性

発熱・皮膚症状などで受診、HIV感染が見つかった29歳男性

  • MEDLEY
  • 更新日:2018/01/12
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HIVに感染して体が病原体を排除する力が弱くなると、ほかの状況では少ない病気が現れることがあります。中国で、真菌(カビ)の感染をきっかけにHIV感染が見つかった人の例が報告されました。

多数の丘疹などが現れた男性

中国の医師らが、真菌感染症をきっかっけにHIVの感染が見つかった29歳男性の症状写真と検査画像を、医学誌『The New England Journal of Medicine』に報告しました。

この男性は、2か月続いた発熱・咳・息苦しさ・体重減少に加えて、2週間前から顔・首・胴体・両腕・両足の皮膚に多数の丘疹(大きさ1cm以下で盛り上がったもの)ができたことで受診しました。

丘疹の組織を顕微鏡で観察すると、真菌がいる様子が見つかり、さらに培養検査により真菌はタラロマイセス・マルネッフェイ(Talaromyces marneffei)だったことがわかりました。

タラロマイセス・マルネッフェイは中国や東南アジアなどに分布している真菌で、HIVに感染している人に病気を起こすことがあります(HIVがいない人でタラロマイセス・マルネッフェイが全身の病気を起こした例も見つかっています)。そこでHIVの検査が行われ、この人はHIVに感染していたことがわかりました。

抗真菌薬のアムホテリシンBを使った治療と、HIV感染に対する治療が行われました。治療開始から4か月後には、皮膚の丘疹は痕を残してかなり少なくなりました。「参考文献」のリンク先では治療前後の皮膚の様子と、組織を顕微鏡で見た様子の写真が見られます。

HIV感染を見逃さないために

タラロマイセス・マルネッフェイに感染したことからHIV感染が見つかった人の例を紹介しました。このようにHIV感染症を疑わせるヒントとなる病気がいくつかあり、地域差のある病気も含めて症状写真などの情報が全世界に共有されることによって、HIV感染を見逃さず適切な治療につなげる努力がなされています。

HIVは日本でも広がっています。現代では治療薬が発達したことで、HIVに感染しても普通の日常生活を送れるようになり、HIVに感染した人の生存期間は感染していない人とほとんど変わらないようになりました。しかし受診しなければ治療を始めることはできず、実際にHIVに感染していてもエイズとして発症するまで診断されないままの人も少なくないと考えられています
医療機関などで相談するべき、感染する可能性のある状況については性病の解説ページで詳しく説明しています。あわせてご覧ください。

◆参照文献

Talaromyces marneffei Infection.

N Engl J Med. 2017 Dec 28.

[PMID:29281582]http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1704164

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